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本サイトでは、たびたび村井俊治氏の地震予測を批判しています。ですが、一部の週刊誌が彼を取り上げることを一向にやめないようなので、繰り返し批判します。
村井俊治氏は、電子基準点の「日々の座標値」をみて、「地殻が異常に動いている!」と騒ぎ、地震予測の根拠としています。ですが、彼の言説はデタラメです。村井氏は単に、電子基準点の座標値のノイズ変動をみて、地殻が動いていると勘違いしているだけです。
今回は、国土地理院から入手できる実際の電子基準点データを見ながら、以下に説明します。
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まず、彼が週刊ポスト2014年9月19・26日号に発表した図を見てください(前回1/2の記事で示したものと同じものです)。

この図のなかで、右下の囲みの中に、「神奈川県・静岡県で、7~8月に電子基準点が異常に変動した」旨が記載され、地図をみると「厚木8.71cm」等の記載があります。
では、厚木の電子基準点の実際の変動を、国土地理院のサイトから作成したグラフでみてみましょう。上から、東西方向の変動、南北方向の変動、鉛直方向の変動を示します。日々の座標値をプロットしたものであり、1日ごとに1つの点が打たれています。



…いかがでしょうか?
村井俊治氏は、鉛直方向の座標値(いちばん下の「楕円体高」のグラフ)において、1週間の最高値と最低値の差を抽出しており、7~8月に異常変動「8.71cm」を記録した週があると言っているわけです。
このグラフをみると、たしかに8月10日の1点(1日)だけ、異常に低い値(約-6.5cm)が見られます(赤矢印で示しました)。この異常値によって、この週の最高値と最低値の差が「8.71cm」となったわけです。しかし、このデータをみて、あなたはこの低さにまで実際に厚木の地殻が沈降したと判断しますか??
このデータがノイズでない、実際の正確な値だと信じるのなら、厚木はこの1日だけ、突然に6.5センチも沈降したことになります。しかも、次の日には突然、もとに戻っています。地震動も起こさずに。こんなことは、荒唐無稽にもほどがあります。
さらに、隣接する電子基準点である平塚のデータをみてください(下図)。

ご覧の通り、厚木が-6.5cmの異常値を示した日、すぐ隣の平塚は1センチも沈降していません。この日、平塚が動かずに厚木だけが本当に6.5センチも沈降したのなら、平塚と厚木の間のどこかで断層が顔を出し、道路が割れ、建物が倒壊しかねないと思います。
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以上から明らかであるとおり、厚木のこの1日だけの異常値(-6.5cm)は、明らかに単なるノイズです。単にこの異常なノイズによって、この週の最高値と最低値の差が8.71cmに達したというだけなのです。厚木が8.71センチも隆起したり沈降したりしたわけでは、決してありません。
ちなみに、厚木でこの異常値を記録した8月10日は、台風11号の影響で神奈川県に大雨が降った日です。下表のとおり、厚木のすぐそばの海老名では、1時間に28ミリの豪雨を観測しています。おそらく、この豪雨が原因で、厚木の電子基準点に何らかのノイズが出てしまったのでしょう。

にもかかわらず、村井俊治氏は、このような異常値をノイズと判断できず、正確な地殻変動を表していると盲信し、「厚木が異常に沈降した!」と言っているのです。これはかなりの重症であると言わざるを得ません。
■
念のため申し添えておきますが、この日以外にも厚木の楕円体高値は常に±2センチほどの範囲で変動していますが、これも誤差変動にすぎません。厚木の地殻が日頃から2センチ隆起したり沈降したりを繰り返しているわけではなく、実際には0センチ付近の、データばらつきの中央付近でほぼ一定の値なのです。平時の地殻変動は緩やかなのです。
※特に夏期にデータがばらついているように見えますが、夏は水蒸気量や周辺植生の影響でデータがばらつくのだと、国土地理院のサイトに明確に書いてあります(こちら)。つまり、こういった変動がノイズであることは、国土地理院もはっきり言っているのです。
なお、スペースの都合で今回は省きますが、村井氏が「異常変動している」とする他の基準点のデータをみても、全く同様であることが分かります。国土地理院のサイト(http://mekira.gsi.go.jp/project/f3/ja/index.html)で、電子基準点の座標変化グラフを誰でも作成することができますので、興味のある方はチャレンジしてみてください。
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こうしたデータをみて、異常値をノイズと判断することすらできない村井俊治氏の科学的素養は、絶望的なものがあります。GPSに代表されるGNSSのデータにノイズが出てしまうことを知らないという知識の無さもさることながら、この変動データをみて「8.71cm」などと有効数字を小数点以下第2位までとってしまうセンスにも、溜息を禁じえません。
このようなデタラメな電子基準点データの解析に基づく地震予測には、信頼するに足る根拠は皆無ですので、村井俊治氏の地震予知研究を信じてはいけないと思います。
また、村井俊治氏やJESEAの関係者の皆さまには、ただちにご自身の研究内容を見直して出直していただくか、「ノイズではなく実際の地殻変動をみているのだ」という根拠を明確に示して欲しいと、強く要望します。
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本サイトでは、たびたび村井俊治氏の地震予測を批判しています。ですが、一部の週刊誌が彼を取り上げることを一向にやめないようなので、繰り返し批判します。
村井俊治氏は、電子基準点の「日々の座標値」をみて、「地殻が異常に動いている!」と騒ぎ、地震予測の根拠としています。ですが、彼の言説はデタラメです。村井氏は単に、電子基準点の座標値のノイズ変動をみて、地殻が動いていると勘違いしているだけです。
今回は、国土地理院から入手できる実際の電子基準点データを見ながら、以下に説明します。
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まず、彼が週刊ポスト2014年9月19・26日号に発表した図を見てください(前回1/2の記事で示したものと同じものです)。

この図のなかで、右下の囲みの中に、「神奈川県・静岡県で、7~8月に電子基準点が異常に変動した」旨が記載され、地図をみると「厚木8.71cm」等の記載があります。
では、厚木の電子基準点の実際の変動を、国土地理院のサイトから作成したグラフでみてみましょう。上から、東西方向の変動、南北方向の変動、鉛直方向の変動を示します。日々の座標値をプロットしたものであり、1日ごとに1つの点が打たれています。



…いかがでしょうか?
村井俊治氏は、鉛直方向の座標値(いちばん下の「楕円体高」のグラフ)において、1週間の最高値と最低値の差を抽出しており、7~8月に異常変動「8.71cm」を記録した週があると言っているわけです。
このグラフをみると、たしかに8月10日の1点(1日)だけ、異常に低い値(約-6.5cm)が見られます(赤矢印で示しました)。この異常値によって、この週の最高値と最低値の差が「8.71cm」となったわけです。しかし、このデータをみて、あなたはこの低さにまで実際に厚木の地殻が沈降したと判断しますか??
このデータがノイズでない、実際の正確な値だと信じるのなら、厚木はこの1日だけ、突然に6.5センチも沈降したことになります。しかも、次の日には突然、もとに戻っています。地震動も起こさずに。こんなことは、荒唐無稽にもほどがあります。
さらに、隣接する電子基準点である平塚のデータをみてください(下図)。

ご覧の通り、厚木が-6.5cmの異常値を示した日、すぐ隣の平塚は1センチも沈降していません。この日、平塚が動かずに厚木だけが本当に6.5センチも沈降したのなら、平塚と厚木の間のどこかで断層が顔を出し、道路が割れ、建物が倒壊しかねないと思います。
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以上から明らかであるとおり、厚木のこの1日だけの異常値(-6.5cm)は、明らかに単なるノイズです。単にこの異常なノイズによって、この週の最高値と最低値の差が8.71cmに達したというだけなのです。厚木が8.71センチも隆起したり沈降したりしたわけでは、決してありません。
ちなみに、厚木でこの異常値を記録した8月10日は、台風11号の影響で神奈川県に大雨が降った日です。下表のとおり、厚木のすぐそばの海老名では、1時間に28ミリの豪雨を観測しています。おそらく、この豪雨が原因で、厚木の電子基準点に何らかのノイズが出てしまったのでしょう。

にもかかわらず、村井俊治氏は、このような異常値をノイズと判断できず、正確な地殻変動を表していると盲信し、「厚木が異常に沈降した!」と言っているのです。これはかなりの重症であると言わざるを得ません。
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念のため申し添えておきますが、この日以外にも厚木の楕円体高値は常に±2センチほどの範囲で変動していますが、これも誤差変動にすぎません。厚木の地殻が日頃から2センチ隆起したり沈降したりを繰り返しているわけではなく、実際には0センチ付近の、データばらつきの中央付近でほぼ一定の値なのです。平時の地殻変動は緩やかなのです。
※特に夏期にデータがばらついているように見えますが、夏は水蒸気量や周辺植生の影響でデータがばらつくのだと、国土地理院のサイトに明確に書いてあります(こちら)。つまり、こういった変動がノイズであることは、国土地理院もはっきり言っているのです。
なお、スペースの都合で今回は省きますが、村井氏が「異常変動している」とする他の基準点のデータをみても、全く同様であることが分かります。国土地理院のサイト(http://mekira.gsi.go.jp/project/f3/ja/index.html)で、電子基準点の座標変化グラフを誰でも作成することができますので、興味のある方はチャレンジしてみてください。
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こうしたデータをみて、異常値をノイズと判断することすらできない村井俊治氏の科学的素養は、絶望的なものがあります。GPSに代表されるGNSSのデータにノイズが出てしまうことを知らないという知識の無さもさることながら、この変動データをみて「8.71cm」などと有効数字を小数点以下第2位までとってしまうセンスにも、溜息を禁じえません。
このようなデタラメな電子基準点データの解析に基づく地震予測には、信頼するに足る根拠は皆無ですので、村井俊治氏の地震予知研究を信じてはいけないと思います。
また、村井俊治氏やJESEAの関係者の皆さまには、ただちにご自身の研究内容を見直して出直していただくか、「ノイズではなく実際の地殻変動をみているのだ」という根拠を明確に示して欲しいと、強く要望します。
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