都知事選ネット討論会と腐った御用放送NHK
東京都知事選の討論会が実施された。
ネット討論会である。
日本記者クラブが実施する歪んだ討論会よりもはるかに中立公正な討論会である。
日本のマスメディアは腐り切って、腐臭を巻き散らしているから、今後も選挙の際の討論会はネット討論会だけにするべきだ。
記者クラブの討論会では、読売の橋本五郎、毎日の倉重篤郎、朝日の星浩など、ゴロツキ記者しか登場せず、頓珍漢な質疑応答を繰り返す。
日本をここまでダメな国にした主因のひとつは、マスメディアの著しい劣化にある。
権力にすり寄る、品性の低さが最大の問題だ。
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自衛隊出身の田母神氏は、放射能は危険でないと言い張ったが、原爆でどれだけの人が亡くなったのかを知らないのではないか。
ビキニ環礁の水爆実験で、第五福竜丸が被曝して、船長が亡くなったことも知らないのではないか。
チェルノブイリの周辺がどれほどの惨状に見舞われたのかを知らないのではないか。
そして、福島で何が起きたのかを知らないのではないか。
福島の事故は津波で電源が失われたために発生したと断定していたが、福島原発事故原因は現時点でまだ特定されていない。
津波の前の地震が事故原因であったとの推論も存在する。
大事な選挙に際しての討論会でいい加減なことを言うべきでない。
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NHKは東洋大学教授の中北徹氏の適正なニュース解説の放送を妨害した。
中北氏は抗議の意思を込めて番組を降板した。
中北氏の放送予定原稿は以下のものである。
<ビジネス展望>
「原発再稼働のコストと事故リスク」(案)
2014.1.30
東洋大学経済学研究科 中北 徹
Q1.イントロ・・・
A1.都知事選で焦点となっているとされ、また、国会の質問でも取り上げられている、原発再稼働の問題について安倍総理も、「議論が行われるの は望ましい」と述べている。経済学の観点からコメントして、いくつか論点に触れて、議論の喚起に供したい。
最初にポイントを集約する。
第一は、事前の安全確保の対策、保険料などといった原発稼働のコストが世界的にアップしていること。
第二に、万が一の際、巨大事故もたらす損害が 膨大化している。
最後に、日本の場合、廃炉の費用が発生しているが、それが企業の費
用に明示的に計上されていない。
Q2.それぞれ詳しく・・・
A2.まず、稼働コストの上昇が上昇している。2011年の段階で、民主党政権のもと、評価委員会が示した原発の電力コストは、当時、8円 /KWH 。それが、最近では、たとえば、「自然エネルギー財団」の資料などを参照すると、11円から17円/KWHということで、2倍前後へ。 その他、関連データを参照しても、2~3倍へ。
これは世界的な趨勢であって、保険料、安全確保の事故対策費などが、東日本大震災をきっかけに、リスクへの認識が高まった結果。すると、他の石炭・石油による発電コストは大差なく、小さくなっている可能性。
加えて、日本の場合、原発の廃炉の費用が積み上がってくる。廃炉技術が未開発の段階にあり、十分な試算が行われてない。
一方で、会計の観点から、廃炉は電力会社の命運を左右する大きな作業で、膨大な費用を伴うものだ。原理的には、事前に必要な費用を前倒しで積み上げる必要がある。
しかし、電力会社のバランスシートに計上されていない。過小評価されているわけで、将来国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性。
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(中略)
Q4.残るリスクの問題は・・
A4.最後に強調したいのは、原発事故発生のリスクと、巨大事故が起きた際の損害額との関係。
(中略)
テクニカルにはどうであれ、基本的な問題(ポイント)は、事故の発生確率と、その事故がもたらす損害賠償料との両者の掛け算、積がどれだけ大きいかである。
(中略)
損害賠償 額は大きく、巨大事故が起きると10兆円にも達すると見込まれる。近隣の土地買収・除染など費用を考えると、その何倍にも達する可能性。
(中略)
事故発生の件数が一桁下っても、損害額が巨額なので、やはり(両者の掛け算の積で決まる)想定損害額が桁外れに大きい。
そもそも、事故発生の確率 が小さくなって、「数千年、数万年に1回の発生確率だ」といっても、それは今日、明日にも発生する可能性がなくなるわけでない。
すると、リスクである積の値を確実に減らし、ゼロにできるのは、原発を止めることになるだろう。
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要するに、原発というのは、いざ事故が発生した場合のコストを含めると、すべての発電方式のなかで、もっともコストの高い発電方式になるということだ。
原発事故によって、かけがえのない国土、かけがえのない地球を失うわけにはいかないのだ。
都知事選では、原発再稼働を認めない主権者は、投票を一人の候補者に集中させるべきだ。
現状で、細川氏が宇都宮氏の得票を上回るとの見方が強いから、原発再稼働阻止の意思を持つ主権者は細川氏に投票を集中させるべきだ。
原発再稼働阻止票が合計で舛添氏得票を上回り、しかし、舛添氏が当選するというのは悪夢である。
この悪夢を回避しなければならない。
NHK会長・失格籾井氏を厳しく追及しない原口氏
日本偏向協会の異名を持つのがNHKである。
安倍政権が発足してNHKの偏向に拍車がかかっている。
安倍政権がどのようにNHKの偏向を促しているのかについては、昨日付の拙メルマガ記事をご参照賜りたい。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第778号記事「日本の民主主義を破壊するNHKの内情」
http://foomii.com/00050
組織を動かす原動力は「カネとヒト」である。
NHKの財源を握るのが政府。そして、NHKの人事を握るのが政府である。
NHKの人事権を握るのが経営委員会。
経営委員会を構成する経営委員を任命するのは内閣総理大臣である。
安倍首相は内閣総理大臣の人事権を濫用してNHKを私物化している。
NHK会長に就任した籾井勝人氏が就任会見で暴走発言を示した基本的背景にこの事実があることを見落としてはならない。
詳細を再論しないが、JR東海の葛西敬之氏らが中心になって創設した「四季の会」という財界人グループに偏向したNHK人事が横行していることは紛れもない真実である。
この「お友達人事」が重大な弊害を示している。
葛西敬之氏が背後で跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)し、前面では安倍晋三氏、富士フィルムの古森重隆氏などがNHK支配に直接関わっている。
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安倍氏、葛西氏、古森氏の談合によって決定されたとみられるNHK新会長に就任した籾井勝人氏は、就任会見で大暴走発言を展開した。
籾井氏は従軍慰安婦問題について、個人的見解と断ったうえで次のように述べた。
――慰安婦を巡る問題については。
戦時中だからいいとか悪いとかいうつもりは毛頭無いが、この問題はどこの国にもあったこと。
――戦争していた国すべてに、慰安婦がいたということか。
韓国だけにあったと思っているのか。戦争地域にはどこでもあったと思っている。ドイツやフランスにはなかったと言えるのか。ヨーロッパはどこでもあった。なぜオランダには今も飾り窓があるのか。
――証拠があっての発言か。
慰安婦そのものは、今のモラルでは悪い。だが、従軍慰安婦はそのときの現実としてあったこと。会長の職はさておき、韓国は日本だけが強制連行をしたみたいなことを言うからややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っているわけだが、日韓条約ですべて解決していることをなぜ蒸し返すのか。おかしい。
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また、特定秘密保護法について、市民の間には反対意見が多く、NHKの報道姿勢が政府寄りであるとの指摘があることについて、
「一応(法案が)通ったので、もう言ってもしょうがないんじゃないか」と述べ、「あまりカッカする必要はない」と、問題点の追及に消極的な姿勢を示した。
さらに、国際放送に触れ、
「尖閣や竹島という領土問題は、明確に日本の立場を主張するのは当然のことだ。政府が右と言っているものを、われわれが左と言うわけにはいかない」
と語った。
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放送法の第一条には次の条文がある。
(目的)
第1条 この法律は、次に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。
放送番組編集について定めた第四条には次の条文が置かれる。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第4条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
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1月31日の衆議院予算委員会にNHK会長の籾井勝人氏が参考人招致され、民主党の原口一博氏が質問に立った。
籾井氏は、従軍慰安婦発言について、記者会見で「個人的意見」と断ったうえで発言し、NHK会長としての発言としては、これを取り消すと発言した。
原口氏は、従軍慰安婦問題はこの場では取り上げないとして、
特定秘密保護法についての番組編集について、「決まったことだからしょうがない。取り上げる考えはない」と発言したこと、
国際放送に関連して、「政府が右というときに左とは言えない」と発言したこと、
を問題にした。
これについて、籾井勝人氏は、
「個人的見解と断って発言し、NHK会長としての発言としては、これを取り消すとした」
と答弁した。
籾井氏の答弁は、従軍慰安婦問題についてのものであり、原口氏が指摘した、特定秘密保護法の問題、「政府が右というときに左と言えない」発言に対する質問に答えなかった。
原口氏はなぜ厳しく追及しなかったのか。
籾井氏の答弁は原口氏の質問に対する回答になっていない。
まったく意味不明の答弁である。