家宝

1996年キッスReunion Tourのツアーポスター。メンバー全員のサイン入り、そして我がAce Frehleyのサインは誰に宛てたものか…

1996年、キッスがオリジナルメンバー、フルメイクアップで復活した年、私は幸運にもテキサス州ダラスのある会社に出向していた。キッスのReunion Tourが始まり、当然ダラスにも来る事になり、万全の体制でチケットを確保した私は当日を心待ちにしていた。そしてオフィスのコンパートメントにはコンサートのチラシを貼っていた。コンサートが近づいたある日の午後、オフィスで仕事をしていると見知らぬアメリカ人が私のコンパートメントで立ち止まり、じっとこちらを見ている。よく見ると彼はキッスのコンサートのチラシを見ている様だったので、こう話しかけてみた。

私 「キッスがオリジナルメンバーで再結成したんだよ。今度ダラスでも
　 　コンサートがあるぜ。あんたはコンサートに行くのかい？」

その男はやおらチラシのAce Frehleyの顔を指差し、爆弾発言をした。

男 「俺はこいつのいとこなんだ。」
私 「えーーーーっ、うそだろー、マジかよ。」
男 「ああ本当さ、証明してやろうか。」
私 「俺はロックギターをやるんだけどAceは最も影響を受けた
　 　ギタリストで、俺にとっちゃ神様のような存在なんだぜ。」
男 「ちょっと待ってろ、おまえに見せるものがある。」

と言って彼は一旦立ち去り、５分ほどして戻ってきた。

男 「これをおまえにやるよ。」
私 「絶句…」

男が持ってきたものがこのツアーポスターだった。そしてAceのサインには

「To Cousin Bill, Keep On Rockin', Ace Frehley '96」

と書いてあるではないか！彼は正真証明Aceのいとこだったのだ。そして私のAceに対する思いが通じたのかどうか知らないが、見ず知らずの私にポスターをひょいっとくれたのである。彼とはその後数回社内で顔を合わし、簡単に挨拶をしたっきりである。名刺はもらったがFrehleyという苗字ではなかったので母方のいとこだったのだろう。

一生のうちでこんな偶然、幸運はそう無いだろう。信じるものは救われると言うことか。


Gene Simonsのサイン


Paul Stanleyのサイン


Peter Crissのサイン


そしていとこのBillに宛てられたAce Frehleyのサイン！