米金融安定化法案

2008-10-01 19:17:24 | Weblog
もうこの件については書くのも鬱陶しいけれども、ともかく政府側は「修正案」を出して賛同を求める。問題の下院は10月2日に採決を行うようだ。なかなか難しいようだが、修正案も否決される事態は考えたくない。

どうやら、アメリカの議員それぞれはかなりローカルな利害で動いていることが身に沁みて分りました。国全体、さらには世界、という概念は理論としては分っていても、実際の行動となるとローカルな方向に行ってしまうようです。


セロテープのこと

2008-10-01 17:58:39 | Weblog
「福原麟太郎随想全集」をちびりちびりと読んでいる。その中に「セロファン・テープ」という題のエッセイがあった。
アメリカから帰ってきた知人にセロファン・テープなるものを貰って大いに感動し、古い蔵書の修理などで大変重宝している、というような内容の身辺雑話的エッセイである。初出は昭和26年とある。

思えば、我々の生活の中にいつの間にかスッと入ってきてそのまま居ついている、そういうものが非常に沢山ある。セロテープもそういうものの一つである。いったいいつ頃初めて見たのか全く思い出せない。したがって、初めて見た時に感動したかどうか、も覚えていない。

そこで気になってウイキペディアに当ってみた。それによると、戦後、ニチバン社がアメリカ合衆国から輸入したセロハンテープを元に開発を行い、昭和23年(1948年)、製品化にこぎつけた、とある。開発の早さにGHQは驚いたそうだ。発売年は書いてない。そこで、こんどは「ニチバン」のサイトを開いてみると「セロテープ60周年キャンペーン」という記事が目に入った。今年2008マイナス60は1948だから、製品化した年に発売したのであろう。
いずれにしても、福原麟太郎さんがこのエッセイを書かれた昭和26年には日本でも出回っていたことが推測される。しかし一般人の身の回りのどこにでもあったのではないらしい。だからこそ福原麟太郎さんは感動したのだろう。テレビ、冷蔵庫、洗濯機など「三種の神器」ならば生活暦のいつ頃に普及し出したかほぼ感覚的に分るけれどもセロテープのように地味な製品の普及については記憶に薄い。しかしいろんな面で我々の生活を変えてきた重要な製品だったことを、このエッセイで思い知らされた次第である。
なお、「セロテープ」はニチバンの登録商品名なので、一般には「セロハンテープ」と呼ぶべきである、とウィキペデアでは注意を促している。

昭和23年は帝銀事件の年である。ガンジーが暗殺されたのもこの年だった。戦後のどさくさが少しずつ整理され始めたのもこの頃だったように記憶している。