ハイ。ヌーン(映画「真昼の決闘」)

 先日NHKのBSで放送された「アメリカ映画ベスト100」の中で、25位に映画1「真昼の決闘」の主題歌「ハイ。ヌーン」が入った。1952年頃に公開された古い映画だが、あの息づまるような緊迫感はいまだに忘れられない。
 舞台は西部の田舎町、保安官(ゲーリー・クーパー)に刑務所へぶち込まれた悪人が、刑期を終えて出所して保安官にお礼参りにやって来る…という知らせが入り、市民たちは恐怖に怯えていた。婚約者(グレース・ケリー)との結婚式を明日に控えた保安官は、市民に助力を求めるが後難を恐れる市民たちは誰も彼を助けようとしない。しかし対決の時は待ったなしで刻々と迫ってくる…といったような筋書きだったと思う。
 彼も保安官である前に1人の人間であり、結婚を控えて「死にたくない」という恐怖感と「悪人をやっつけねば…」という正義感の間で悩む…観客も我がことのように恐怖感を共有したという点で西部劇としては異色な感じを受けた。
 そんな不気味な雰囲気を盛り上げる上で重要な役割を果したたのが、主題歌「ハイ・ヌーン」だろう。
 恒例によって私のCD・BOXを覗いてみると「High noon」をテックス・リッターが歌っていた。
 オールド・フアンなら大抵は覚えているのが
    Do not forsake oh my darrin'  On this our wedding day
 という冒頭の歌詞だろう。
 このとき婚約者の女性は…悩みながらもラストの対決シーンで…婚約者を演じたグレース・ケリーは無名の新人だったが、この映画をきっかけに大女優への道を歩みモナコ王妃にまで登りつめたが、交通事故により他界したことは知られている。
 半世紀以上もたった現在でもこの曲が忘れられていないのは、数奇な運命を辿った女優グレース・ケリーに対するアメリカ国民の、惜別と鎮魂の気持ちが込められているのではないかと思う。
                                       たそがれ



 

コメント ( 3 ) | Trackback ( 1 )
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コメント
 
 
 
毎日懐かしい思いをさせて頂いています。 (アスカパパ)
2005-10-10 12:01:18
「ハイ・ヌーン」、いいですねぇ。『真昼の決闘』TBさせていただきました。

西部劇では、一、二を争う名作『真昼の決闘』も、何度も観ている映画です。

たそがれさんの何時もながらの率直な文章を拝見して、「その通り」と相づちを打っています。

後半、グレース・ケリーが登場するに及んで懐かしさが倍増しました。

彼女に一目惚れ(笑)した私はその後彼女を追い続けたものです。『モガンボ』『緑の火・エメラルド』『泥棒成金』『トコリの橋』『ダイヤルMを廻せ!』『喝采』『裏窓』『白鳥』『上流社会』と。

モナコ王妃になった時の寂しさ。不幸な死を遂げた時の哀しみ。今も新たです。

そうか、確かに「ハイ・ヌーン」は、彼女に対する米国民のレクイエムかも知れませんね。

 
 
 
少し異質の西部劇 (たそがれ)
2005-10-10 14:41:02
 西部劇ではこれが最優秀だと…私の独断です…思います。でも悪漢を恐がる保安官なんて…という意見もあったとかですね。G・ケリーの映画は沢山見られてますね。

 私は「真昼…」一本限りです。追い駆けるには、先立つものが淋しくて…と言うのが真実です。

 でも最近はビデオやDVDのおかげで、若い方が古い映画を、結構観ていられるのですよ。

 私たちも見損なった旧作を観られますし、いい時代ですね。頑張って見ましょう。又よろしく
 
 
 
クーパーに男も惚れる (クーパー大好きな年寄です)
2015-11-25 11:26:21
真昼の決闘この映画は、エポックメーキングな作品と評論家が言っていたような気がする。この作品はリアルでした。私は自分でも変わっているなと思うのは、敵をバッタバッタと倒すような保安官よりも、苦渋に満ちた表情のクーパーが、真昼の町を、額の汗をぬぐいながら歩いて仲間を募る保安官役に、誰もしり込みして助けてくれない。単なる弱い保安官ではなく、責任感もある。この役柄のクーパーが大好きでした。「平原児」のクーパーはカッコ良かった。美男子で昭和初期の俳優でも、クーパーの美男子は際立っていると思う。原節子と司洋子の映画で、原節子が「その人クーパーに似ているの」というシーンがあったが、当時の日本女性のあこがれの人だったのではないでしょうか。クーパーの映画は「ヨーク軍曹」「モロッコ」「武器よさらば」「誰が為に鐘は鳴る」など多くの作品を観た。彼は社会派の作品から、西部劇、軍人役、海の男、恋愛物と何でも器用に演じた稀有な俳優だと思う。やはり真昼の決闘のクーパーが好きである。
このような俳優はもう出てこないのではないだろうかと私は思っている。
まだ観ていない作品も多い。DVDで発売されることを望んでいます。
 
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真昼の決闘 (アスカ・スタジアム)
 この映画の見所はいくつかある。保安官も恐怖心を持つ一人の人間として描いていること。進行する時計の針に連動してリアルタイムに物語が進行するその緊迫感。決闘シーンを最後の数分間に凝縮したことから来る盛り上がり。要所に流れる印象深い主題歌などだ。  タイトル