「兵庫県議会から不信任決議を受けた斎藤元彦知事(46)は26日、再選を目指して出直し知事選への立候補を表明した記者会見で、内部告発のあったパワハラ疑惑について、『机を1回たたく、付箋を投げるなどは良くないことで、反省もしなければならない』と述べた。一方で、『3年前、(県民の)大きな付託を受けている中で、辞職はかなり重大なこと。不信任決議を可決するというのは議会の判断だが、本当にそこまでいかなきゃいけなかったのかという思いは、正直ある』と口にした」(2024/09/26読売新聞)。
兵庫県議会から不信任を突きつけられた知事、ひょっとして「議会解散」を選択するのではないかと「不安視」されていたが、最終的に今日30日24時00分の自動失職を選択し、その後に行われる知事選出選挙に再挑戦という道を選ぶつもりという。彼に用意されている数少ない選択肢の一つとしてはまあ最良の選択であったように思われる。
しかし、ここに至る道すがら彼が見せた数々の判断ミスはも、もはや呆れるばかりの過剰な自己中心的自尊心に人々はあきれ果て、不快を通り越して恐怖すら感じたのではなかったか? これはこの人に個性的な素質の故ではあろうが、加えて国家公務員として過ごした職歴の中で知らず知らず身に着けた、言うところの「役人根性」の故であろう、と想像される。同じような類型が都道府県市(特別)区町村1794の団体に居はしないか?
この男の履歴を見ると、内務官僚(自治省職員)としての地方周りの職場がドサ周り、それだけに迎える自治体は天から降りてきた貴種として「下へも置かない」扱いをしてしまったのではなかったか? そして行き着いた先が郷里の知事職、ここに納まったらもはや元の役所の出世街道からは遠く離れてしまったが、地方長官(国司・守護・大名)として一国一城の城主となったのは満更でもない自尊心を刺激してくれたのであったろう。まして、兵庫県が生まれ故郷であってみれば、睥睨する知人友人は腐るほどいる。
こういう勝利者気分が大きな落とし穴になって彼の足許を崩落させた。言うまでもなく、彼が再起を図るべく挑戦する次期知事選の勝利は覚束ない。有り金使い果たして浪人となったこの男を雇う職場はこの世にはあるまい。自治体の長などという組織は、自律神経で動いている自動機械のようなもので、機械をよく回すのが良い首長で、要らざることをやって機械の回転を乱調させる首長はただの邪魔者に過ぎない。斎藤前知事はそういう乱調者であったのだろう。
マエストロと呼ばれる指揮者は、各パートのプレイヤーが楽しくて仕方ないように棒を振る。美しい音楽は指揮者ではなく各パートのプレイヤーが喜んで出すサウンドの集合である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます