繰り返される銀行破綻の、カラクリ
銀行JPモルガン・チェースの、デリバティブによる巨額の損失が世界の金融市場を揺るがせている。
JPモルガン・チェースは、ニューヨーク株式市場ダウが13000ドルを「上回る」に1兆円投資し、賭ける。
一方、銀行モルガン・スタンレーは、13000ドルを「上回らない」に1兆円投資し、賭ける。
これで契約成立である。
結果、ダウは13000ドルを「上回らない」。
JPモルガン・チェースは、1兆円の借金を抱え、倒産する。
JPモルガン・チェースに財産を預け、JPモルガン・チェースの投資信託を買い、年金基金・生命保険掛け金を預けていたサラリーマン・市民、中小金融機関、年金財団、中小企業経営者達は、「全財産を失う」。
JPモルガン・チェースの失った1兆円は、「そのまま」、モルガン・スタンレーの「1兆円の利益となる」。
「形式上」、モルガン・スタンレーとJPモルガン・チェースは「別会社」である。
モルガン・スタンレーの大株主は法人=企業A・B・Cであり、A・B・Cの経営者はG・H・Iであり、G・H・Iの経営者はJ・K・Lであり、J・K・Lの経営者はM・N・Oであり、M・N・Oの経営者は最終的に「Z」である。
同様に、JPモルガン・チェースの大株主はD・E・Fであり、D・E・Fの経営者はP・Q・Rであり、P・Q・Rの経営者はS・T・Uであり、最終的にS・T・Rの経営者は「Z」である。
複雑な「株式の持ち合い、人脈・金脈ネットワーク」を読解する事のできる者だけに、この「最終的な経営者Z」の姿が見えて来る。
ダウ13000ドルをめぐる勝者と敗者の銀行が、「同一人物Z」によって経営されている。
JPモルガン・チェースに財産を預け、全資産を失った膨大な数の市民・サラリーマン。
その失われた1兆円は、モルガン・スタンレーに「奪われている」。
「経営者Z」は、JPモルガン・チェースを「倒産させるだけで良い」。
膨大な数のサラリーマン・市民の財産1兆円は、「Z」の私的な、個人資産となる。
これが、市民の全財産を略奪する、「金融トリック」である。
世界最大の自動車会社GMの破産(金融機関GMACの破綻)、米国政府の住宅金融会社ファニー・メイの破綻、サブプライム債券の崩壊によるヨーロッパ金融危機。
金融機関・銀行の経営破綻、金融市場の崩壊とは、「こういう事」である。