2007年F1GP-第17戦ブラジルGP

今年のGPシーンは例年にも増して退屈なレースが多く，特に新人のルイス・ハミルトン(英)が勝つレースは全く面白くなかったのですが，今回ははっきり言って一番面白かったかもしれません。

３人のチャンピオン候補が最終戦を戦う，というのは1986年の豪州GP以来だそうですね。
HONDAエンジンが初めてタイトルを取った年ですが，ナイジェル・マンセル(英：ウィリアムズHONDA)，ネルソン・ピケ(伯：同)，アラン・プロスト(仏：マクラーレン・ポルシェ)の３人がタイトルを争い，マンセルが圧倒的アドバンテージでチャンピオン獲得かと思った矢先にリアタイヤがバースト。
その結果を受けてウィリアムズがタイヤ交換を行った結果，一番不利と思われたプロストが優勝して２年連続のチャンピオンを獲得したという顛末でした。

でもって今回ですが，予選２位でアロンソに４ポイント，ライコネンに７ポイントものマージンを持つハミルトンで99％決まりかと正直言って思いました。
巨人もロッテも予想通りにして期待はずれに終わる，という私のスポーツ予想の負の的中率は極めて高いですから，今回もハミルトンで決まりかな，と残念ながら確信していました。
ま，銀の矢も赤馬も私にとってお気に入りでも何でもないですし，ドライバー３人に感情移入も皆無だし，誰が勝ってもどうってこと無いのですが，はっきり言って順風満帆のドライバー人生を送りつつあるハミルトンにだけは勝って欲しくない，というのが本音でした。
ですから，今回のスタート直後の２コーナーでアロンソと競ったハミルトンがコースアウトを喫し，さらには序盤に謎のスローダウン(一瞬，ミッションが弾けたと思いました)によって順位を落とすハミルトンを見て，これで面白くなると確信しました。

ライコネンは，２度目のピットイン前のインラップがすべてでしょう。
願わくはコース上でケリを付けてほしいと思いましたが，ピット作戦が重要な現代のＦ１では無理な注文なのかもしれません・・・。
アロンソは，チーム全体を敵に回したようなものですから，勝ち目はないと思っていましたが，赤馬と40秒以上の差を付いたのではどうにもなりません・・・。
ハミルトンに流れが行った北米連戦以降は以前の強さ・巧さがすっかり影を潜め，深刻なスランプではないかと思っていましたので，今回も精彩を欠いたレースでした。

ま，ライコネンが初の戴冠，ということでめでたしめでたし，ということなのでしょうが，何とまだまだ波乱は残っているようで・・・。
BMWザウバーとウィリアムズTOYOTAが，燃料の規定違反の疑いがあるのだそうです。
FIAからはお咎め無し，ということですが，マクラーレンがこれを提訴して認められると４位のニコ・ロズベルク，５位のロバート・クビカ，６位のニック・ハイドフェルドが失格となり，ハミルトンが４位に繰り上がって逆転でチャンプに・・・ということになるとのことです・・・。
こうなると何をか言わんやです・・・。
つくづくＦ１というのは欺瞞とエゴと虚栄に満ちたダークな世界と思いますが，それもまた魅力なのでしょう・・・。

３月の来シーズン開幕まで５ヶ月。
来シーズンこそ，私の思い描くような展開になってくれないものでしょうか・・・。