忌まわしきゆとり教育からの脱客?日本が世界大学ランキングで2位に躍進です。日本人は秀でた人材は乏しいがチーム力は強い。しかし、2040年の大学進学者数は現在の8割に当たる50万6,000人(17年に比べ12万4,000人減)と推計しているそうで、高等教育に国があまりお金を掛けず、家計の負担に頼って進学率を伸ばしてきた侭では、アジア勢に煽られ、経済で徐々にランクを落としている今後は世界大学ランキングを落としそうです。政争に明け暮れる国会での対策が求められます。
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英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が、2019年版の世界大学ランキングを発表しました。18年版に比べ、東京大学が46位から42位へ、京都大学が74位から65位へと順位を上げたことが注目されましたが、日本からランクイン(1000位以内)した大学数が14大学増の103校となり、国別で英国を抜いて米国に次ぐ2位となったことも見逃せません。ただし手放しでは喜べず、まだまだ課題があるのも確かです。
複数の機関が行っている世界大学ランキングのうち、国際的に最も評価が高いのがTHEです。教育力、研究力、研究の影響力、国際性、産業界からの収入といった評価指標を設定して、ランク付けを行っています。
かつては東大がアジアの中でトップでしたが、近年では北京大学(31位)や香港大学(36位)など、台頭する新興国の大学に追い抜かれたままです。トップ100に入っているのも、依然として京大を加えた2大学だけです。
しかし、THEのフィル・ベイティ編集長は日本が国別2位に浮上したことについて「日本は長期的な下落の後、主要大学と有望な新規参入大学、両方の堅実な改善によって強固な結果を残した」と評価しています。
そもそもTHEには、世界中の大学の5%ほどしかエントリーできません。成り立ちや文化・制度の違う世界中の大学を比較するには、研究面で世界から評価されることが不可欠です。実はランクインするだけでも、大変なことなのです。そうした中で、帝京大学(401-500位)が国内同率7位、日本医科大学と立教大学(601-800位)が同14位など、初ランクイン組の健闘も目立ちます。
一方で、ベイティ編集長は「人口減、高齢化、留学生獲得の地域的・国際的競争激化などの課題が今後、日本の大学の存続を脅かす可能性がある。真の意味で競争力を強化するには、はるかに大きな投資と国際化の努力が必要だ」とも述べています。
18歳で高校を卒業した後、できるだけ間を置かずに入学する……それが日本で一般的な大学生のイメージです。しかし、そんな大学が主な入学対象年齢としてきた18歳人口は、22年後の2040年には現在の7割程度に縮小すると予想されています。そんな時代の大学の在り方を検討している中央教育審議会では、今後も大学進学率はそれほど上昇せず、40年の大学進学者数は現在の8割に当たる50万6,000人(17年に比べ12万4,000人減)と推計しています。
そこで中教審では、11月末にもまとめる答申に向け、社会人の学び直しや留学生の増加により学生のパイを増やすとともに、地域内で大学間の連携・統合を進めるよう提言することを検討しています。
あらゆる学問が日本語で研究できる大学の層が厚いことは、日本の強みとも言えます。そうした強みを損なうことなく、さらにグローバル展開を図っていくことが求められるでしょう。国際的に見ても、日本は高等教育に国があまりお金を掛けず、家計の負担に頼って進学率を伸ばしてきた経緯があります。ベイティ編集長の指摘を、重く受け止めるべきでしょう。