有機化学にっき

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Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 2215-2220

2005-04-26 20:23:33 | 新着論文
Head-to-Tail peptide cyclodimerization by copper-catalyzed azide-alkyne cycloaddition

アジド、アルキンの双極付加を用いた固相における環状の二量体ペプチドの合成。
M.G.Finnのグループの銅触媒を用いたアジド、アルキンの付加反応を利用して、固相上で環状ペプチドを合成する手法を報告しています。
驚くべきことにdimerが選択的に得られ、76、124員環の環状ペプチドを合成しています。
なぜ選択的に得られるのか?という点に関しても考察しており、このペーパーと連報である2210-2215で速度論的な解析により、得られた反応機構により説明をしています。
反応機構の方は、確かに面白い銅アセチリド2量体を推定しておりますが、その存在をつかまえていないのにAngewということに?でしたが、こちらのペーパーを読んで納得しました。
筆者らはペプチドライブラリー、カテナンや非ペプチドなどの環状化合物へと適用を考えているとのことです。
筆者らはおそらく始めは環状ペプチドを狙っていたのでしょうが、選択的に2量体が得られたことから反応機構などとさらに深く追求している方向が面白いペーパーでした
クリックケミストリーは、応用の方向性が非常に多いということが、毎回読むたびに思います。何かアイデアがあったとしても、この反応を使えば後追いとしかならないので、クリックケミストリーに使えるような、独自性の高い、基質や反応を見つけたいものです

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