koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

「RAISE」第3巻

2007年10月21日 21時38分47秒 | コミック・アニメ

RAISE第三巻(新谷かおる著),読了。
残念なことに最終刊となります。
第一・二巻は書店を探しても見つからなかったので楽天で求めたのですが,今回は迷わずAmazonで楽書と一緒に求めました。
水曜夜中に注文して,金曜夜に届くとは凄い時代になったものです。


正直言って,もっともっといろいろなエピソードを読んでみたい,と思いました。
新谷作品は四半世紀前から愛読してきましたが,卓抜なストーリーテラーであることを毎度毎度認識させられるし,バースの効いた独特の視点から航空機をはじめとするメカを描くことができる希有の作家であることは以前も述べました。
さらには,主役・脇役・敵役のキャラが存分に立っているので,感情移入も容易で,すっかり填っている自分に気付いたりします・・・。


で,読んでいる最中は,ずっと「ロンドンデリー・エア(ダニー・ボーイ)」と「アメイジング・グレイス」が頭の中で鳴り響いていました(笑)。
B17Fを使用した「メンフィス・ベル」と異なり,「RAISE」はB17Gのせいか時代設定は若干後になりますが,英国からドイツ本土へ余りにもリスクの大きい長距離爆撃行であることに変わりはありません。


ハイネマン少佐率いるBf109G6の部隊が実験部隊であったり,ダイムラー・ベンツのエンジンにニトロを加給することで瞬間的な速さを得たり(まるで「リッジレーサー」だ・・・) ,一応前回のD-dayに引き続きアルデンヌ攻勢とベルリン攻防戦と史実を追っているものの,マーケットガーデン作戦やボーデンブラッデ作戦に全く触れていなかったり,・・・,などと突っ込みは入りますが,近年不作,というか全く存在しない「戦争物」のコミックとしても貴重ですし,多分記憶が確かなら80年代末に描かれた(映画「メンフィス・ベル」以前ですが,戦時中従軍カメラマンだった巨匠ウィリアム・ワイラー監督による実写版「メンフィス・ベル」はVTRが出ていた)同じくB17Gのクルーを熱かった「8(エイト)」(8とはB17Gのクルーの定員-1)という短編以来久々のWWIIものという点でも評価したいと思います。


メカ的には,アルデンヌ攻勢では当然ティーゲルII(当然のことながらヘンシェル型砲塔だった。画像は変な色に再塗装されていますが,アルデンヌでは白を基調の冬季迷彩でしょう・・・)がM4A3をぼこぼこにしますし,米空軍(正確には米陸軍航空隊第8空軍か・・・)の直衛機がP47Dサンダーボルトになっていたし,帰途に出遭うP51も水滴風防のD型になっていました。
また,冒頭で,夜間爆撃専門のRAFのアブロ・ランカスター爆撃機を上記Me109G6が喰う場面も,思わずにやりでした。


そして,新谷のエンターティナーとしての卓越した技能は,登場人物たちのその後を描いたエピローグにも遺憾なく発揮されています。
根多バレになるので書きませんが,読んでいて最後の最後で大爆笑してしまいました・・・。


 しかし,フライパンのテフロン加工って,確か原爆製造の際のフッ素樹脂によるコーティング技術の応用,と記憶しているのですが,エンジンにニトロチャージするためにフッ素コーティングした技術を応用した??・・・という突っ込みは止めておきましょう・・・(してるやん・・・)。


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