イモ畑に代執行

2008-10-16 19:45:24 | Weblog
今日大阪府門真市で第2京阪道路の用地として保育園の畑に行政代執行をかけ、強制収用する、という「事件」が起きた。

これは考えたくもない事件である。というのは、大阪府の立場に立つかそれとも保育園の立場に立つか、によって考えが180度違ってくるのである。マスコミは例によって「正義の味方」となって断固保育園の立場に立っていた。このサツマイモ畑は園児たちが丹精して育てた土地であって、もう2週間後に収穫する予定だ、と主張し、園の関係者や保護者の一部は体を張ってでも阻止する構えであった。カメラはその様子を克明に写していたが、代執行者は悪、保育園は善、という構図が見え見えだった。これはフェアではない、と私などは感じる。ここは道路予定地であることは春から通知してあったことで、今代執行を2日遅らせるだけで億という金が飛ぶのだそうだ。どうも双方のコミュニケーションがよくとれてない感じではあるけれども、道路予定地と決まった場所にサツマイモを植えるのは賢明とは言えないように思う。時期が来たから代執行を実行すると、それを阻み、行政を悪と印象づけるのはいかがなものだろうか。これに幼児の泣き顔を絡ませるのはさらに卑怯な行為ではなかろうか。

しかし、住民も木石ではないのだから、せめて1日でも代執行を遅らせて説明に費やすことはできなかったのだろうか。

なお、幼児には「世の中にはこういうこともあるのだよ」と言いきかせるのも親たちの重要な務めだと思う。何もかも自分の言い分が通るのだ、と理解してオトナになったら、それは大変なことではある。