福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク

(通称:たねまきネット)
農と食を中心に、小さな種をまきながら、永続的な支援活動を行う。

齋藤 貢『遠い春』 2024年6月1日発刊・思潮社

2024年06月14日 | 小高商業高校

「2011年当時、南相馬市の小高商業高校校長だった齋藤氏。地震と津波と放射能の三重苦に見舞われたあの日の出来事は、詩人のその後の大きく左右した。2013年刊『汝は、塵なれば』2018年刊『夕焼け売り』の2詩集は、原発事故で故郷を追われた苦しみを深く引き受け、消えない傷や痛みとともに現在へ、未来へと問い返すものだった。今作では各詩末尾に付された反辞が、未だ終わらない煩悩や怒りとして表されている。汚染水を処理水とはぐらかす欺瞞こそ、今日までつづく現実の姿であり、「ここには、まだ苦しみの水があふれている」。・・・今こそ届けたい一冊だ。」『現代詩手帖』2024年6月号より


わたしたちは、生きる力を試されています!

2018年07月19日 | 小高商業高校

7月14日第7回総会を開催しました。

記念講演「あれから7年 いま、福島のことばを聴く」齋藤 貢さん(詩人・元小高商業高等学校校長)

福島とつながる種まきプロジェクトネットワークを結成して7年目、とにかく何かをしなくてはならないと立ち上げ、ささやかではあれ福島に目を向け続けました。そして、私たちは7年たった今もやはり福島から目を離せない思いがしています。齋藤 貢さんのお話に、さらにその思いを強くしました。ありがとうございました。

●講演から

「わたしたちは試されている」(『小高商業高等学校ホームページ』2011年5月11日)

教育環境は、決して充分なものではありません。しかも、同じ学校の生徒でありながら、サテライト校毎に別々に分かれて学ばざるを得ません。わたしたちは、学ぶことの意味や仲間であることの意味、こころの絆の強さ等を、今、試されています。この困難とどのように向き合うのか、その知恵を試されているのです。「試練」とは、このわたしたちの現在の姿にほかなりません。

 

「生きる力を試されている」(『忘れてはならないこと』小高商業高等学校101年目の記録2012年3月1日)

震災から2ヶ月後の5月11日に、わたしたちは学校を再開し、始業式では、「今、わたしたちは、生きる力を、未来の力を、試されているのだから、決して困難にも自分自身にも負けてはならない」のだと話しました。この言葉は、生徒諸君へのエールであるとともに、わたしが自分自身に何度も言い聞かせていた言葉でした。誰がわたしたちを試すのかはわかりません。何のために試すのかもわかりません。なぜほかならぬわたしたちがどうして選ばれたのかも……。しかし、間違いなく、わたしたちが試される場に立たされたのは疑いようのない事実でした。

 

福島・未来への三カ条(「たらちねクリニック」院長 藤田操さんの言葉)

1、経済的「復興」こそ第一と考え、人々の健康と暮らしを犠牲にせぬこと。

2、「風評」払しょくに名をかり、守るべき子どもたちを危険にさらさぬこと。

3、強いられた苦難と悲しみを、「美談」として売り込まぬこと。

 

●参加者アンケートから

・フラットに立ち寄っただけですが、良いお話が聴けました。 

・よかった。

・中味が濃く、とてもよかったです。

・3、11の当日の様子や今までのことが聞けてよかったです。ありがとうございました。

・試されているなら、負けるわけにはいかないですね。

・年齢や立場によって、それぞれの想いは違い、まだ、たくさんの課題があると感じました。

・震災から7年、記憶がうすれてきた中、お話を伺いほっと安心したこと、まだまだやらなければならない事を再認識できました。ありがとうございました。

・原発被災地の依然として変わらぬ状況を憂うとともに、前半の小高商業の元先生、卒業生のお話にいくばくかの明るさと希望を感じることができました。しかし、両親の出身地福島の復興は遠いですね。気持ちだけは「不屈」で臨みたいものです。

・貴重なお話を聞かせていただき有難うございました。自分ができることは何か、気づける気がします。また参加します。 

・国立に住む私が、フクシマから見る意味は「人であること」の破壊を、現状への同化、風化という思考停止を、今強く意識して次の一歩を選ぶこと。私の精神を風化させないという全ての日本人への警鐘!知る機会、考える時間をご提供して頂き、ありがとうございます。 

・家でじっくり詩を読み返したいと思います。今、自分の出来る事、やるべき事を見直すきっかけをもらいました。ありがとうございます。 

・三重苦の福島は、特に忘れずにいる為に、このような会に感謝します。 

・それぞれの現場で、人と人のつながりの大切さをつくっていかれているというのが、とてもよかったです。すこし前に職場で、福島の大熊町の福祉関係の人からお話をきく機会があったもので、生々しくあのころがよみがえってきました。

・なかなか聞けない、リアルな体験の話や想いを聞くことができる、貴重な機会になりました。今日うかがった話、思ったことを日常の生活の中で咀嚼していきたいと思います。関係者の方々、ありがとうございました。

・福島出身のじぶんは、いつもいつも複雑な気持ちで言葉を失う。“小さき声”を聞く、小さい個の力という齋藤さんの言葉が胸を打ちます。

・詩人のことばの何と強く人の心にひびくのでしょう。今日ここで聞けてよかったです。日本全国が明日福島になるかもしれない、日本の情況です。どんどん悪くなっています。 

・私たちは試されている、という言葉は、福島の方だけでなく、日本に暮らす私たち一人一人にも投げかけられているように感じました。「夕焼け売り」突き刺さりました。

・何処に居ようと、日々の暮らしの中で、大戦争(災)にも比肩できる福島の原発災害を忘れず、考えつづけ、又真実を求め、事実を明らかにする事の大切さを認識しました。現在進行中(拡大中)であると考えます。

 ●寄せられた感想文

 一昨日土曜日の午後、東京・国立市内で行われた「福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク」主催の講演会へ行ってきました。題して「あの日から7年 いま、福島のことばを聴く」。

 講演者は、東日本大震災発生の2011年当時、原発事故のあった福島県浜通りの南相馬市にある県立小高商高で校長であった齋藤貢さん。高校時代より詩作に励み何冊ものの詩集を発表、現在は福島県現代詩人会理事長を務めています。

 講演会の前半は、齋藤さんに震災・原発事故発生時に小高商高教諭だった中島裕さん、同校卒業生2名を交えてのトークタイム。被災後の学校の様子を収めた動画を上映し、当時を振り返りました。
同校は震災により校舎を失ったため、相馬東高と福島商高の施設を間借りし、生徒はこの2カ所に分かれて小高商高生としての学校生活を続けたといいます。また、他都道府県へ転居し転校していった生徒もかなりいたため、実際には二分化ではなく、三分化してしまったのです。
 震災からふた月後の2011年5月11日、2カ所に分かれた小高商高が始業した日。校長の齋藤さんはネット上で「いま、わたしたちは、未来に向けて生きる力を試されています。だから負けられません」と、離れた地の教室で高校生活をスタートする生徒たちにエールを贈ったとのことでした。

 後半は、齋藤さん単独による講演会となりました。
 はじめに齋藤さんは、「福島については、いろいろな人が、いろいろな立場で語っています、立場によって言うことは変わる。では、わたし自身はどういう立場に立って語るのか。これは簡単なようで難しい問題でした」と、話を切り出しました。
 自分はいったい、どのような立場で原発事故後の福島を人びとに語るべきか? 

その問いに対する答えは、原発事故被災者を描いた作品『チェルノブイリの祈り』でノーベル文学賞を受賞したベラルーシ在住の作家・スヴェトラーナ・アレクシェービッチさんが2016年に来日し、福島を訪問した際に案内役を務めたことで明らかになった、と斎藤さんは話を続けます。
 アレクシェービッチさんは「依るべきところのない小さな言葉を聞いて回ること」と自身の考えを示したといいます。思ったことは躊躇せずに行動する。真実が何であるかを追求していく強い意志をもつ。強く大きなものに対しても怖がらず、小さな個の力で立ち向かっていく。
 さらに、「原発事故は新しい経験なのだから、言葉ではなく、現実に向き合うことです」というアレクシェービッチさんの言葉から、自分のとるべき立場を思い知らされたというエピソードは、とても意味深い内容でした。

 齋藤さんは「カタカナの“フクシマ”はいやだけど、“フクシマ”を忘れてはいけない」と唱えます。避難区域は解除したから早く帰還せよと政治家や役人たちは声高に叫ぶ。軽薄に飛び交った「絆」「希望」「がんばろう」などの言葉は、ときに凶器となる。非日常が年月を経て日常となり、風化が進む。これらすべてが恐怖であり、あの日から7年を経過したフクシマの現実であると訴えました。

 詩人・齋藤貢さんは、作品「夕焼け売り」で、福島がフクシマに変わってしまった町を書いています。最後は自らがこの詩を朗読して、講演会は終了となりました。
以下に「夕焼け売り」の最初の一連を記します。以下は画像でご覧いただけたら幸いです。

夕焼け売り    齋藤 貢

この町では
もう夕焼けを
眺めるひとは、いなくなってしまった。
人が住めなくなって
既に五年余り。
あの日。
突然の恐怖に襲われて
いのちの重さが、天秤にかけられた。

以上です。

 長谷川 清(国立市)

●夕焼け売り→ aa96f7346d593e0f2e2bb3ddcd317317.html

●フォーク者イサジ式→ watch.html 

◼︎引き続き、たねまきネットの活動を支えてくださるようお願いいたします。
個人会員 年3000円
団体会員 年10000円
ゆうびん振替口座 00190−1−708341
「福島とつながる種まきプロジェクト」
 
●問合せ先:090−7213−0929遠藤
spacef@ac.auone-ne.jp
 





 


福島県立小高商業高等学校 商業研究部

2014年12月02日 | 小高商業高校

12月2日の東京新聞「3・11後を生きる」井上能行のふくしま便り(東京新聞福島特別支局発)の、小高商業高校の記事が載りました。復興後押し福島の高校生が商品化~幸せ色のお菓子いかが~と題して、大根かりんとうに続き、人気商品の開拓に取り組む様子が描かれています。12月6日のマルシェでは「大根かりんとう」販売だけですが、今後、ハート型かぼちゃで作った「幸せ色の黄色いかぼちゃ」のまんじゅう、タルト、シフォンケーキ、ジェラートも食べてみたいですね!まんじゅう、タルトは「道の駅 南相馬」等でうっているようですよ。

 


いよいよ明日

2013年02月09日 | 小高商業高校

       小高商業高校と大根かりんとうが新聞記事に!

昨日2月8日の東京新聞朝刊・多摩版に、記事が載りました。明日のマルシェ・プレゼンを控えてタイムリーに掲載されて良かったです。小高商業高校のこともきちんと書いてありました。

これを読んで、沢山の方が会場に足を運んでくれるとうれしいですね。大根かりんとうは、早く買わないと、すぐに売り切れてしまうかもわかりません。マルシェは11時から、プレゼンは2時からです。どうぞ、お早めに、お買い求めください。

 


2/11小高商業高校生を迎える その2

2013年01月24日 | 小高商業高校

2/10~11の行程

2013・2/10(日)~2/11(月・休日)

福島種まきプロジェクトin  くにたち & 恵泉女学園大学

 

昨年に続き、今年も福島小高商業高校生が1泊2日で東京にやってきます。歓迎し、応援しましょう!下記日程で国立市と多摩市恵泉女学園大学で2日間を過ごします。どうぞご参加ください。

 

2/10(日)

11時~16時

 

くにたちマルシェ

 

どなたも見学購入自由

14時~15時

小高高校生のプレゼン &

国立市農商工者のプレゼン

どなたも参加自由(無料)

16時30分~18時15分

夕食

以下の左記企画については、

 

 

{問い合わせ先}

福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク

◆電話・FAX

042-573-4010

◆携帯090-7213-0929 遠藤

18時30分~19時30分

入浴@湯楽の里 

19時30分~20時

恵泉女学園大学へ移動

20時~21時30分

オリエンテーション

21時30分

就寝

2/11(月・休日)

7時

 

起床

7時10分~7時30分

ヨガ

7時30分~9時45分

オーガニックモーニング

 

 

調理&食事 ワークショップ

 

9時45分~10時30分

恵泉大「教育農場」見学

 

10時45分

恵泉大 出発

 

 

主催:福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク&恵泉女学園大学

連絡先: 電話・FAX 042-573-4010  携帯090-7213-0929  遠藤

ブログhttp://blog.goo.ne.jp/fukushima-tanemaki/  

協賛:国立市被災者支援市民協働ネットワーク・多摩市民有志

人の輪ネット  070-5099-4305  hitonowa311@hotmail.co.jp 

        

 


2/11小高商業高校生を迎える

2013年01月24日 | 小高商業高校

2/10~11 小高高校生を招いて

10日

プレゼン(ESORAホール)&マルシェ(噴水広場)@くにたち せきやビル (国立駅南口前)

11日

恵泉女学園大学でのオーガニックモーニング ワークショップ

を行います。

10日のプレゼンとマルシェの後は、高校生とたねまきネット&市民協働ネットワークで、夕食交流会を行い、その後くにたちの湯楽の里でお風呂に入った後、恵泉女学園大学で宿泊です。

翌日11日の朝は、ヨガ・オーガニックモーニングを作って食べる・教育農場見学・サンリオピューロランドで楽しんで、帰路につく予定です。

11日のオーガニックモーニング会場の恵泉大南野キャンパスカフェは新装オープンして、ステキな木造のカウンターやその他設備も整い本格的なカフェができるようになりました。また10日の宿泊場所も恵泉大南野キャンパスにある42畳もある広い和室をお借りできました。

10日の宿泊~11日のプログラムに参加ご希望の方は、たねまきネットにお問い合わせください。(090-7213-0929 遠藤)

22日はオーガニックモーニングプログラムをお世話くださる多摩市有志、恵泉大スタッフ、種まきネットで打ち合わせを行い、準備を進めました。

カフェと和室の写真をどうぞ。

木造カウンター

いかにもカフェ

42畳の和室。以前は茶室だったようです。

 


小高商業高校研究発表2位

2012年08月28日 | 小高商業高校

今年2月4~5日「福島の生の声をきく」@恵泉に招き、7月1~2日に福島視察バスツアーでも訪問した、

福島県立小高商業高等学校の商業研究部が、東北6県高校生徒商業研究発表大会で2位となり、全国大会に出ます

http://www.minpo.jp/news/detail/201208263285

 

新聞「福島民報」8/28記事より

小高商2位、全国へ 郡山で東北高校生商業研究発表会 風評被害なくす活動報告

 東北6県高校生徒商業研究発表大会は25日、郡山市の郡山ユラックス熱海で開かれた。「小高っ娘の地元復活大作戦!!~高校生の力で風評被害はなくせるか~」のテーマで発表した小高商が2位となり、初の全国大会出場を決めた。
 

小高商は商業研究部の松本有香部長、永倉園絵副部長ら7人が登壇。東日本大震災前に開発した商品「小高だいこんかりんとう」を県内各地のJAの協力で復活させ、県外での販売を通して風評被害をなくす活動を展開した状況などを報告した。
 審査員は「風評被害を前面に出し、自分たちが取り組めることを明確に示した」と評価した。松本部長は「全国大会でも風評被害をなくす取り組みを訴えたい」と話した。
 東北6県商業教育研究会の主催、県高校商業教育研究会の共催。東北6県から各2校の計12校が出場した。斎藤章東北6県商業教育研究会長が松本部長永倉副部長に賞状と盾を手渡した。
 1位の宮古商(岩手)と小高商は11月に徳島県で開かれる全国大会に出場する。平商は優良賞を受けた。

( 2012/08/26 08:35 カテゴリー:主要 )

 

 


小高商業高校の卒業式

2012年03月01日 | 小高商業高校

3月1日、小高商業高等学校の卒業式が相馬市「はまなす館」で行われました。

2月4日恵泉女学園大学で「復活!小高だいこんかりんとう」のプレゼンテーションをしてくれた商業研究部のみなさん11名も卒業です。

たねまきネット、恵泉女学園大学、都立第五商業高校から、祝辞、メッセージを送りました。

また、恵泉で生徒らと交流した女優・秋吉久美子さんが、相馬市まで赴き、卒業生51名を激励しました。

卒業式の様子→http://www.odaka-ch.fks.ed.jp/