あるとき、いつもと同じように、ドン五郎が考え事をしていると、そこに、長生きミミズが姿を現しました。
「やあ、こんにちは。ミミズさん。」
「ああ、ドン五郎。起きていたのか。あんまり静かだから、寝ているのかと思ったよ。」
「ボク、考え事をしていたんです。」
「ほー、考え事か。それは、たいしたもんだな。で、何を考えていたのかね。」
「ボクは、どうして、いつも土の中にいるんだろう。どうして、闇の中が好きなんだろう。ボクは、どこから来て、どこに行くんだろう。本当は、闇の中にいるはずじゃないように思うんだけど。ってね。」
「ほー、それは、たいした考え事だな。で、答えは、出そうかな?」
「それが、よくわからないんです。」
「そうか。そいつは、わしにも、よくわからんが、おまえさんに、いっちょ、わしの見てきたことを話して聞かせよう。」
そう言うと、長生きミミズは、その長いからだを先から先までゆっくり動かして、ようやくのこと座り直し、長生きして見てきた、その話を始めました。
(つづく)
「やあ、こんにちは。ミミズさん。」
「ああ、ドン五郎。起きていたのか。あんまり静かだから、寝ているのかと思ったよ。」
「ボク、考え事をしていたんです。」
「ほー、考え事か。それは、たいしたもんだな。で、何を考えていたのかね。」
「ボクは、どうして、いつも土の中にいるんだろう。どうして、闇の中が好きなんだろう。ボクは、どこから来て、どこに行くんだろう。本当は、闇の中にいるはずじゃないように思うんだけど。ってね。」
「ほー、それは、たいした考え事だな。で、答えは、出そうかな?」
「それが、よくわからないんです。」
「そうか。そいつは、わしにも、よくわからんが、おまえさんに、いっちょ、わしの見てきたことを話して聞かせよう。」
そう言うと、長生きミミズは、その長いからだを先から先までゆっくり動かして、ようやくのこと座り直し、長生きして見てきた、その話を始めました。
(つづく)