月下、飲んだり読んだり

~何はなくとも一杯の酒~

万年中2病か

2012年01月26日 21時53分22秒 | 名言
佐野洋子さんの追悼ものに船旅日記が載っている。病気を抱えて一人旅をしたとき、ノートにメモをした走り書きの活字化なんだけど、彼女のほかのエッセーと同様辛辣でざばっとしていて興味深い描写がたくさんある。その中で、

12時半まで『グレン・ミラー』をやっていたがばからしかった。
昔、何が面白かったのだろう。


という一文を見て、ああ人って変わっていくと思った。変わっていいんだよ。変わっていいというか、そりゃ変わるのが当たり前。流れに乗って沈んだり浮かんだりぶつかったりするし、流れに乗れずにとどまっているときもあっていい。そうなの? とどまってていいの?と、いろんなシーンで何度も再確認しておろおろしたり安心したりしている自分がいる。万年中2病か、私は。

絵本では『おぼえていろよ おおきな木』が大好きなんだけれど、あれも変化を描いた話。『シズコさん』もそう。佐野さんは人間が変化するときのうねりみたいなものを、じっと見詰めて描出した作家だと思う…、いま思い付きで書いてるんだけど。もっと著作を読まないと分からないのでAmazonぽちってきた。今年は読む本がいっぱいある。うれしいことだ。

(引用:「佐野洋子 追悼総特集 100万回だってよみがえる」河出書房新社)


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