月下、飲んだり読んだり

~何はなくとも一杯の酒~

藤田嗣治の筆運び

2012年05月16日 11時22分01秒 | 仕事
画家・藤田嗣治の筆運びを撮った古い映像を公開しててたまげました。すごい筆力。

やっぱり技術者のよしあしは信念なんていうぼやけたものではなく、技量の差に出るんですね。筆の使い方、線の描き方、腕の動かし方、きっとものすごく試行錯誤してつくり上げたんでしょうね。私ら素人は何げなく絵を見ているし、高評価の絵であっても好き嫌いがあってすべて素晴らしいとは思うわけではないけど、でもやっぱり歴史に残るものには高い技術力がベースにあるんだなとしみじみ感じたわけです。私が見た番組では、現代の修復家がフジタの作品を再現という番組構成だったんですが(「美の饗宴」)、なんかね、描線の差が半端なくて不憫なぐらいでした。

というわけで私も自分のジャンルで腕磨かなきゃなあと思ったわけです。
歴史に残る原稿は書けなくていいんだけど。

最近はテープ起こしだけじゃなくて、音声→ライティングとか、資料→ライティングに関わる案件が増えて、クライアントの注文も何だかハードルが高くなってきてる気がします。私を信頼して高いハードルを設置してくれてるんだか、こんなことも分からないんですか全くもうって思われてるんだか、ちょっと分からないところがあってドギマギの連続。顔が見えないってのはこういうときつらいですね。もともと基礎知識がないジャンルの仕事ばっかりなので、書籍代金、資料代金がもうね、赤字になるやんかっていうね。頑張るけどね…。

いや、仕事って「頑張ります」じゃ駄目ですね。頑張るのは当たり前だと誰か先輩もおっしゃっていたけれど本当にそう。クライアントとそのまた先にいる発注者さんの意図をくみ取って、意図どおり、それ以上の原稿を返せるようになるにはただ闇雲に頑張っても駄目で、冷静な判断とか処理が必要なんだけど、判断する下地が備わってないというもどかしさ。頑張っても足掻いても何も出てこないときがある。地味にコツコツベースアップしていくしかないんでしょうけれども。

支離滅裂ですが、フジタ氏の筆力に感化されたってことなんです、ええ。
描き続けたんだろうなと。私も書き続けなきゃなあと。