koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

旧小田郡紀行-其乃壱「穀倉をゆく・・・」

2015年08月12日 22時15分52秒 | 旅行,および「鉄」

久々に東北道を北上。
・・・と言っても,家から5分の仙台宮城ICから2区間だけ乗って,大和ICで降りたのだが・・・。
途中,青葉区と泉区の境で豪雨に遭う。
数100m手前で,前線が通過して雨を降らせているのが見えた・・・。
ワイパーを最高速にしても,辛うじて前走車の尾灯が確認できる程度だったので,さすがに危険を感じて泉PA(ETC専用ICのところ)に非難。
二輪が続々と入ってきた。


10分程待ってリスタート。
避難の甲斐あって,前線は東に去り,雨はほぼ上がった。
大和ICで高速を降り,そのまま吉岡街道を東進する。
目的地は遠田郡涌谷町。
今まで通過はしたものの,下車して見たことは一切無いほぼ未知の地だ。
目的は2つ。
仕事絡みのフィールドワークと,天平ろまん館の学芸員に会って,仕事を依頼することだ。周知の通り,涌谷は古代の産金地として知られ,奈良の大仏の金が涌谷産であることは極めて有名である。
現地の者に頼んでも良い仕事ではあったのだが,責任者として一度も天平ろまん館や小金山神社を見たことがないというのも問題なので,ぜひこの目で・・・と思い立った。
だから,どうでも良いけど,今回は全くの奉仕である。


大郷の道の駅で土産の野菜を買い(トマト,茄子,胡瓜で320円),R346を鹿島台へ向かう。

周囲は一面の田んぼだ。
先週までの暑さのせいか,今年は稲穂の実りが良いのだろう。
既に黄金色に輝く田園風景が,遠く県境の船形連峰まで続く。
宮城県が全国有数の穀倉地帯であり,米の生産量で全国トップクラスなのも,この美田を見れば頷ける。
勿論,それは以前からそうであった訳ではなく,吉田川,鳴瀬川,江合川,迫川,そして北上川に挟まれた低湿地であった仙台平野北部は,古来幾度となく大きな洪水に悩まされてきた。
そして,それらの流れを変えるという大土木工事が藩政時代より幾度と為された。
近代では,品井沼の干拓に尽力した鹿島台の村長鎌田三之助の業績がよく知られている。
草鞋村長と呼ばれた三之助の銅像は,鹿島台の中心部に道路に面して立っていた。


鹿島台の中心部を抜けR346(通称佐沼街道)を北上して鳴瀬川を渡ったところが,旧南郷町である。
今は,南郷高校(かつては南郷農業)が辛うじてその名を留める。
平成の大合併により,県内北部は多くの市町村名が消滅したが,私に言わせるととんでもないことである。
地名の起源は,おそらく大和朝廷の時代に遡るだろうし(部,曲部とか),全国を五畿七道に分けて国名が付いたのは律令政権の時代だ。
つまり,地名とは1400年以上の歴史を有する文化遺産に匹敵する大事なものである筈だし,地形や氏姓等を伝承する往事を知る手掛かりともなる。
それを安直にも変えてしまうなどということが有って良いのだろうか・・・。
例えば,涌谷町に入る手前は美里町だが,これなど単なる語呂であり根拠のある地名ではない。
小牛田町と田尻町で何が悪いのか,行政上の理由など私には到底理解できん。
同様のことが,全国各地で行われているのが,実に堪えられない。
静岡県伊豆市と伊豆の国市だと・・・??
田方郡天城湯ヶ島町の方が,余程川端康成や井上靖の文学が香るではないか・・・。
山梨県南アルプス市だ?
愛知県に出来かけたという南セントレア市はぽしゃったのだろうか・・・。
とんでもない愚挙としか思われない。
勿論,上記のように私には理解の出来ない行政上の理由は大きいのだろう。
しかし,大多数の国民・市民がこれらに対して無関心であることの方が問題ではないだろうか・・・。
何の根拠もない地名を新しく付けて平気なのだから,信じられない。
その土地の方には申し訳ないが,山形県南陽市(赤湯で駄目なのか),東京都武蔵野市(吉祥寺の方が余程由緒がある)なんて地名は,必然性が何も無いとしか思われない(後者の場合は,武蔵野特有の雑木林が諸所に見られるから・・・という理由付けもあるかもしれないが・・・)


そんなことを憤りながら,出来川という小さな川を渡ると,涌谷の街に入る。
県内の未乗路線の1つである石巻線(小牛田-前谷地,石巻-女川間のみ乗車)の踏切を越えると,西側に涌谷駅の跨線橋が見えた。
如何にも良い意味での地方都市然とした駅を中心とする商店街を通り,江合川を渡るとかつて見た記憶のある城郭風の建物が目に入る。
涌谷城跡だが,鉄筋コンクリートの観光城だろう。
中は郷土館のようだが,帰途に寄ることにする。
涌谷城主について書き出すと,如何程の分量となるか全く見当が付かないので,次回に回そうと思うが,又してもほぼワープロ2ページを小一時間で書き殴ってしまった。
肝心要の天平ろまん館については,次回書けると良いのだが・・・。


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