ヨナの福音こばなし帳

オリジナルのショート・ストーリー。一週間で一話完結。週末には、そのストーリーから人生の知恵をまじめにウンチクります。

ぼくはセミになったのさ(1)

2008-06-23 | 放蕩息子Part2
あるひっそりとした明け方のことです。一匹のセミの幼虫が、静かに、地面に姿を現しました。そして、木に登り、おあつらえ向きの場所を見つけ、止まりました。

しばらくすると、背中が裂けてきました。少しずつその避け口が広がっていきます。

ついに、その避け口から、セミが出てきました。まだからだは、白っぽくて、とても柔らかです。だんだん、からだが堅くなり、一人前のセミになりました。

セミは、力強く、森の中に飛んで行きました。

(つづく)

パパ、助けて!(4)ウンチク編

2008-06-22 | インターネットアクセス/ パパ助けて
前回の答え。ボクのいた部屋は、「歯科医院」「歯医者さん」でした。行きたくないけど、行かないでいると、もっと大変になるところ。そのナンバーワンが、歯医者さん。こういう人、けっこういると思うのですが。

さて、ボクの置かれていた3つの状況、これらに共通しているのは、ボクはとても恐ろしがっているのに、パパは助けてくれない、というところですね。

パパは、パパの大切な子ども、ボクに、一番いいもの、一番必要なことをしてあげようとしています。

ボクがその状況を恐ろしく感じるのは、自分が置かれている状況を、ちゃんと理解できていないからです。自分勝手な理解で、何が自分に起ころうとしているのかを想像するから、恐怖ホラー映画の血みどろ最悪場面みたいに思えてくるのです。

ボクに必要なのは、ボクのことを大切に思っているパパがいっしょにいることを忘れないことです。パパが、その状況を許しているのですから、心配しないでいいのです。ボクが本当に危ない状況にあったら、パパが黙って見ているはずがないでしょう。

私たちにとって、このパパとは、天の父、神様のことです。あなたが、この神様の子どもとして受け入れられ、愛されていることがわかれば、どんな状況にあっても心配したり、恐れたりする必要はなくなります。

あなたの問題は、あなたを恐れさせる、不安にさせる状況ではありません。なぜなら、ボクのように、良い状況にいても、私たちは勝手に、最悪と思い込むことがあるからです。あなたに必要なことは、あなたが神様に、まるで子どもが父の腕に抱かれているような、親しい、愛の信頼を持つことです。


空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。

きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。
(マタイによる福音書 6章26、27、30節)


(次回更新は、6月27日の予定です。新しいストーリーです。アクセスしてくださいね。)

パパ、助けて!(3)

2008-06-21 | インターネットアクセス/ パパ助けて
前回の答え。ボクのいた場所は、「ステーキ屋」、それもけっこうな高級店でした。

ステーキといえば、神戸ビーフ。神戸には、一度食べたら二度と忘れられない、美味しいステーキが食べられるレストランが何軒もあります。お店によっては、曲芸まがいの包丁さばきをする職人さんが、高級霜降りを目の前でさばいて、焼いてくれます。経験してみたい方は、福沢諭吉を何人かお供に、神戸にお出かけください。ちなみに、ステーキ屋に限らず、神戸のレストランは、ファッション雑誌に紹介されるような、しゃれた感じのお店は、高いだけで、それほど美味しくないことが、けっこう多いのです。そういうお店が増えて、本当に美味しい料理を出す店がつぶれているのは、悲しい傾向です。

今日のクイズです。ボクの置かれている状況を当ててください。

ボクは、パパといっしょに、妙な薬品のにおいがする部屋に連れて行かれた。そこには、怪しい刃物がたくさん並べられていた。どれも、十分に手入れがされていて、いかにも不気味だ。みんなマスクで顔を隠し、冷酷な目でボクを眺めている。ボクは、電気椅子に座らされた。身動きができないように、二人が両脇にいて、ボクを押さえつけている。そこに、もうひとり男が入ってきた、彼らは、よくわからないことを一言二言話した。そして、男は、ひとつの凶器を手に取った。それは、思考を狂わせるような破壊的な音をたてだした。お互いに目で合図をしたかと思うと、その男は、ボクの顔めがけて、その凶器を振り下ろした。

「パパ、助けて!」

でも、パパは、知らん顔。

(次回は、答え、そして人生の知恵をまじめにウンチクります。)

パパ、助けて!(2)

2008-06-20 | インターネットアクセス/ パパ助けて
前回の答え。ボクのいた場所は、「理髪店」「散髪屋さん」でした。散髪屋さんでは、顔や首を剃ってくれますね。子どもにもしてくれますよ。個人的には大好きな時間です。女性には、難しかったですね。

今日のクイズです。ボクの置かれている状況を当ててください。

ボクは、パパといっしょに、何人かの男たちが刃物を振り回している部屋に案内された。そこには、血の滴る、まだ処理したばかりらしい新しい肉の固まりが、ここそこに置かれていた。みんな不気味にニタニタしている。ひとりの男が、ボクの目の前で、刃渡り30センチはある肉切り包丁を両手に持って、振り回し始めた。そして、肉の固まりを切って、切れ味を確かめた。大きな肉の固まりは、まるで豆腐のように、いとも簡単に切れた。男は一呼吸して、ボクに目を注いで、「次は、あなたの番です。」と静かに言いい、二タッと笑ったかと思うと、ボクの目の前に、包丁を振り上げた。

「パパ、助けて!」

でも、パパは、知らん顔。

(答えは、次回。)

パパ、助けて!(1)

2008-06-19 | インターネットアクセス/ パパ助けて
今回はクイズです。ボクの置かれている状況を当ててください。

ボクは、パパといっしょに、何人かの男たちが刃物を振り回している部屋に入った。みんな薄気味悪くニタニタしている。ボクは、ひとりの男に呼ばれた。その男は、ボクを電気椅子に座らせ、ボクのからだを布で完全にくるんだ。ボクは、まったく身動きができない。そして今、その男が、ボクの首筋にピカピカ光る、いかにも切れ味のよさそうな、研いだばかりのナイフを突きつけた。

「パパ、助けて!」

でも、パパは、知らん顔。

(答えは、次回。)