野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

この時期に貴重なナツツバキ

2019年06月16日 10時07分48秒 | 

この時期に椿に似た白い花を開く貴重なナツツバキ。
一日花であるのも潔い。別名の沙羅双樹からは、平家物語の冒頭「祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必滅の 理をあらはす」が懐かしく思い出される。
外縁が細かに縮れた花弁も可愛い。
(2019-06 川崎市 路傍)




ナツツバキ
ナツツバキ(夏椿、沙羅[2]、学名:Stewartia pseudocamellia)は、ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。別名はシャラノキ(娑羅樹)。

仏教の聖樹であるフタバガキ科の娑羅樹(さらのき)に擬せられ、この名がついたといわれる。

特徴
原産地は日本から朝鮮半島南部にかけてであり、日本では宮城県以西の本州、四国、九州に自生し、よく栽培もされる。樹高は10m程度になる。樹皮は帯紅色でツルツルしており「サルスベリ」の別名もある(石川県など)。葉は楕円形で、長さ10cm程度。ツバキのように肉厚の光沢のある葉ではなく、秋には落葉する。

花期は6月~7月初旬である。花の大きさは直径5cm程度で、花びらは5枚で白く雄しべの花糸が黄色い。朝に開花し、夕方には落花する一日花である。

ナツツバキより花の小さいヒメシャラ(Stewartia monadelpha)も山地に自生し、栽培もされる。

ナツツバキ属(Stewartia)は東アジアと北アメリカに8種ほど分布する。



立ち姿の美しいシライトソウ

2019年06月16日 05時57分11秒 | 
高尾山の野草園で咲いていたシライトソウ。
その繊細な花の形と立ち姿に感動する。
ブラシノキとは桁違いだ。
「雪の筆」という属名はすばらしい。
外国でもこの花の繊細さがよく理解されたということなのだろう。
(2019-06 東京都 高尾山)




花の部分のアップをご覧いただこう。




シライトソウ
シライトソウ(白糸草、学名:Chionographis japonica (Willd.) Maxim.[1])は、シュロソウ科シライトソウ属の野生の多年草である。和名は糸屑を束ねたような花の姿に由来する[2][3]。属名(Chionographis)は雪の筆を意味する[3]。スウェーデンのカール・ツンベルクによる『日本植物誌(Flora Japonica)』(1784年)で、この種が世界に紹介された[3]。

特徴
根茎はごく短く、ときに小規模な株立ちになり、根生葉をロゼット状に地表に広げる[2]。その姿はややショウジョウバカマに似ている。葉は先がやや広くなったサジ型、深緑色でつやはあまりない。全体で3-14 cm、葉柄は不明瞭、先端はあまりとがらない。

花期は4-7月[3]。細長い花茎を直立させ、高さは15-50 cm程になる。花はその上の方から数-10数 cm程にわたってつき、その部分の花茎は白っぽくなる。それ以下の部分には間隔を開けて数枚の線状の苞がある。全体としては枝分かれのない穂状である。花は下から順に咲く[3]。

花は6枚の花被片、6本の雄しべ、1つの雌しべを含むがそのうちで4枚の花弁以外はごく小さくて花茎に密着する。4枚の花弁だけは1 cm前後、細い匙型で先端がやや幅広い。花弁は花茎に対して大きい角度をもって立つように着き、それ以外の花の部品は目立たないので、外見的には個々の花は見分けられず、花茎から多数の細長い花弁が立っているように見え、真っ白なビン洗いのブラシが立ったような不思議な姿を見せる。また、香りもよい。

果実は楕円形で3-4 mm、種子は長楕円形で2-3 mm。果実が成熟する頃には花茎も緑色になる。

花の細部、6本の花被片にうち4本が長い

ロゼット状の根生葉から長い花茎が直立する

分布
韓国と日本に分布する[3]。国内では秋田県以西の本州、四国、九州の山地に分布する[2]。

林縁などの木陰からやや日当たりのよい場所にも生える[3]。草丈のごく低い植物なので、背の高い草地には出ない。山村では定期的に草刈りをする林縁などで見かけることも多いが、人為的撹乱の強いところに出ることはない。

利用
その花の不思議な姿と涼しげな様子を愛でられ、茶花として好まれてきた。山野草として栽培されることがあるが、それほど普及していない。