農場に帰ってきたリボンちゃんを、みんなはとても喜んで迎えてくれました。
リボンちゃんの農場での生活が、また始まりました。
ところが、リボンちゃんは、前のリボンちゃんとは、どこか違うのです。何をするときも、少し考えて、あっそうか、というように行動します。時々、ビックとして、やっていたことを止め、顔をしかめながら、そっと辺りを見回します。そして、ホッとしたように、また行動を続けます。
お父さんロバもお母さんロバも、それはそれは心配しました。
みかねたおじさんが、リボンちゃんと話しました。
「リボンちゃん、この頃、どうしたのかな。何か怖いものでも周りにいるの。おじさんに、何か助けてあげられることはないかな。」
リボンちゃんは、しばらく黙っていましたが、やがて、とつとつと話し始めました。
「何をするにも決まりがあるんです。でも、私はまだよくわからなくて。それで、少し考えないとダメなんです。それが、どんなに気をつけていても、決まりと違うことをしてしまうことがあって。もしそんなところを親分に見られていたら、あの恐ろしい鞭が飛んできます。鞭が飛んでくると思って、身構えて・・・・でも、叩かれなかった。そんなときは、ホッとします。」
おじさんは、じっとリボンちゃんを見つめて、言いました。
「リボンちゃん。あなたはもうサーカスにいるんじゃないんだ。僕の農場にいるんだよ。ここには、そんな決まりはないし、それにあなたを鞭で叩くヤツなんてだれもいない。」
リボンちゃんは、こわごわ聞きました。
「でも親分が見ていたら。」
おじさんは微笑んで、言いました。
「あの人は、もうあなたとは、何の関係もないんだ。僕が代金を支払って、あなたを買い取ったからね。あなたは僕のものだ。だからあの人は、あなたに何もできないんだよ。あなたが、またここを離れて、あのサーカスに戻るなら、話は別だけどね。」
リボンちゃんは、首を小さく、何度も、横に振りました。
(つづく)
リボンちゃんの農場での生活が、また始まりました。
ところが、リボンちゃんは、前のリボンちゃんとは、どこか違うのです。何をするときも、少し考えて、あっそうか、というように行動します。時々、ビックとして、やっていたことを止め、顔をしかめながら、そっと辺りを見回します。そして、ホッとしたように、また行動を続けます。
お父さんロバもお母さんロバも、それはそれは心配しました。
みかねたおじさんが、リボンちゃんと話しました。
「リボンちゃん、この頃、どうしたのかな。何か怖いものでも周りにいるの。おじさんに、何か助けてあげられることはないかな。」
リボンちゃんは、しばらく黙っていましたが、やがて、とつとつと話し始めました。
「何をするにも決まりがあるんです。でも、私はまだよくわからなくて。それで、少し考えないとダメなんです。それが、どんなに気をつけていても、決まりと違うことをしてしまうことがあって。もしそんなところを親分に見られていたら、あの恐ろしい鞭が飛んできます。鞭が飛んでくると思って、身構えて・・・・でも、叩かれなかった。そんなときは、ホッとします。」
おじさんは、じっとリボンちゃんを見つめて、言いました。
「リボンちゃん。あなたはもうサーカスにいるんじゃないんだ。僕の農場にいるんだよ。ここには、そんな決まりはないし、それにあなたを鞭で叩くヤツなんてだれもいない。」
リボンちゃんは、こわごわ聞きました。
「でも親分が見ていたら。」
おじさんは微笑んで、言いました。
「あの人は、もうあなたとは、何の関係もないんだ。僕が代金を支払って、あなたを買い取ったからね。あなたは僕のものだ。だからあの人は、あなたに何もできないんだよ。あなたが、またここを離れて、あのサーカスに戻るなら、話は別だけどね。」
リボンちゃんは、首を小さく、何度も、横に振りました。
(つづく)