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Org Lett ASAP

2005-05-16 22:02:11 | 新着論文
Doubly Activated Cyclopropanes as synthetic precursors for the preparation of 4-nitro- and 4-cyano-dihydropyrroles and pyrroles

ケトンと電子吸引基(シアノまたはニトロ)により活性化されたシクロプロパンへのアミンの求核付加、縮合環化によるジヒドロピロールの合成。α-nitro (or cyano)-(α-diazo)ketoneから、シクロプロパン合成も報告していますが、こちらはすでに報告済みのようです。

A.B.Charetteのグループです。前半のシアノ、ニトロ置換のシクロプロパン合成は、以前の報告(JOC, 2004, 69, 1262, JOC, 2000, 65, 9252)をmodifyした感じです。シクロプロパン前駆体のアルケンは芳香環を有するスチレン誘導体しかテーブルに載っていません。これは、検出を考えた実験系なのか、それとも反応の基質特異性なのでしょうか、わかりません。ニトロ基は還元したらアミノ置換のシクロプロパン誘導体ができるなと思っていたら、すでにシクロプロピルを有するアミノ酸誘導体として報告済みのようです。シアノ置換の方は四級炭素ができていますので上手く官能基をいじれば、スピロ環など面白いものができそうな気がします。
メインであるピロール合成は、アミンとしてアニリン誘導体以外のアリル、ベンジルアミンでは収率の低下がみられました。置換基の種類に関してはまだリミテーションがありますが、カルボニルの活性化が行えればdiverseのきいたピロール誘導体合成に期待ができそうです。

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