映画と音楽そして旅

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時には新しい映画も…

ハイ。ヌーン(映画「真昼の決闘」)

2005-06-28 06:19:55 | 映画音楽
 先日NHKのBSで放送された「アメリカ映画ベスト100」の中で、25位に映画1「真昼の決闘」の主題歌「ハイ。ヌーン」が入った。1952年頃に公開された古い映画だが、あの息づまるような緊迫感はいまだに忘れられない。
 舞台は西部の田舎町、保安官(ゲーリー・クーパー)に刑務所へぶち込まれた悪人が、刑期を終えて出所して保安官にお礼参りにやって来る…という知らせが入り、市民たちは恐怖に怯えていた。婚約者(グレース・ケリー)との結婚式を明日に控えた保安官は、市民に助力を求めるが後難を恐れる市民たちは誰も彼を助けようとしない。しかし対決の時は待ったなしで刻々と迫ってくる…といったような筋書きだったと思う。
 彼も保安官である前に1人の人間であり、結婚を控えて「死にたくない」という恐怖感と「悪人をやっつけねば…」という正義感の間で悩む…観客も我がことのように恐怖感を共有したという点で西部劇としては異色な感じを受けた。
 そんな不気味な雰囲気を盛り上げる上で重要な役割を果したたのが、主題歌「ハイ・ヌーン」だろう。
 恒例によって私のCD・BOXを覗いてみると「High noon」をテックス・リッターが歌っていた。
 オールド・フアンなら大抵は覚えているのが
    Do not forsake oh my darrin'  On this our wedding day
 という冒頭の歌詞だろう。
 このとき婚約者の女性は…悩みながらもラストの対決シーンで…婚約者を演じたグレース・ケリーは無名の新人だったが、この映画をきっかけに大女優への道を歩みモナコ王妃にまで登りつめたが、交通事故により他界したことは知られている。
 半世紀以上もたった現在でもこの曲が忘れられていないのは、数奇な運命を辿った女優グレース・ケリーに対するアメリカ国民の、惜別と鎮魂の気持ちが込められているのではないかと思う。
                                       たそがれ