蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

蕎麦打ち (11)

2006-06-17 | 蕎麦打ち
なぜ蕎麦は1本の断面が、切り面の方が長い縦長方形なのか。
その理由は、片倉さんの蕎麦について網羅的に詳細に書かれているはずの『手打そばの技術』の中に見いだすことができない。私が目にする他の蕎麦の書物にもない。

一方、井上明さんはウェブサイトで「切りべら」、「延しべら」について詳しく述べている。しかし、なぜ縦長方形なのかについては、「包丁がつくる断面は、0.1mmでも多い方がきりっとしたそばになる」と指摘しているにすぎない。しかも、縦長方形に切れば「きりっと」感じられるというが、それだけで私にはそのように感じられるとは到底思われない。

私は、蕎麦の断面を縦長方形にするには、次の2つの重大な理由があると考える。
① 延しの段階で蕎麦の上下面は、下の板とめん棒で固められてしまうので、延し面を切り面よりも広く切ると歯により強くあたり、硬質な感じになってしまう。
他方、切り面を広くすれば固められている面が少ないのでソフトな感触になる。だから、切り面を広くするのである。蕎麦の断面を縦長方形にする意味の1つはまさにここにある。

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