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清水潔・著 『殺人犯はそこにいる』 その3

2023年02月15日 | 面白かった本

清水潔・著 『殺人犯はそこにいる』その3

― 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 ― 

冤罪事件の【足利事件】です。ノンフィクションです。


犯人はそこにいる NO2 ←クリック。

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殺人犯はそこにいる。

== 隠ぺいされた北関東連続幼女誘拐殺人事件 ==

清水潔・著 新潮文庫 

 

 

足利事件の真犯人は・・・・・・。

徹底した取材によって、ついに【足利事件の真犯人】を炙(あぶ)り出したのです。

真犯人のDNAが、ルパンと一致したのです。

 

ルパンとは、松田真美ちゃん(4才)をパチンコ店から誘拐した真犯人です。

誘拐犯を目撃した人が、【誘拐犯は漫画のルパンに似ていた】と、証言したそうです。

しかし、真犯人・ルパンの逮捕には 繋がりません。

DNAが一致した真犯人・ルパンを、なぜ逮捕できないのでしょうか~?

 

栃木県の足利事件と同じ頃、群馬県警でも同じような幼児殺害事件が起こっています。

半径10キロ圏内で、同じような幼児殺害事件が起こっているのです。

1987年9月   群馬県尾島町 大沢朋子ちゃん(8才) 殺害事件、

1996年7月7日  群馬県太田市 横山ゆかりちゃん(4才) 行方不明事件、

の2件です。

 

菅家さんが逮捕(1991年逮捕)された後の1996年7月7日に、

同じような幼児誘拐事件が群馬県のパチンコ店で起こっています。

栃木県、群馬県の両県警が協力していれば、

1996年7月の横山ゆかりちゃん誘拐事件は起こらなかったかも知れません。

 

栃木県警と群馬県警。

県警同士の縄張り問題で、協力体制が組めないのです。

警察小説を読むとよく分かります。各県警の縄張り問題が。

 

足利事件は、菅家さん釈放後の2011年に国会でも取り上げられました。

そして、

足利市の幼児殺害事件(3件)と、群馬県の幼児事件(2件)は、

同一犯による犯行と否定できない。

と、国家公安委員長と菅直人総理が、2011年3月10日に国会で答弁しています。

5件の幼児殺害事件の再捜査が、菅直人総理の指示で、やっと始まると思われました。

ところが・・・・・・。

 

2011年3月11日の東北大地震の発生でした。

その後、政権も代わり、2県にまたがる5件の幼児殺害事件は、蚊帳の外になったようです。

 

著者(清水 潔氏)は、取材を続け、足利事件の真犯人に迫っていきます。

容疑者を取材します。

そして、容疑者のDNAが、真犯人のDNAと一致したのです。

真犯人・ルパンがいたのです。

が、・・・真犯人・ルパンを逮捕できません。

 

著者・清水潔氏が依頼したDNA鑑定はルパンと一致したのです。

しかし、警察から被害者家族への報告は、

「鑑定の結果、DNAが一致しません。ルパンは犯人ではありません」 

との電話連絡でした。

 

DNA鑑定を科警研が行っています。科警研のDNA鑑定です。

なぜだろう~??  なぜ、ルパンを逮捕できないのだろう~?

答えは・・・・・・・・・。

著書によれば、【飯塚事件】が絡んでいるからだそうです。

 

菅家さんを逮捕した初期のDNA鑑定は間違っていました。

科警研は、いろいろと言い訳をしているようですが・・・・・。

事件当時の科警研の初期DNA鑑定は、間違っていたのです。

当時の科学の限界を潔く認めるべきです。しかし、科警研は認めません。

認めたら、大変な事になるのです。 

初期のDNA鑑定を証拠にした事件が他にもあるのですから。

 福岡県の【飯塚事件】です。 ←クリック。

 

飯塚事件の犯人逮捕も科警研の初期のDNA鑑定でした。

菅家さん逮捕の初期DNA鑑定と全く同じ方法で、同じ人が行っています。

事件当時、DNA鑑定は正しい、絶対である。日本人のDNA神話でした。

 

菅家さんが逮捕された初期のDNA鑑定は間違いでした。

【飯塚事件】の初期のDNA鑑定も再鑑定をするべきです。

 

しかし、【飯塚事件】の犯人とされた久間(くま)死刑囚は、処刑(死刑)されています。

足利事件のDNA再鑑定が動き出す数ヶ月前に処刑されました。

足利事件は2009年1月にDNA型再鑑定が開始されました。

飯塚事件の久間(くま)死刑囚は、2008年10月に処刑されました。

 

著書の中では、DNA鑑定以外の目撃情報なども再審査の必要があると書いてあります。

飯塚事件は、DNAの他にも証拠が数点あります。

DNA鑑定はあやふやだったかも知れませんが、他の証拠は犯人を特定しているようです。

それより、被害者の膣内に残っていた真犯人の血液が微量すぎて残っていないようです。??

これでは、DNAの再鑑定が出来ないのかも~??

 

【下は新聞記事から】

久間元死刑囚は1994年の逮捕時から一貫して否認していたが、2006年9月に死刑判決が確定。

再審請求を準備していた2008年10月に死刑執行された。

2009年10月に妻が再審請求したが、福岡地裁は2014年3月に請求を棄却し、

弁護団が即時抗告した。

 

飯塚事件再審抗告審 (毎日新聞・2017年5月18日 21時34分)。

福岡県飯塚市で1992年、女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑を執行された

久間三千年・元死刑囚(当時70歳)の再審請求即時抗告審の3者協議が18日、

福岡高裁(岡田信裁判長)であり、実質的な審理を終えた。

 

協議後に記者会見した弁護団によると、

高裁は再審の可否を決定する時期については示さなかった。 

即時抗告審で、弁護側は被害女児の体内などから見つかった血液のDNA型鑑定で

久間元死刑囚のDNA型は検出されておらず、

この血液の血液型鑑定の手法も誤っているなどと主張しました。

 

 

福岡の飯塚事件 ←クリック。

飯塚事件・判決文 ←クリック。


殺人犯はそこにいる NO1 ←クリック。

殺人犯はそこにいる NO2 ←クリック。

殺人犯はそこにいる NO3 (この記事です)。

 

 

 

 

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