映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

魅惑の宵 (映画「南太平洋」)

2005-06-26 00:58:13 | 映画音楽
 私が「映画音楽」をテーマにをブログつくりを始めた日、偶然のことだがNHK衛星放送で「AFI(アメリカ映画協会)が選んだ、アメリカ映画音楽ベスト100」という番組が放送された。大いに心が動いたが後で見るつもりでビデオに録画してそのままブログ作り続けた。
 録画中ちょつとだけ覗いて見たらジーン・ケリーが、雨の中で傘をさして踊るシーン…勿論「雨に唄えば」だ。
ちょうど梅雨時期だし定番の曲だが一向に降りそうもない空模様に、投稿のタイミングを失ったまま現在に至っている。1週間ほどしてからこの番組のビデオを見た。取り上げられた曲は、私たち世代から見ると殆どが1970-90年代の、割合と新しい曲ばかりだった。
 気になる第一位はなんと私がブログで取り上げた「虹を越えて」で、J・ガーランドの名曲が今でもアメリカ人の心の歌になっていることを知って嬉しくなった。また私が対象にしている曲は全体からいうと僅かで私のブログが、テレビ放送の二番煎じになる可能性は少なくなった。
 
さて、この映画「南太平洋」の主題曲「魅惑の宵」が100曲中の28位になった。この映画が製作されたのは1957年、日本公開1959年、不思議なことに私たち年代が主題曲の「魅惑の宵」という曲をを知ったのは、映画封切よりずーっと早い1953年だ。
 「魅惑の宵」「バリ・ハイ」などの主題曲は、当初はブロードウエイの舞台劇に挿入され,好評のため数年間の超ロングランを行ない一年前の前売り券が売り切れたといわれる。日本でこの曲が受けたのは当時は日本にわんさといたアメリカ駐留軍の影響がが大きいと思う。
 その頃我が国の電波事情はFEN(米駐留軍極東放送)が、高出力の電波を使って将兵向けに放送を流していた。その強力な電波に私たちの安物ラジオは圧倒された。米ソ冷戦を反映して北のモスクワ放送、西からは北京放送…仕方なく米軍向け放送を聞いていて、しばしば耳にするのが「魅惑の宵」だった。
 マントヴァーニ・オーケストラの演奏する南国の、甘く開放的でロマンチックなムードに思わず惹きこまれていった。
 当時の私のアイドルはデビー・レイノルズだったが、この映画の主演女優ミッチー・ゲイナーがもう少し早く登場していたらアイドルの座は彼女だったかも判らない。ロッサノ・ブラッツイはイタリー人なのにイギリス映画「旅情」に出てみたり、どちらかいえば欧米系映画のほうが多いようだ。
 
私のCD・BoXを開けてみると「魅惑の宵」を世に送り出したマントヴァーニ・オーケストラのCDは、この
[Some Enchanted Evening]のほか前記の映画「旅情」の主題歌「ヴェニスの夏の日」など映画主題曲が数曲、そして「イタリアン・フアンタジア」として「オ・ソレ・ミオ」などの名曲がズラリ…ムード・ミュージックの王者にふさわしいヴォリュームで収録されている。
また別のCDだが懐かしの「ジャズ・スクリーンテーマ」の中に「バリ・ハイ」をS盤アワー華やかなりし頃に活躍したペリー・コモが唄っている。
 「South Pacific]に浮かぶというハワイとタヒチを足したような架空の島、夢の楽園「バリ・ハイ島」で繰りひろげられる物語だが、私が知っている最後のミュージカル映画かも知れない。