事前予想では大出現が持続することはなく、長くても20~30分ぐらいであろうと考えられ
ていたのですが、2時過ぎから3時台の予想ピークを挟んで4時近くになってもハイレベルな
活動が続きます。それはこんな(↓)感じでした。
※ほぼ中央が輻射点になり、放射状に流星が飛ぶ様子が分かります。
4時台に入ってもペースが衰えた感じはなく、全天で数十個/分は依然として流れていると
いう印象でした。その時間帯には上空に雲が流れてきたのですが、晴れ間が広がっている
南の低空に目をやると、輻射点の方向よりも数多くの流星が飛んでいるのに気が付きます。
大慌てで高感度CCDカメラをそちらに向けて、その様子をとらえました(↓)。
※一番明るい星が、おおいぬ座のシリウス。右寄りにオリオン座が写っています。
幸い、雲の発生は一時的なもので、30分ぐらいでまた元の快晴状態に戻ってくれました。
まだ流星雨は続き、終息に向っていく感じがしません。願わくばこのまま夜が明けないで
欲しいとの思いも虚しく、29時過ぎには東の空が白んできました。ちょうどその頃、銀塩
カメラがフィルム切れとなり、撮影を終了。その後、惑星と1等星しか見えなくなっても、
まだ多くの明るい流星が飛んでいるのが確認できました。
大興奮の一夜が明け、ポケットからカウンターを取り出して数字を見ると、3000を超えて
ました。取りこぼしも結構あったので、実際はその3割増ぐらいだったかもしれない。
明け方は相当冷え込んだため、機材には霜が付いてました。太陽が昇って気温が上がり、
それが取れるまでの間、車中で仮眠。9時過ぎに機材を撤収し、観測地を後にしました。
帰宅後すぐにスピード仕上げの写真店にフィルムを出し、上がってきた写真を見て仰天!
流星の写っていないコマを探すのが大変なくらいの結果で、中には10個以上もの流星像が
認められるコマもありました。後日、フィルムスキャナでデジタルデータ化し、画像処理
ソフトで流星の写っているコマを全て合成して得た画像がこちら(↓)
【しし座流星群2001】
1枚目:銀塩一眼レフカメラ+28mm広角レンズ,ネガフィルム使用 32コマ合成
2枚目:銀塩一眼レフカメラ+35mm広角レンズ,スライド用フィルム使用 28コマ合成
3枚目:銀塩一眼レフカメラ+50mm標準レンズ,ネガフィルム使用 30コマ合成
※いずれも画像をクリックすると、大きい画像が別ウィンドウで開きます。
写野が最も広い28mmレンズでの画像には100個近くの流星が写っています。
流星雨・・・それは一生に一度見られるかどうかの稀少な天文現象であると言われています。
今回の活動レベルは、理想的な観測条件に換算して約4500個/時(ピーク時)だった模様。
日本でほぼ同等の流星雨が見られたのは134年も前だったとか。極めて珍しい現象を自分
の目で見ることができてとても幸運でした。2001年のしし座流星群は21世紀最初の流星雨
記録として今後も語り継がれていくことでしょう。
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- ゆきchan [2009年11月15日 9:03]
- 凄いの一言です!流星群の映像では初めてみたかもしれません。こんなに流れんですねぇ。この前は一つしか見れなかったんです。
- fornax8 [2009年11月15日 17:43]
- ゆきchanさん、こちらにもコメントを頂戴しまして恐縮です。
全ての流星群がいつもこんな感じに見えたら面白いんですけどねぇ。
皆既日食を見た時も感動しましたが、流星雨はそれ以上に感動的だったかも。
22年後からの数年間にまた起こるかどうか・・・