キャッチアンドリリース

2009-06-26 21:08:51 | Weblog
キャッチアンドリリース(catch and release)は大嫌いな言葉だ。
魚釣りの用語で、(自然保護とか動物愛護のために)釣った魚は食べたりせずに放してやる、という意味である。何という人間中心の勝手な考え方なのだろう!偽善もここに極まる、という感じだ。こういうのをヒューマニズム(人間主義)というのだろう。釣った魚は食べてやるのたが当然だ。そのほうがよほど魚への愛情が感じられる。
たとえば我が敬愛する開口健さんがこのキャッチアンドリリースの愛好者だったことにはがっかりする。開口さんくらいの知性の持ち主でさえも、こと魚釣りのことになると想像力が萎えてしまったのかもしれない。

魚釣りというスポーツは楽しむ。魚の苦痛には思い及ばない。楽しむだけ楽しんで優越感さえも楽しんで「またおいで」などと傷ついた魚を放してやる、とは何という下種根性なのだろう。そもそも楽しみのための魚釣りなどするな、と言いたい。しかしそれが困難ならば、釣った魚の始末くらい最後までやれ。つまり、責任をもって食べろ、ということだ。
鹿などを獲物とするハンティングは英国紳士の嗜みだ。楽しみのために人間の仲間である哺乳動物を撃つ、というのはひどい行為に見える。英国紳士たちは半死半生の獲物を「リリース」したのだろうか?したかもしれないし、しなかったかもしれない。想像で語るのはフェアでないからこの話題は止めるけれども、魚のキャッチアンドリリースを実行している人々であれば、たぶん鹿についても同じことをしたのかもしれない。

秋晴れの酒田港の岸壁には釣り人がずらりと並んで釣り糸を垂れる。良い景色だ。前には日本海、後には鳥海山だ。
私は、釣り針を付けない庄内竿を酒田港に垂らしてみたいと思っている。これならキャッチアンドリリースもへったくりも無いわけだ。ひたすら水の光を眺めながらこれまでの生きざまに思いを馳せる・・・これはかなり贅沢な楽しみになるだろう。

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