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koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

「タイガーマスク」-第1回「黄色い悪魔」

2011年01月11日 21時27分34秒 | TV&エンターティメント

GyaOで第1話が無料と聞いて早速見てみた。
多分,子どもの頃再放送を見て以来だから,○十年ぶりだろう・・・。
原作は伝説の原作者とも言うべき故梶原一騎,作画は同時期に放送された「ばくはつ五郎」(知ってる人何人いるかな)と同様故辻なおき。
・・・で,脚本は,後に推理作家となった辻真先が書いていた。


いやー,懐かしい・・・というか,高度成長時代である昭和40年代の香りをぷんぷんと漂わせた作品だ。
大時代的な台詞,コマ数が少なさそうなフィルムの動き,観衆が熱狂するプロレスの様子等,紛れもなくあの時代のものである。
第1話の内容は,アメリカで悪役レスラーとして名を馳せたタイガーマスクが来日し,外人レスラーを反則技でぼこぼこにするところから始まる。
馬場や猪木との絡み,タイガーマスクのファンである孤児院の少年,そして正体である伊達直人の孤児院時代のエピソードが語られ,次回予告では猪木とタッグを組むことが告げられ,「みなしごのバラード」になだれ込んでいく・・・。
必殺技のフジヤマ・タイガー・ブリーカー(だったか??)はいつ出てくるのか,全く記憶はない・・・。
・・・で,原作コミックとアニメでは確か終結の内容が異なったと記憶しているが,それについては書くまい・・・。


曲は,菊池俊輔。
冒頭の「虎だ,虎だ・・・」の背後に流れるストリングスの滝のような速いパッセージに,ウェスタン調の主部が続く。
子どもの頃,「仮面ライダー」の主題歌は,先発の「タイガーマスク」の真似じゃないか,と思っていたが,作曲者が同じなので分かってみれば当然のことである。
菊池俊輔はこの時代「バビルII世」(これもウェスタン調だ),「新造人間キャシャーン」,「ゲッターロボ」,「ドカベン」,「侍ジャイアンツ」・・・と,担当した作品が悉くヒットした・・・(「ドラえもん」,「ゴンドラボール」もとい「ドラゴンボール」はちょい後か)。


・・・ということで,現在全国に出現しているタイガーマスクであるが,これからもぜひ現れて欲しいものだ。
姫路市には「そろそろ俺の出番」と書いて矢吹丈が現れたようだし,私のところの隣県には「田舎の伊達直人」から米150キロと野菜,現金一万円が届けられたようだ・・・。
因みに長野に現れたのは,タイガーマスクではなくサンタだそうだ・・・。
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「江~姫たちの戦国~」-第1回「湖国の姫」

2011年01月09日 22時39分36秒 | TV&エンターティメント

18:00からのHi-visionを録画し,19:00過ぎからビデオ回して見ました。
大河も50作目なんだそうで,昨年以上に手前味噌の特番が少なくても3つは有りました。
それだけ気合いが入っているということでしょう。
今朝の朝日新聞の番組評(かつては辛口で知られていました)では,ラストシーンに感涙・・・と最大級の賛辞が書かれておりました・・・。
私的に,この番組を見るポイントは,

・上野樹里嬢が如何に「のだめ」を脱却し,謎の多い(つまり人物像が定まっていない)人物をどう演じるか。
・最近の大河の特徴である,主人公がすべての史実に重要に関わるという悪癖を如何にクリアしていくか。
・きちんと丹念に史実を追い,余計な恋愛シーン等の脚色を最小限にとどめているかどうか。
 
・・・という点に尽きます。
最近の余計な脚色の多すぎる大河にいささか食傷していたので,ピリッと締まった辛口のドラマを期待したいのですが,脚本と音楽が田渕+吉俣という「篤姫」と同じ甘口コンビなので,そのあたりはどうかな・・・と思って見ました。


琵琶湖畔を馬を駆って疾駆するお江。
そんな場面から長い物語は始まりました。
そして,突如時代は15年遡り,永禄10(1567)年のお江の母であるお市の輿入れの場面へ。翌年の信長上洛と,翌々元亀元年の越前朝倉攻めと市が嫁した浅井長政の造反,そして姉川の戦い,その後3年にわたる小谷城攻防と落城が一気に描かれます。


う~ん,どうなんだろう。
あっという間の1時間半だったし,退屈もしなかったですけど,ちょっと急ぎすぎというか端折り過ぎの印象があります。
前段をさっさと済ませて,早いとこお江出してしまおう・・・ということでしょうか・・・。
例えば,信長初上洛の際に浅井軍が先鋒を務めたことや観音寺城攻防戦があったこと,或いは元亀元年の越前攻めの際に信長が攻め入っていたのは金ヶ崎城か手筒山城だったこと,その際秀吉が自ら殿軍を願ったこと(今日は信長が命じていた),家康が置き去りにされたこと,同年の姉川の戦いは朝倉勢を破った家康が来援するまでほぼ浅井軍が勝利していたこと,北近江攻略戦の責任者は横山城に居た秀吉で,秀吉をもってしても小谷城を落とすのに3年かかったくらい近江衆は頑強に抵抗したこと等々,もう少し語られても良いかな,と思いました。
何故,浅井家は信長と姻戚であったにも関わらず朝倉氏との同盟を優先したのか,お市は小豆の入った袋を信長に渡したという故事を敢えて逆手に取った必然性は・・・,ものの数分でお市が長政に惹かれたのは・・・,といった私の悪い癖である突っ込みは今日もたくさん有りました・・・。


役者さんたちは,皆達者でした。
尤も,豊川悦司の信長は見かけは◎で,台詞は△(「炎立つ」の清原家衡役の名台詞「ぶっ殺す・・・」は凄みというか狂気が感じられ◎でしたが・・・),鈴木保奈美のお市の方は,悪いけど過ぎたるは・・・という感じでした。
ただ,脇を固める俳優達がさすがなので,見栄えがしましたね。
時任三郎の浅井長政,北大路欣也の家康はさすがでした(後者は,トヨエツより若い設定が・・・)。
来週以降重要な役割を演じる大地康雄の勝家,お市にご執心で饒舌すぎる(脚本のせい?)岸谷五朗の秀吉,頑迷固陋な寺田農の浅井久政,ばか殿ぶりが板についている和泉元彌の義昭等々・・・。
かつての主役級が脇を固めているので,さすがに見栄えがします・・・。
・・・で,肝心のお江はのだめを脱却したのか・・・。
それは次回以降で述べることが出来れば良いのですが・・・。


最後に,小谷城から竹生島が果たして見えるのか・・・と思って地図を繙くと・・・。
見えそうですね。
朝なんか東の山際から差す光が湖面に映えて,きっと美しかったことでしょう・・・。
次回,どうやら9年が一気にたってしまいそうです・・・。
天正10(1582)年6月の本能寺の変までいっちゃうようですが,お江は数えで10歳。
のだめ嬢を出すには,ちと無理があるような・・・。


あ,そうそう。
朝日新聞絶賛の感涙必至というラストシーン,私は感涙しませんでしたが,あの赤ちゃんのかわいらしさに思わず感動しました・・・。
他の子役も上手でしたね・・・。
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お笑い番組・・・

2011年01月08日 21時21分33秒 | TV&エンターティメント

分家のブログ根多です。
子どもの頃は,お笑い番組が好きで,何だかんだ言って見ていました。
土曜夜8時は,ドリフ(TBS系)とコント55号(フジ系)が裏番組,という時代があったと記憶しています。
最初は55号が,後にドリフが視聴率的に優勢となったでしょうか・・・。
やがて80年代になると,フジ系が「ひょうきん族」で巻き返してきます。
80年代初頭の漫才ブームの余勢を駆ったのか,殆どスタッフも遊びながら作っているような番組で,売り出し中の吉本興業の芸人たちによる体を張った芸もあって一世を風靡した感がありました・・・。
先日,久々にDVDで見てみましたが(たけしもさんまに西川のりおも若い!!),腹をよじらせる笑いは健在でした・・・。
平成になってからは,とんねるずでしょうか・・・。
昭和の終わり頃に始まった「みなさんのおかげです」を初めて見たときは,この世にこんな面白い番組があったのか・・・と目を開かれる思いで,毎週木曜夜が楽しみでした・・・。


・・・で,私がお笑い番組を見ていたのはそのあたりまでです・・・。
以降は,どうも根多についていけない部分が多く,最近の芸人の名前はさっぱり分かりません(もともと芸能根多には極めて弱いのですが・・・)。
笑いとは一過性のもの,というか瞬時のものであり,いつまでも尾を引くものではないと思いますが,こうして記憶に残る番組が今は無いのでは・・・と思います。
我が県出身にサンドウィッチマンなるお笑い芸人コンビがおり,楽天戦にはよくゲストとして招かれて芸を披露するのですが,M1グランプリのチャンピオンとは知りつつも,笑えないのはそれだけこっちが年を食ったということでしょうか・・・。
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HDDの中・・・

2011年01月02日 23時42分08秒 | TV&エンターティメント

年末年始,家族旅行に行き,帰宅してすぐ実家で年越し・・・と,バタバタした日々だが,その間,幾つかの番組を録り貯めた。


「サムライの涙」-2010年のF1特番。小林可夢偉とBSの浜島さんのドキュメントのようだ。
「龍馬伝」総集編-DVDに落としたら即消しだ。
「ゲゲゲの女房」総集編-結局一度も見なかったので,松下奈緒嬢目当てに見ようかと・・・
「江」予告編-何か期待できないが,あんみつ姫のような浅井三姉妹を見てみよう・・・
「ニューイヤーコンサート2010」-昨日のエントリ参照。再放送はいつだ??


・・・ということで,正月休み中に見ようかと思うが,どうだろう・・・。
もう2日終わったし,明日スキーに行く予定だし・・・。
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坂の上の雲-第8回「日露開戦」

2010年12月20日 21時08分40秒 | TV&エンターティメント

先週末,ふらふらになりながら先行放送を見ました。
某「龍馬伝」と違って,撮り貯めてしまって見るのが億劫になったり(4年前の「功名が辻」なんてラスト数話が,以前使っていたアナログ式レコーダーのHDDに死蔵されたままです),そのまま消去したりはしません。
やはり映像作品としての出来が違いすぎるからでしょう・・・。
オールスターキャストがどうも鼻につき,若手中心の大河の方が親しみが持てるという意見も多いようですが,オールスターキャストが陥りがちな散漫さがまるで無く,加藤剛に渡哲也,江守徹に高橋英樹,石坂浩二といった面々が見事に存在感を示しているのはさすがと言うべきでしょうし,勿論主役の秋山兄弟を演じるもっくんと阿部さんに対しても堂々とした貫禄を感じます・・・。


終盤,佐世保港に出征する海軍兵士達を家族が見送るシーンがありました。
真之を見送ったのは新婚の妻季子でしたが,汽笛を上げる戦艦「三笠」を見上げて,
「三笠・・・。綺麗な・・・」
というくだりがありました。
これを見ていて,広瀬がアリアズナに,日本の軍艦は美しい名前を付けている,と語ったエピソードを思い出しました(原作にあったかどうかの記憶は全くないのですが・・・)。
確かに,後年の戦艦は国名(大和,武蔵,陸奥,山城,扶桑,日向,伊勢),重巡は山(妙高,摩耶,鳥海,愛宕・・・),軽巡は川(熊野,最上,球磨,天竜,名取,大淀・・・),駆逐艦は風(島風,雪風・・・),月(秋月,如月,涼月・・・),雨(春雨,時雨・・・)等々といった自然の風物の名を冠したものが多く存在しました。
このあたりは,やはり長年自然との共存・共生をしてきた日本人の美意識が躍如としていると思います・・・。
三笠・・・といえば,大和奈良の三笠山-異境に果てた阿倍仲麻呂が故郷を偲んで詠んだ歌にもある-です。
大和は国のまほろば・・・とも言いますが,その山の名を冠した戦艦に,当時の先人達の心意気を見る思い・・・と感じるのは,私だけでしょうか・・・。


原作者が生前この作品の映像化を嫌い,不可能と断じたことはよく知られています。
理由は,おそらく舞台が松山,大阪・名古屋(好古の代用教員時代は割愛されていましたが),東京,朝鮮半島,満州全域,ペテルスブルグ,イルクーツク等のシベリアの都市,キール,東大西洋,マダガスカル(ノシベ等),マラッカ海峡,そして日本海と世界規模であることと,何よりも戦争及び帝国主義賛美と誤解されることを嫌ったことだと思われます。
成る程,確かに佐世保港に繋留された連合艦隊の艦船の全容をカメラが活写する様子など,取り方によっては上記のような危険性は有るわけですし,出征する家族を送るシーンも戦争の負のイメージがオミットされたような気もしないではないのですが,それを言ってしまうと,世にごまんとある(私の好きな)戦争映画の数々など,皆有害となってしまうわけでして,あくまでもそれは一面的な見方に過ぎないと思います。
私が子どもの頃,松本清張に次ぐ超売れっ子作家だった司馬遼太郎の名作の数々が,明治◎,昭和×,江戸幕府×,薩長◎といった短絡的思考によって歪められるならば,それこそ由々しき問題と言わねばなりません・・・。
この長い物語の終盤は凄絶な日露戦争の描写となっていく訳ですが,そこには十二分な戦争の悲惨さと人々の慟哭が描かれます。
それらが今後どのように映像化されていくかが見物ですし,決して帝国主義礼賛といった単純なものには陥っていかないことを願ってやみません・・・。
文庫本8冊(「竜馬がゆく」と同じ)という長大な作品を,15回の映像作品に仕立てること自体大変な作業ですし,退屈な代物となりかねないわけですが,その辺りを見事にクリアし,政局と国際情勢(特にロシアの南下政策が如何に危険で情け容赦ないものであったか)を主人公の動きと見事に輻輳させているので,ダルな瞬間が一瞬たりとも感じられないのは奇跡としか言いようがありません。
原作のテイストを損なうことなく,創作的・サービス的内容を随所に盛り込んでもあざとくならず,近年の映像作品では希有の完成度を誇る,と言えば褒めすぎでしょうか・・・。


薩摩藩閥を中核とする海軍と外相小村が主戦論派で,元老伊藤は朝鮮の独立を意図していたため開戦消極派,そして明治帝は最後まで主戦論に首を振らなかったという政府内の思惑が手に取るように分かりました。
また,ロシアでは開戦自重派の蔵相ヴィッテが閑職に追われ,陸軍相のクロパトキンや極東司令官のアレクセイエフは勿論,皇帝ニコライも勿論主戦派だったということでしたね。
欧州方面の南下政策は,数十年前のクリミア戦争が泥沼化したことで頓挫したため,首都からは遠いものの極東地域での南下政策が活発になったことは自明の理であり,ロシアのような大国が,東洋の小国である日本を怖れる必要は全くない訳ですから・・・。
そうした中での開戦は,非情な歴史の流れの中に在っては当然のことだったのでしょう・・・。


次回,連合艦隊による旅順港奇襲と同封鎖作戦による広瀬の最期が語られるようですが,戦闘シーンの壮絶さは期待してよいでしょうかね・・・。
(先行放送の録画を見てしまおうか・・・)
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坂の上の雲-第7回「子規逝く」

2010年12月13日 23時01分19秒 | TV&エンターティメント

 くれなゐの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる


子どもの頃,教科書に載っていた子規の句です。
文字通り柔らかく降る春雨が薔薇の芽に当たる様子を描いたものですが,この句を詠んだ子規は病床にあったことをその時聞いて驚いた記憶があります。
当時労咳は助からない死病でした。
武田信玄も木戸孝允も死因は労咳でしたし,子規もそのことは重々承知の上で10年以上を生き抜いたことを知るに及んで,その生き様の凄まじさに感動すら覚えたことがあります・・・。
上記の句には,写実的な美しさは存分に感じられますが,死病の床にある病人特有の死の影は見て取ることはできません・・・。
取りも直さずそれは,子規という人間の陽の一面を如実に表しているような気もします・・・。


 松の葉の 葉毎に結ぶ 白露の 置きてはこぼれ こぼれては置く


という句もありますが,これとて同様でしょう。
古今集と紀貫之を非難し,万葉集への回帰を説いた子規らしい写実感が躍如としているようです。
尤も,


 足たたば 不尽の高嶺の いただきを いかづちなして 踏み鳴らさましを


という,何とも無念とも焦燥ともとることのできる句もありますが・・・。


前置きが長くなりました。
その根岸の子規庵に真之が訪れます。
さらには河東碧梧桐,高浜虚子(伊藤左千夫や長塚節も居たのか)といった門人達も訪れ,賑やかな様相を呈していました。
こうした中での妹律の苦渋が描かれていました。
原作にはこうした描写は無かったと記憶していますし,真之夫人となる稲生李子を見ての修羅場は創作でしょう。
ただ,前回広瀬武夫とアリアズナの件と同様,こうした恋愛沙汰を挿入しても決して見苦しくならないのは脚本と演出の妙でしょうか・・・。
近年の大河ドラマがやけに色恋部分を脚色して無用に引っ張って違和感ありありとなるのとは大違いです・・・。


その頃,好古は大陸で袁世凱と飲んでいました。
袁世凱が大酒家であったかどうかは寡聞にして知りませんが,30人以上の子がいたことから精力絶倫であったことに疑いはありません。
日露戦争当時,袁は中立的立場を取りましたが,実際は馬賊隊を動かしたり諜報活動を行ったりと日本軍のために暗躍していますので,もしかすると接点があったのやも知れません。
ただ,こうした向背定かではない動きと,辛亥革命の中心たる孫文を迫害したこと,さらには後年対華二十一箇条の要求をのんだことからも,現代の中国での評価は極めて低いものとなっているようですが・・・。


休職して那須で農業を営む乃木を児玉が訪れます。
それによって,乃木は今の生活が終わりを告げることを悟ります。
庭には,志願して出征する地元の若者が必死に国のために戦うことを強調。
時代は否応なく戦争へと向かっていきます・・・。
こうしたあたりが,映像化によって短絡的な明治賛美と軍国主義の賛美に取られかねないことを原作者は危惧して,映像化は不可能・或いは否と語ったと伝わっていますが,それも時代の流れ・歴史の潮流というものでしょう。


次回はいよいよ日露開戦となります。
風雲急を告げる北支や遼東半島の情勢,旅順港奇襲と仁川沖海戦等がどのように語られるか楽しみです・・・。
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坂の上の雲-第6回「日英同盟」

2010年12月07日 21時50分03秒 | TV&エンターティメント

待つこと1年,ようやく第2部が始まりました。
私が原作を読んだのは17年前のことであり,今は文庫版の第一巻が手元に有るのみなのて,記憶も定かではなく,原作に忠実とかフィクションとか語ることは不可能となります(司馬遼太郎自身,執筆に当たって極力フィクションを廃した,と何かで見た記憶がありますが,小説であるが故に多少の脚色は仕方のないことと思います)。
今回は全13話中6話ということで,この長い作品も中盤を迎えました。


前半は,英国留学中の真之の行状が親友広瀬武夫との再会等のエピソードで描かれます。
1900(明治33)年7月31日,戦艦「朝日」が英国にて竣工。
まだ我が国には戦艦を建造する力が無いという真之の言葉が,当時の国力と緊迫した国際情勢を容易に伝えてくれます。
確か八幡製鉄所の操業開始が同年であり,来るべき大艦巨砲時代の萌芽ともいうべき時代であったのかも知れません。
また,同年6月には清で義和団事件(北清事変)が発生。
中国を虎視眈々と狙い列強が,ここぞとばかり北京に出兵。
中でも,満州や遼東半島・朝鮮での利権を争う我が国とロシアが一番兵力が大きかったことが語られ,ロシア軍の軍規がとんでもなく劣悪だったことも,中国人の無差別殺戮と略奪行為からうかがい知ることができました。
好古が清に行ったのは翌年の5月30日に軍司令官山根武亮少将の清国駐屯軍参謀長に異動した際であり,7月4日には清国駐屯軍守備司令官になっています。
義和団事件の戦後処理の時期でもあるので,もしかするとあのような光景を目の当たりにしたやもしれません・・・。


中盤は,桂内閣下での元老伊藤が,日英同盟に反対して渡露して大蔵相のセルゲイ・ヴィッテと会見。
好感触を得て皇帝ニコライII世に謁見し満韓交換論を提唱するも(今回は具体的に言っていませんでしたが),結果的に朝鮮半島での利権は認められず,失意のうちに日英同盟が締結。
後に韓国統監府初代統監となって,北満で韓国青年安重根によって命を失う伊藤ですが,彼の考えの根底にあるのは常に韓国の独立であり,統監府自体を韓国が国力を付けるまであくまでも暫定のものとしていたことは間違いないと思います。
勿論韓国統監府初代統監として韓国人の恨みを買ったこと,そしてそれによって命を縮めたことは事実ですが,朝鮮皇帝の高宗が伊藤を賛美する言葉を残していることからも,朝鮮半島支配の帝国主義の権化と,短絡的に見るのは間違いでしょう・・・。


後半の主役は,ロシア駐在武官となった海軍少佐広瀬健夫です。
ペテルブルグでのアリアズナとの恋愛模様が結構濃厚に語られますが(原作はここまでてはなかったと記憶),某大河ドラマのように鼻につかないのは何故でしょう・・・。
ペテルブルグを訪れた伊藤に,ロシアが南下政策と恫喝外交を止めないことを進言したくだりは創作と思われますが,ロシアが日本を如何に嘗めきっていたかということが,如実に分かります・・・。
やがて広瀬に帰国命令が下り,アリアズナとの別れとなります。
その際,Aのイニシャル入りの銀の懐中時計を彼女に贈られたことや,シベリア鉄道巡視を兼ねて油田地帯であるバイカル湖畔のイルクーツクまで行き,そりでシベリアを縦断したことも史実でしょう・・・。


演じる俳優さん達は皆達者です。
根岸の家で病身ながら短歌に勤しむ子規を演じる香川さんは,弥太郎のようなぎらぎらした感じは無いものの鬼気迫る演技を見せますし,伊藤役の加藤さんも相変わらずの存在感を示してくれます。
もっくんも軍人姿がかっかり板に付いていますし,阿部さんの騎乗姿が恰好良いのは昨年の御館様以来です。
白眉はやはり広瀬少佐役の藤岡さんでしょうか・・・。
バルセロナ五輪の競泳選手(しかも8位入賞)という異例の経歴を持つミュージカル俳優ですが,武人としての風格と威厳,武士道の求道者としての生き方等,実に様になっておりました。


・・・ということで,あっという間の1時間半でした。
長い原作の映像化ということで,詰め込みすぎ・急ぎすぎの感はありますが,映っている絵の素晴らしさとキャストの充実によって,一瞬のダルな瞬間もありません。
やはり制作者の志の高さということでしょうか・・・。
今年・去年の大河が,この作品にエキスを吸い取られた結果,あのようなものになってしまったのだとしたら,罪作りな話ですが・・・。
いずれにしても,次回が楽しみです・・・って,先行放送を録画してあるんですけどね・・・。
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惜しい方を・・・

2010年11月30日 21時09分07秒 | TV&エンターティメント

今朝,ふとした拍子にCD棚を見る。
最近は買うことが少なくなったが,数年前までは安価なDVDソフトをよく買っていた。
特にお気に入りの映画作品を幾つか収集した時期があり,目に入ったのは,ザッカー兄弟とジム・エイブラハムズがメガホンを取ったレスリー・ニールセン主演のお莫迦映画「裸の銃を持つ男」。
そういえば5年前の今頃買ったっけ・・・などと新聞の三面記事下の死亡広告を見る・・・。
何とレスリー・ニールセン死去,享年84・・・。
虫の知らせというやつか・・・。


レスリー・ニールセンの名を高めたのは上記「裸の銃」シリーズだが(私は全部見た),私が最初に見たのは20数年前,深夜に突然民放系で放映された同じくザッカー兄弟による
「フライング・ハイ」(原題“Air Plane”)だった。
これは確か「メィディ5,000フィート」とかいう航空パニック映画のパロディで,乗員が食中毒で皆倒れ,WWIIのエースパイロットだったが,戦争のトラウマを抱えた若者が操縦を替わって,シカゴ国際空港に見事着陸させる・・・という内容だった。
ザッカー兄弟とエイブラハムズの作品だから,当然随所にお莫迦なギャグが散りばめられ,ドリフのような王道のドタバタであった(ニールセンは加藤茶や志村と競演したことがある。こちら参照)。
そこでのニールセンは,一見渋い中年の医師の役で,じつはとんでもない・・・といういつも通りのキャラで,続編の「フライング・ハイ2-危険がいっぱい月への旅」でも,渋く紳士的な外見とは裏腹に,最高級のお莫迦演技を見せていた・・・。


元々は「禁断の惑星」(56)や「ポセイドン・アドベンチャー」(72)といったシリアス作品での渋い存在感で売った俳優であるにもかかわらず,お莫迦映画での怪演は素晴らしいとしか賛辞のしようがない・・・。
これだけの笑いを取ることのできる俳優が如何ほど居るのだろう・・・。
30年前にピーター・セラーズの訃報に接したときも,惜しい人を亡くした・・・と思ったものだが,今回も喪失感は計り知れない・・・。
日記@BlogRanking


ゲーム機雑感

2010年07月10日 20時26分42秒 | TV&エンターティメント

下の子とTSUT△Y△に行く。
勿論旧作100円が目当てである。
それはどうでも良いのだが,DVDを3枚借りた後,隣のゲームソフトのコーナーを見る。
私は自称万年3歳児なので,いい年扱いてゲームもアニメも好きなのである(3歳児はゲームしないか・・・)。


ここ2~3年ばかりでゲーム業界は激変したと思う。
私は97(平成9)年の7月にPSを買ったが(PS2は02年の1月に買った),以来10年程はSONYの天下だった。
85(昭和60)年のファミコンの大ヒットにより家庭用ゲーム機の老舗メーカーとなった任天堂は,臥薪嘗胆を期し雌伏の時を迎えることになる。
そして今,ゲームソフトのコーナーを見て思うことは,完全にハードの主流がポータブル機に移ったということである。
つまりPS2からDSに・・・ということである。


ゲームソフトのコーナーに入ってまず一番手前にあるのは,何と言ってもDSのソフトである。
「ドラクエ」も「ゼルダの伝説」も,「FF」に「パワプロ」,そして「桃鉄」や「信長の野望」に至るまで,すべてがPS2からDSに移植された(もとい,移った)。
次いで,Wiiのソフト。
完全に任天堂がシェアを取り戻したことが伺える象徴的な配置である。
そしてポータブル機はDSが,据え置き型(つまりTVモニター接続)ではWiiがPSPとPS3を圧倒したことになる。
PS2は完全に前世代機となり,上記のように人気ソフトは殆どがDSでの発売となった・・・。


ファミコン-スーパーファミコン-メガドライブ2-PS-PS2というのが私のゲーム機行脚であるが(PCエンジンとか3DOリアラ,Neogioというのも有った・・・),ゲームボーイ等のポータブルゲーム機は範疇外であった。
というのは,ゲームは戸外に持ち出すべからず,という個人的な信条があるからに他ならない。
ゲーム好きでは人後に落ちぬ私だが,外出中までゲームをしたいとは思わない。
旅行にDS(以前はゲームボーイ)持っていくと便利・・・という考えも有ろうが,電車等の車中では車窓の風景に見入りたいし,家族や友人等複数で出かけたのなら会話を弾ませるべきと思う。
1人旅(滅多に機会は無いが)の時は,旨い酒を飲んだり普段なかなか出来ない読書にいそしんだりするので,ゲーム機は必要ない・
・・・とは言ったものの,ソフトの主流がポータブル機へと移ってしまったので,これからどうしようか困っている。


私がよくやるゲームは上記のものだが,「信長の野望」はWindows版でやるとして,「パワプロ」は困った。
2010年版がPS3で出るらしいが(2009まではPS2だった),おそらくWii版は出てもPS2版は出ないだろう。
また,シューティングゲームの傑作とされる「エース・コンバット」シリーズもPSP版が発売予定とあった。
初期に比して安くなったPS3を買うべきか,いっそ一回り廉価なWiiにすべきか,思案と金策のしどころである・・・。
そう言えば,F1のゲームって出ているのだろうか・・・。
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龍馬景気

2010年06月21日 22時42分39秒 | TV&エンターティメント

1962(昭和37)年6月21日。
この日,産経新聞に連載が開始された小説はたちまちベストセラーとなり,66年5月19日にまる4年の連載を終了するに至った。
この作品を読んだ老若男女がどれ程の人数にのぼるか分からないが,相当数に上ることだけは間違いない。
単行本にして全5巻,文庫版は全8巻。
これは私が初めて読んだ高校時代まてでは,最長の小説であった・・・。
司馬遼太郎著「竜馬がゆく」。
司馬文学の代表作は?と聞かれたら,「坂の上の雲」とともにまずは指折られるべき傑作である・・・。


実は「龍馬」が流行ると景気が上がる,というジンクスがあるらしい。
「竜馬がゆく」連載中,そして単行本が上梓された62~66年の途中,64年には御存じ東京オリンピックがあり,世間は空前のオリンピック景気に湧いた。
その余韻がさめやらぬ68年,NHKの大河ドラマはこの「竜馬がゆく」であった(実はその3年前に,毎日放送で中野誠也主演で放送されていたことは意外に知られていない。勿論私は見る由もないが・・・)。
北大路欣也が骨太に竜馬を演じた(そして時代劇初出演という高橋英樹が,武市半平太を演じた)この大河は視聴率が14%と低迷し,幕末維新ものは当たらない,というジンクスを生むに至ったのだが(ついでに1994年の「花の乱」まで低視聴率1位の座を守った),その終了から1年と3ヶ月後,経済高度成長が最高潮に達したともいうべき象徴として日本万博が大阪で開かれた。
その後は,司馬作品に心酔した武田鉄矢コミックのが原作者を務めた「お~い竜馬」(作画小山ゆう)がNHKによってアニメ化された。
確か昭和末期から平成初頭にかけてのことと記憶している。
大型間接税の導入等,あまり芳しくない話題が多く,政権交代の周期が極めて短くなったのもこの頃からであるが,世は空前のバブル景気に踊らされていた・・・。


・・・といった具合に,「龍馬」が流行ると景気が上がるそうだが,果たして今回の「龍馬伝」は如何なることになるのだろう・・・。
だいたい68年の大河や,82年のテレビ東京版を知っている者にとっては,龍馬像(この場合は竜馬像か)が確立されているので,その固定観念を崩すのが大変だろう・・・。
また,「竜馬がゆく」を熟読した者にとっては,どうにも違和感があるに違いない(勿論,私もその1人だが)。
しかし,ここらで新しい平成の龍馬像が確立されるのも悪いことではないと思う。
明治初頭,龍馬を扱った最初の小説「汗血千里駒」(坂崎紫欄著)でその行状と功績が注目され,やがて昭和のベストセラーが生み出された後だから,そろそろ・・・という気もしないでもない・・・。
ただ,残念なことに司馬作品を越える小説も映像も,現時点で出てきていない(そして今後も出そうにない)のが残念なのだが・・・。
否,横顔が美しいという福山龍馬の人気は相当なものだという(確かに「篤姫」での玉木龍馬より良いか・・・)。
何でもNHKが数年の交渉の後に口説き落としたという噂も聞いた(真実の程は定かでないが・・・)。
空前の歴史ブームの到来と言われている昨今,元来歴史に興味のない人たちの関心を引く上でも手段としては間違ってはいないと思うのだが,ストーリーの展開が史実から乖離したものとなっているのがやはり問題と思う。
龍馬が規制路線である尊皇攘夷に便乗せずに,独自の思潮と手段で新しい時代を切り開いていく様子が果たしてあれで視聴者に伝わるのか・・・という疑念は消えない・・・。
もし龍馬という存在が,近年語られているフリーメーソンとの関連ではなく,司馬文学に描かれたような幕末維新を1人で導くという歴史上の奇跡を起こした英傑であるならば(根拠なしという歴史家も多いが),尚更正しく描いて欲しいものである・・・。
龍馬の成し得た薩長同盟とか大政奉還が如何に奇跡ともいうべきことだったかを知らしめるのに,TV程うってつけのメディアはないのだから・・・。
そして,低迷する景気もどかんと回復したら何も言うこと無い・・・。
日記@BlogRanking


藤田まことさん逝去

2010年02月18日 20時14分37秒 | TV&エンターティメント
俳優の藤田まことさんが亡くなられた。
何年か前から闘病中とか入退院繰り返し,とか言われてきたが,帰らぬ人となった・・・。


勿論,藤田まことと言えば中村主水役の「必殺シリーズ」が代表作なるのだろうが,私が子どもの頃はお笑い芸人のイメージが強かった。
さすがに「てなもんや三度笠」をリアルで見てはいないが(否,見ていても記憶が無いだけか・・・),クレイジーキャッツの劇場用映画とか,赤塚不二夫の原作のアニメ化である「おそ松くん」の主題歌とか(今でも頭にこびりついている・・・),強烈な印象を残した。
顔の長いお笑いのおじさん,というイメージは,「必殺シリーズ」とは,異なる印象だったが,「必殺」以降は俳優として良い味を出しまくっていた・・・。
個人的には,10年少し前の「剣客商売」が印象に残っている。
池波正太郎の 映像化作品と云えば,「真田太平記」の丹波のおじさまと「仕掛人藤枝梅安」,「剣客商売」の藤田まこと,と思うのは私だけだろうか・・・。


いずれにしても惜しい方を失った・・・。
TVでは白木みのるが,新聞社のサイトでは梅宮辰夫や大村崑,村上弘明等がお悔やみを述べていたが,この損失は計り知れない・・・。
唯々合掌・・・。
日記@BlogRanking

実況パワフルプロ野球2009

2010年01月27日 20時13分45秒 | TV&エンターティメント
Amazonで安く入手,もとい上の子がサンタさんにいただいたので,早速プレイしてみた。
パワプロもここ2年で3つ目となる。
年々改良が進んでいるようで,球場の描き込みなど実にリアルになっている。
我がKスタなど,ライトスタンドのバックスクリーン脇にあるグループシート5がしっかりと描き込まれていたくらいだ・・・。
で,我が楽天のオーダーは以下の通りとなる。

渡辺直 遊 小坂
高須  二 小坂
鉄平  中
山  DH
セギ  一
草野  三 中村紀
リック  左
磯部   右 中村真,中島
島    補 藤井

投手は,岩隈,田中,永井,朝井で回すことになる・・・。


でもって,OBドリームチームは以下の通り。

中    左 若松
篠塚   二
野村   補 有田
落合  DH 山本浩,吉村
張本  右 永渕
加藤英 一
長嶋  三 古屋,松永,原,有藤,衣笠
野村  遊 高橋慶
簑田  中  佐々木,カズ山本


とんでもない豪華ラインナップだが,肝心要の王が居ないし,クロマティにローズといった外人も居ない(獲得の裏技が有るのだろうか?)。
落合を二塁にして,2番DHに吉村なり若松・永渕を入れるというラインナップも有りである。
三塁手の駒が極めて豊富なのに比して,二塁手は手薄である。
山本浩は守備も良いので,DHで使うのは惜しまれる。
有藤は外野もOK(肩は簑田に次いで強い)で,加藤英が不調の際は衣笠を一塁に配す。
スタメンの9人のうち駿足が4人(中,長嶋,野村,簑田)で,張本と加藤も悪くない(本当か??)。


投手陣は,江川,江夏,村田,江本,西崎,岩隈,田中,平松,槙原,遠藤,鈴木,小松,山口高,山田・・・と,野手以上にとんでもない。
現在「めちゃ強い」モードで対戦中だが,3連勝したと思いきや4連敗と,以前の阪神のような状態である。
・・・ということで,今回もすっかり填ってしまった・・・。
日記@BlogRanking

坂の上の雲-第4回「日清開戦」

2009年12月20日 21時28分45秒 | TV&エンターティメント
今回は,前回の終了間際に語られた豊島沖海戦・高陞号事件の緊迫した場面から始まりました。
清国将兵を満載した高陞号を東郷が攻撃・撃沈。
東郷は国際法に熟知しており,国際法上正当であることを確信しての判断だったのでしょう。
勿論,英国世論は沸騰しますが,国際法の権威である2人の英国人が,東郷の判断の正当性を主張したので,沈静化したと言われています。
勿論,多くの清国兵を溺死させたという事実は残りますが,後に山本権兵衛との会話からも察せられるように,戦時下での判断ということでしょう・・・。

その後,成歓・牙山の戦い(小口木平ラッパ手の話が出るかと期待した)や平壌の戦い(あっさり陥落した)といった朝鮮半島の戦いは省略され,あっと言う間に鴨緑江を越えて清国本土へ・・・というか,山県有朋の指揮した鴨緑江渡河作戦と九連城開城も,そして何と黄海海戦も省略・・・。
期待していた割にはあっさりと勝ち戦・・・という感じで終わってしまいました。
好古の戦闘は,旅順郊外の土城子の戦いでしょうか。
圧倒的多数の清国軍と遭遇して,退却を余儀なくされます。
まあ,今回はさしたる活躍は無し,ということでしょう。
真之の方は,威海衛攻撃作戦です。
因縁浅からざる「筑紫」の航海士として相変わらず豆を食っており,艦砲射撃のさなかに被弾し3名の部下を失うことになります。
冒頭の高陞号事件にしても,土城子遭遇戦や威海衛攻撃戦でも見事な戦闘シーンが描かれていただけに,ここは2回に分けても日清戦争の経過を辿ってほしかったです。


さて,今回見逃されたというか,飛ばされたことに旅順虐殺事件というものがあります。
これは,旅順要塞攻略の際に日本軍が非戦闘員である女子どもを含む大量の旅順市民を無差別に虐殺したもの・・・と言われています。
その数は中国側の発表では二万,アメリカでは二千,英国は二百,フランスは千五百,日本は五百と,まちまちです(毎度のことですが)。
国際法に則った文明戦争を標榜し,軍規が厳しい日本軍でもこうしたことがあったということでしょうか・・・。
尤も清国軍の士気は極めて低く,平壌や旅順もあっと言う間に陥落したくらいですから,逃亡兵が一般市民の間に逃げ込んだことは事実でしょう。
ですから後の支那事変やヴェトナム戦争同様に,兵民の区別が付かない状況での掃討戦が行われたことは十分に想像できます。
尤もそれが軍の組織的な命令だったとは思われないのですが・・・。


閑話休題。
旅順要塞攻略戦に際して,軍医森林太郎,西洋画家の浅井忠,やはり記者の国木田独歩(当時は哲夫か?)といったメンバーが揃ったのは事実でしょう。
ただ一介の記者に過ぎない子規が森と知己を得る機会が果たしてあったかどうか・・・。その子規が大陸からの帰途で喀血したのは事実だそうです。
そのまま神戸で入院し,松山に帰ることになり,松山中学(現在の松山東高校)で教鞭を執っていた漱石と再会し,彼の下宿にちゃっかりと転がり込むのはこの時期です・・・。
また,佐世保での海軍の祝勝会の際に軍楽隊が演奏していたのは,前年に急逝したメキシコの作曲家ローサス(1858-1894)のワルツ「波濤を越えて」でした。
19世紀末の世界は,欧州を中心に三拍子が大流行で,オーストリアのワルツ王ヨハン・シュトラウスII世(弟のヨゼフも)やフランス(生まれは独)のジャック・オッフェンバックといった作曲家たちが生み出すワルツの調べに,白昼から堂々と男女が抱き合って踊ることができる舞踏会が大流行でした。
ですから,海軍で「波濤を越えて」が演奏されたというのは,考証的にもしっかりしていると思われます・・・って,こんなこと考えているのは私ぐらいか・・・。


・・・ということで,余計なことばかり書いてしまいました。
第二回の後に述べようとしている久石譲の曲についてなかなか書けないでいます・・・。来週は真之が米英を訪れるようですね。
小村寿太郎役の竹中直人が,久々に違和感の少ない役をやっています。
先週毎日なように「のだめ」の再放送を見てエロ巨匠役に違和感ありありだったので,今回は安心して見ていられます・・・。
日記@BlogRanking

坂の上の雲-第3回「国家鳴動」

2009年12月13日 19時36分29秒 | TV&エンターティメント
今回は,憲法発布の明治22(1889)年2月11日に沸き立つ東京から始まりました。
実際,当時国民の関心は政治に向いており,提灯行列やイルミネーションによってあちこちで新憲法発布を市民たちが祝ったそうです。
この一事を見ても,現代人たちは逆立ちしても当時の人々にかなわない,と思います・・・。
子規が喀血したのは確かにこの年だったようですが,2月の憲法発布の時ではなく,5月だったらしいです。
そして,「子規(ほととぎすの意)」と号したのもこの年だったようです。


療養のため帰郷した子規を真之が訪れるくだりは,原作にあったかどうか・・・。
お囲い池は各藩に有ったのでしょうか。
我が藩に有ったかどうかは定かではありませんが,会津藩の藩校である日新館には有ったようでした・・・。
・・・にしても鎮台がフリチン(フルチン?)で入るとは・・・(洒落にもならん・・・)。
もっくんが父ベンジャミン伊東と入っていたのは,道後温泉でしょうか・・・。
一度有名な本館の湯に入ったことがありますが,あんな感じでしたので・・・。
その父の訃報を,兄からの仏文の手紙にて洋上で知る真之。
良い味出しまくりだったベンジャミンが出なくなるのは残念です・・・。
「短気は損気,急がば回れ」
とは,私に向けた言葉のように思われてなりません・・。


しかし,今回はいつもに増してストーリーの進行が早く感じられました。
母が一人暮らす松山に再び帰郷する真之。
その後,大津事件を経てストーリーが動き出します。
大津事件がもたらした社会的影響は少なくなく,行政から司法権を切り離すことによって所謂三権分立が近づくことになったと思われます。
ロシア皇太子ニコライ(後の皇帝ニコライII世)に斬りつけた巡査大津三蔵は,西南の役に武勲をあげており,西郷生存説がまことしやかに言われたこの時期,西郷がロシアの軍隊とともに攻めてくる,といった恐露状態にあったとか,西郷が生きていれば自分の武勲が無効になることを恐れたとか,いろいろと言われているようです。
ここでは本論から外れますからこれ以上述べませんが,調べれば調べるほど謎めいた事件のようです・・・。


清国北洋艦隊の旗艦であった定遠が日本に回航したのは,実は明治19(1886)年だったようです。
同型艦の鎮遠とともに独で建造された当時東洋一の戦艦と言われましたが,実際に兵員の士気もモラルも低く,長崎ではとんでもない事件を引き起こしています。
実際に居合わせたかどうか定かではありませんが,東郷が「なまくら」と言った内容は確かだったでしょう・・・。


その後は,朝鮮半島を巡って清と開戦すべきか否かの政治家たちの緊迫した動きが描かれましたが,全く弛緩することなくストーリーが進行しました。
何故日本は朝鮮や遼東半島に出兵することになったのか,実によく分かるというものです。戦後の歴史教育によって,我が国は自国民から単純に,侵略戦争を仕掛けた悪の帝国,といった短絡的な考え方をされるようになりましたが,そんな単純なものではないことは,こうして当時の国際情勢を見れば一目瞭然です。
次回はいよいよ日清開戦(今回開戦してしまいましたが)のようです。
東郷が高陞号を撃沈した高陞号事件と豊島沖海戦は語られましたので,どうやら平壌攻略と黄海海戦,そして旅順要塞陥落まで行く模様ですね・・・。
日記@BlogRanking

何なんだ,これは・・・

2009年12月07日 20時13分30秒 | TV&エンターティメント
来年2月から始まるプリキュアの新シリーズ「ハートキャッチプリキュア」は,どんなもんだろと思って東映動画のHPを見たら,タイトルロゴだけで何も無かった。
何だ,これからのお楽しみか・・・と思っていたら,上の子がこちらをヒットさせた。


しかし,何だんねんこれは・・・(絶句)
本当にこれだとしたらいくらなんでも・・・(以下自粛)と思うのは私だけか・・・。
何かかえるさんみたいな顔だ・・・。
「おジャ魔女どれみ」のスタッフによる制作らしいので,こうした絵柄になるのだろうか・・・。
で,こちらがガセらしいのだが,どう見ても(「萌え」入っているとしても)こっちの方がましだ・・・。
因みに下の子はこのかえる姫を見て
「可愛い~」
だそうだ・・・(脱力)。
歴代を並べたのがこれだそうだが,確かに浮きまくっている。
違和感ありありだった現在の「フレッシュプリキュア」が至極まともに見えてきた・・・。