映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

遥かなる山の呼び声(シェーン)

2005-06-23 00:01:27 | 映画音楽
 フオーク世代、ロカビリー世代などと言われますが、私はいわば「S盤世代]とでもいうのでしょうか。
 今からずいぶん昔の話ですが夜のラジオ放送で、「S盤アワー」という番組がありました。ラルフ・フラナガン楽団の「唄う風」がオープニング・テーマで、帆足まり子という女性が綺麗な声で日本ビクター・レコードの、新譜紹介や甘いトークを囁いていました。
 当時はまさに空前のジャズ・ポピュラー・ブームで、[想い出のワルツ」を唄って雪村いずみがデビューしたのもこの番組でした。とても新鮮なイメージで登場した彼女の第二作は、映画「シェーン」の主題歌日本盤でしたが、映画とともにレコードも大ヒットして歌手としての地位を不動のものとしました。
 この映画は西部劇でありながら、そこにはインディアンも騎兵隊も登場せず、熱烈なラヴ・ストりーが展開する訳でもなく、緑に包まれたワイオミングの自然を背景に、繰りひろげられる人間味豊かな物語です。さすらいのガンマンと牧場主との男同士の友情 彼に憧れる少年との心の交流、そして牧場主の妻へのほのかな愛と思慕の気持ち、見せ場はやはり決闘での早撃ちと、少年との別れのラスト・シーンでした。
 この映画で私はシェーン役のアラン・ラッドもさることながら、むしろ控えめで家庭的な妻役のジーン・アーサーに惹かれました。彼女は1930年代に「歴史は夜作られる」などで活躍していた女優で、20年ぶりのカム・バックでした。また音楽のヴィクター・ヤングはこの作品をはじめ、多数の映画音楽を生んだ名作曲家として、映画音楽史上に永久に名を残すことになりました。
 映画が公開されたのは1953年、封切りが見たくてわざわざ京都まで汽車に乗って観に行きました。
 いずみの歌う「遥かなる山の呼び声」の歌詞の一節… ちょっと唄って見て下さい…
   「青いたそがれ 山は招くよ 呼んでいるよ  広い草原に 陽は落ちて…」
 出てきたぞ!「たそがれ」が… もっとほかにもあるよー(前号にもあるよー)
   「たそがれの銀座 大通り…」「たそがれのともしびは ほのかにともりて…」(お年がバレバレ)
歌詞は知らないがウエスタンで「たそがれのワルツ」〔これ菅原洋一「知りたくないの」の原曲と違う?)それからポピユラーで「トワイライト」 誰か止めてー。
 尚、私が以前から持っているCDは「The Call Of the Far-away Hills] (V・Young)でした。勿論
総本家ヴィクター・ヤング・オーケストラの演奏です。ほかに輸入盤でヴォーカル盤も発売されていましたが、歌手の名は覚えていません。ご存知の方お教え下さい。
 いずれにしても私の十代初期を鮮やかに彩ってくれた、永久に忘れられない名曲の一つでした。
                                       たそがれ