日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

ジャニーズ問題から見えてきたメディアのクロスオーナーシップ問題

2023年05月23日 07時43分02秒 | 政治
 ジャニーズ事務所創業者で故人となったジャニー喜多川氏(2019年死去)から「性的被害を受けた」とする被害者の声がようやくメディアに登場するようになってきた。先週水曜(5月17日)夜にはNHKが「クローズアップ現代“誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題」と題して,元タレント二人からの聞き取りを中心にして初めて正面からこの問題を扱った。もはやその遅きに失した損失は計り知れないとしても,NHKが放送メディア集団にあって先陣を切ったことは一定の評価を与えてよい。
 それに対して民放各局,わけても在京キー局は今日にいたるも沈黙を続けている。それだけではない。放送に引っ張られるのであろう,新聞もまた書き渋っているらしくはかばかしい記事は出てこない。こういうメディアをあげて口をつぐんでしまうというのは,日本のメディア業界の構造に根本的な問題があるからである。
 それが,日本の放送,特にテレビ放送に新聞社がいわば親企業として資本参加して組織化されているためである。こういう構造をクロスオーナーシップ(相互所有)というが,先進国では現に禁じられているこういう資本関係が,この国では「系列」の名で完璧に出来上がっている。この関係はキー局と全国紙だけでなく,地方紙と地方民放局の間にも網の目のように出来上がっている。
 これをここでの話題=ジャニーズ問題ということで言えば,特に在京TVキー局がジャニーズジュニアやジャニーズタレントをつかったコンテンツを大量に番組表に埋め込んでいる。これを要するに<ジャニーズ放送>と堕した日本のテレビが,親会社の新聞社の下で売り上げ額はともかくヒエラルヒーとして「配下」に置くがゆえに,新聞はその子会社=TVの不出来を表沙汰にできないままに沈黙してきたのであろう。
 公共放送の大権威BBCによって極東の日本のジャニーズ問題を世界に向かって放送されたとき日本のNHKと朝日・読売・毎日・日経・産経新聞各紙は何とも身の置き場に困ったのではなかったか? こんなことももとをただせば「クロスオーナシップ」を許容してきた間違いが源流だ。
 いつの間にか高市元総務大臣起源の放送法第4条問題がうやむやになっているが,この「クロスオーナシップ」と「マスメディア集中排除原則」,この前近代的問題を併せてアメリカ並みの世界標準にすべきであると長年機会ある度に言ってきたが,災い転じて福となすにこういう時こそ絶好の機会であるのだが・・・・。
 


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