疲労と美術

2008-10-12 08:41:01 | Weblog
先週の木・金にかけて用事で上京してきた。金曜日の10日は、上野(尾形光琳)→九段下(山種美術館)→新国立美術館(ピカソ展)と美術館巡りを予定していたのだが、板橋区立美術館で「北斎DNAのゆくえ」という美術展をやっているのを行く間際になって知り、上野と板橋に切り替えた。これが間違いではあった。

根拠地の新浦安は10時過ぎに出かけた。東京から池袋に出て、東武東上線で成増という駅で降りる。せいぜい20分くらいだろう、と踏んで歩いたのだが、これがいつまでも着かない。暑い日である。板橋区は道路が狭く道標の類も皆無である。いきなり三叉路に出たりする。店が無いので道を尋ねることもできない。市民農園や竹藪などがあって、田園的なところではある。あちらこちらに迷ってようやく美術館に着いたのは正午ちょっと前だった。脚は棒のようになっており、クタクタに疲れている。頭は熱気で朦朧としている。

企画展のタイトルは「北斎DNAのゆくえ」とある。葛飾北斎とその門人たちとの芸術的な関わり、を主題にした企画である。

と・こ・ろ・が、何を見ても何の興味も感動も涌かない。作品を保護するために照明を落としてあるので目を凝らしても何やらボーっと見える。楽しくない。面白くない。ホクサイが何だ!オレには何も関わりがないではないか!と思える。今、ホクサイの肉筆画の前に居るのだぞ、と自分に言い聞かせてもダメである。こんな場所に長居してもムダなので早々に退去した。帰りは美術館のすぐ前のバス停から成増駅前のバスに乗る。たちまち着いた。狭い道と寂れた街、それだけが印象に残った。

疲れるとこうなのだ。

ここで東京に帰るのが上策だったのだが、上野の尾形光琳を見なくては、と乞食根性を出したのがいけなかった。上野は池袋から山手線で8駅目である。車内は混んでいて、どの駅でも誰も降りない。誰もシニアに席など譲らない。
上野に着いた頃はヘロヘロである。国立博物館は上野駅から大変な距離だ。着いた頃は立っているのも難儀なほどに疲れてしまった。
尾形光琳?何だそれ?ということでした。ホウホウの体で東京駅に出て新幹線に乗って福島に帰る。

疲れたら美術展は見るな、という教訓を胸に抱いて福島駅に降り立った。お粗末とも何とも言いようがありませんね。
あ、それから、板橋区立美術館までは歩いては行けません。成増駅前からバスに乗るべし、という教訓も。
また、上野の国立博物館にはシニアは行かないのが上策である。どうしても行くのであればタクシーを・・・・。シャトルバスくらい出してくれてもいいのにな、と思うのだけれども。

それにしても、同じ区立美術館でも渋谷の松涛美術館があんなにシックな建物だったのに板橋区立美術館はずいぶん殺風景なものだった。それも疲労の一因だった。




東京地下鉄の研究  (2)

2008-10-07 20:21:55 | Weblog
東京で地下鉄関連の表示を見るときまって「東京メトロ」とある。昔は「地下鉄」と言っていたのだが・・・・。
そこで検索してみると、「東京メトロ」とは一種の愛称らしい。誰でも「東京メトロ」と言ってるのだから、逆らうことはあるまい。

ところがこれにはさらなる問題がある。「東京メトロ」とは東京の地下を走るすべての地下鉄路線を指すのか?答は「否」である。地下鉄には2つの完全に別々の営業母体があるからだ。「東京メトロ」とは、「東京地下鉄株式会社」の運営する地下鉄路線のことらしい。この会社は昔は「帝都高速度交通営団」と呼ばれていたものである。
現在次の9つの路線を運行している。
銀座線丸の内線日比谷線東西線千代田線有楽町線半蔵門線南北線副都心線

もう4本ある地下鉄道は都営地下鉄、正式には東京都地下高速電車)で、東京都交通局の運営によるものだ。
現在は次の4本である。
浅草線三田線新宿線大江戸線

両方合計すると13系統あるわけで、簡単には覚えきれないし、乗りこなすのは至難の業である。ただし、乗りこなすことができれば、これをJRや私鉄と組み合わせて首都圏のどこにでも容易に行くことができるだろう。ま、行く目的があれば、の話ではあるけれども。
13系統のそれぞれには建設された必要性と来歴があるわけで、それを研究すればさらに面白いはずだ。

東京メトロの研究  (1)

2008-10-07 19:22:49 | Weblog
東京に関わりを持つ人はだれでも、各々頭脳の中に「東京地図」を持っている。その「地図」は東京との関わり合い方によって千差万別だろう。
私が東京に住んでいたのは昭和30年の前後4年間で、高度成長の前だった。東京を走る乗り物は、今のJR電車の前身である国電の他は都電が全盛で、地下鉄は今の銀座線1本だけだった。
したがって、私の「東京地図」には、国電しか走っていない。山手線、京浜東北線、中央線だけの「地図」である。
これは一つのたとえ話ではなくて、最近まで東京を訪れた場合に現実に行動を束縛するものだった。
たとえば、神田神保町に行くにはJRのお茶の水駅から明大前のだらだらした下り坂をどこまでも下る。また、たとえば歌舞伎座に行くには有楽町から歩くわけだ。築地に行く時もそうだ。有楽町から築地まではけっこうきつい道のりなのだが。

ところで最近(先月)東京の美術館めぐりをする機会があった。美術館めぐり、といっても、渋谷の松涛美術館から新国立美術館へ行っただけのことではあるが・・・。
新国立美術館までの道順がわからなかったので松涛美術館で訊くと、わざわざ地図のコピーをとって持ってきてくれた。それによると、まず神泉駅から渋谷まで戻り、そこで銀座線に乗り換えて一駅目の表参道駅で千代田線に乗り換え、一駅目の乃木坂で降りなさい、そこが新国立美術館なのです、ということだった。こんなに機動的に東京の地下鉄を利用したことは初めてで、美術展とは別に、楽しい体験となった。
なにしろ、「地下で電車を乗り換える」など、なかなか空想的かつ幻想的な体験だったのだ。これが契機となって、東京の地下鉄というものに興味を持つようになった。今週は上野の森と九段下と六本木の美術館を周ってくる予定だが、今度は地下鉄を主なアシにするつもりだ。まず、上野の森(ここは上野から歩くしかない)、次は上野からJRで飯田橋まで乗り、そこで地下鉄東西線に乗り換えてさらに九段下で半蔵門線に乗り換えて半蔵門駅で降りる。(山種美術館は九段下から歩くよりは半蔵門駅から歩くほうが早いらしい。ま、行ってみないと分らないけれども)
そこで折り返して飯田橋まで戻り、JRで渋谷に出て、そこから表参道→乃木坂のルートをとるつもりで居たのだが、さらによく調べると、何と半蔵門線は渋谷まで通っているではないか!
それなら、半蔵門線に再び乗って表参道→乃木坂のルートをとる方がどれだけ時間の節約になるか分らない。これは感動しましたね。なるほどなるほど、地下鉄というものは過去の交通機関でブランクになっている空間を埋めてくれるものだ、と悟ったわけだ。帰りは、乃木坂から千代田線の上りに乗り、大手町で丸の内線に乗り換えれば東京駅に直行らしい。あとは新幹線に乗るだけだ。これは便利です!
これが現実にも上手く行くかどうか、は東京から帰ってからまたここに書きたい。







ストア-ドフェアシステムのこと

2008-10-06 20:53:59 | Weblog
ストア-ドフェアシステム(英語ではstored fare system)という舌を噛みそうな用語を今日覚えました。カードに運賃を貯めておくシステムのことで、要するにスイカやパスモなどの総称のようです。このシステムで使うカードのことは「ストアードフェアカード」と言います。我々善男善女がその仕組みも知らずに使っている例のカードです。
これを例によってウイキペディアで検索してみて驚きました。日本の北から南まで細々と別々の名称のシステムがあるのですね。もちろんシステムの内容もそれぞれ別のもので、互換性はないようです。
私は「スイカ」しか知らなかったので、これには驚いたわけです。今時こんなことを知らないとは、仙人みたいなものかも知れません。
(なお、ストアードフェアカードには磁気方式とIC方式があります。我が愛するスイカはIC方式のようです。)

しかし、難しい用語ですね。とても簡単には覚えられません。
また、それにしてもストアードフェアシステムとは恐ろしくローカルなものですね。北海道は***、仙台は***、首都圏は***、等々でこれまたとても覚え切れません。そう、覚える必要はないのでしょう。そこで使うのは圧倒的多数がそこの住民でしょうから。今日は一つ学問させていただきました。

「ジパング」で切符を買う

2008-10-06 13:39:35 | Weblog
「ジパング倶楽部」で東京までの往復切符を買った。特急券も入れて1万2千円弱である。
ジパングを利用しなければ1万7000円強なのでかなり助かる。

さて、福島県ではS観光の高速バスが福島・東京間で走っており、これが現在は片道で2,800円、往復では5、600円。時間は片道で約4時間。したがってJRの新幹線はバスの2倍以上のネダンだ。ただし片道の所要時間は約2時間である。

さてどちらが得か、は大変難しい問題だ。どういう用事で上京するのかにもよるわけだから。東京に午前中の用事があるのなら新幹線が得だ・・・というよりは新幹線に乗るしかない。午前中に着かなくてもいいのであればバスの方が得かもしれない。その他、宿泊を伴う用事かどうかでも事情は大きく違ってくる。なにしろ東京発福島行の帰りのバスは東京発が午後7時前に終わってしまうのだ。いずれにせよ、6000円程度の違いなら新幹線の方が得かもしれない。ま、東京には行かないのがベストではあるけれども・・・・・。

相撲の八百長疑惑

2008-10-06 13:28:16 | Weblog
相撲に八百長があったの無かったのと裁判で騒がれているが、私の個人的感想では不毛な論争である。
金銭の授受があれば別なのだが、無ければ当事者の2人またはそれ以上の力士がフェアに闘かったかどうか・・・要するに全力を出し切って取り組みをやったかどうか、の問題になるのだろう。それをどうやって「証明」するのだろうか?たぶん証明はムリだろうと思う。全力を出したかどうか、に問題を絞るならば、最近の取り組みで流行っている「逃げ」の相撲は全力を出していない、と考えることも可能だ。しかしそう考える人は、たぶん居ない。「全力を出さないこと」、も相撲の手である。
人間どうしの闘いには必ずこの問題がからむ。競輪、競馬、競艇などの賭けごとも含め、スポーツの競技には他人との駆け引きが重要なファクターの一つだ。駆け引きを八百長と言うのではそもそも競技が成立し難いのではないか。そこには当人どうししか知らない高度な心理戦が繰り広げられるはずだ。裁判にはなじまないだろう。



病気のネコ

2008-10-04 20:15:10 | Weblog


我が家のネコのトラは昨年以来口内炎を患っている。ネコの口内炎は人間のそれとは違い、不治の病であることが多いようだ。
それに加え、昨日からビッコを引いて歩くようになった。見ると、右前脚の肉球(脚の裏のスポンジのような部分)に傷がある。何か尖ったものを踏み抜いたのかもしれない。さっそく人間用の消毒液を塗ってやったが、効果は疑問だし、人間用でいいのかどうかも疑問だ。
しかるべきサイトを検索してみると、肉球の部分を水洗いして清潔な布でふき取り消毒薬を塗布して包帯を巻くように、とある。これはたしかに王道だろうけれども、トラがそんな治療を大人しく受け入れるか、大いに疑問だ。
ネコ自身は元気を全くなくしてしまった。朝から晩まで眠ってばかりいる。これには困りました。


米金融安定化法案ようやく成立

2008-10-04 19:16:37 | Weblog
米下院でいったん否決された金融安定化法案がようやく通った。通った理由の一つには、否決された直後の市場の下落があったようだ。ようやく危機感が目覚めた、ということだろうか。
今のところこの法案が実際に役立つのかどうかについては懐疑的な声もあるようだが、再び否決された場合の背筋も凍るような恐ろしさを考えると、まずは良かったと強く思わざるを得ない。
ところで先日も書いたことだが米下院議員はローカルな利益擁護で動いている、という印象が強い。(11月に全員が改選、ということで甚だタイミングが悪かったことは斟酌しなければならないだろうけれども)
今日NHKの番組を見て驚いた。米下院議員のかなりの数の方々はパスポートを持っ
ていないということだ。つまりアメリカ以外の国々を見たことがないわけである。これでは、ある重要法案の否決が世界にどういうインパクトを与えるか、についての想像力が養われる場が無さそうだ。
日本人のように不正を働いてまで外国に行きたがるのは論外だけれども、法を作る方々が海外の実情を自分の目で見ようとしないのはもっとコワイことではなかろうか?
ある英字新聞では、社説で reckless rejection of the financial rescue pack と遠慮ない言葉で書いていた。(金融救済法案を無謀にも否決したこと・・・)

巨大ショッピングセンターのこと

2008-10-03 16:36:20 | Weblog
埼玉県に巨大なショッピングセンターが出来た。面積が21万8000平方メートルで店舗数は566店、従業員数は8000人、ということだ。これは小さな地方自治体に匹敵する規模である。
テレビでショッピングセンター内の様子を放映していたけれども、恐るべき広さだった。自転車かバイクがないとショッピングセンター全体を巡回することは難しそうだ。
これほど広ければイベントを開くには便利だろう。しかし物事には限度がある。これほど広い店の建設を発想すること自体どこかおかしいのではないか?

最近「・・・アウトレット」という名称の巨大なショッピングセンターがここ東北でも相次いで建てられた。仙台に2つ(?)、那須に1つ、という具合である。これらも限度を超えた施設であるように感じられる。将来どうなるかは知らない。

東京で何を観るべきか?

2008-10-02 19:36:43 | Weblog
来週9日10日東京へ行く。用事は9日で済むから10日は何か有意なことで過ごしたい。ということで3つの美術展を選び出した。
 
 山種美術館 「百寿を超えて」
 国立博物館平成館 「尾形光琳生誕350周年記念展」
 新国立美術館 「巨匠ピカソと愛と創造の軌跡」

この3つから2つ選ぶ、という案に落ち着いた。ところが今日たった今しがた、浅草で勘三郎の平成中村座が「仮名手本忠臣蔵」をやることを知った。これは極めて魅力的だが、入場料が1万円を越す。冥土の土産にしても高すぎます。歌舞伎座では「魚屋宗五郎」をやっていて、これも良い。これはたしか四階で見れば1200円くらいだったと思う。
いろいろ考えた末、元に戻って山種と上野が良いのではないか、と今は思っている。静かな時間を過ごしたい、というのが理由である。時間に縛られたくない、ということもある。