蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

新シーズンの始まり

2015-08-01 | '15SOBA

まずは、昨年の総括から始める。

前年度(2014年)のそばはひどいものだった。ソバを栽培して20数年になるが、最悪の年の1つである。試食以来、折に触れて原因を考えているが、今は、次の3点がその原因と考えている。①天候など自然条件。②腐葉土の投入不足。③前々年の種子を使用したこと。

 ①   昨年は自然条件が、ソバ栽培には適していなかったかもしれない。生育前半は問題なかった。というよりむしろ例年よりよかった。発芽も良好で、5週目頃までは、順調に生育していた。ところが8週目には、「実の入りが悪い」ことに一抹の不安を抱いた。さらに、倒伏が起こらなかったのも例年とは異なっていた。結果は、収量も少なかったし、味に至っては論外となってしまった。

 昨年が、ソバ栽培には不適であったのではないかと考えるには次の理由がある。

私の友達のNBさんは、この地で約3haの畑にソバを栽培している。彼は、「ソバがまともに収穫できたのは8月10日以前に播種したものだった」と言っている。この地の他の栽培者もそれと同じであったならば、私が播種したのは8月23日だから、いいソバが取れなかったのも当然かもしれない。ちなみに、この地の播種適期は、旧暦のお盆頃と言われている。

 私の地域には、本当に美味しい蕎麦を出してくれる名店がある。その御主人は、全国から自分の目にかなった選りすぐりのソバだけを入手し、自家製粉で提供している。そのご主人が、友達のNBさんのところに、いい玄ソバないか相談に来たそうである。こうした事実からも、昨年のソバは生育も収穫もままならなかったのではないかと思われる。

 ②   私は、美味いソバを収穫するのに適した「肥料」は、腐葉土を大量に投入することだと考えている。過去3年間で、福島原発の放射能の懸念から、2年間は未投入で、昨年は落葉を入れたものの、その量が少なかった。これも一つの原因と思われる。

 ③   昨年は、大失態を犯してしまっている。取っておいたはずの前年の播種用の種子が見つからなかった。やむを得ず前々年の種子を使った。これがいけなかったのかもしれない。(ちなみに、古い種子の発芽率は相当低下すると聞いていたが、そのようなことはなかった。)