フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
一緒に楽しんでくださると嬉しいです

恩師 増永弘昭 19

2006年07月11日 | 恩師 増永弘昭先生
先生が云った。「ああ、ああいうのは一種の天才です」

シュミッツ先生の講習会でジーンズの似合う
ステキな女性が受講していた。
曲目はフンメルのトリオ。
数え間違えたり、解らなくなったり、
ちょこっと愛嬌のあるミスをなさる。
照れている表情がまた、愛らしい。
だけれど、ビブラートのかけかたの変化がすごいのだ。
速い、遅い、深い、浅いを音楽の表情を作るのに
自在に使い分けている。
メロディが夢を見たり、喜んだり、悲しんだり、笑ったりしている。
心を動かす演奏というのはこういうものなんだなあ。
聞いている私が一緒に歌っているような感じにさえなる。

で、講習会終了後に「せんせー、あの人・・」
「ああ、ああいうのは一種の天才です」

お師匠様のその一言がずっと私の胸には残っています。