ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

糸の力、色の力

2016-11-06 16:08:07 | 美を巡る
161102.thu.



例えば、葉先を伝うひと雫まで、
この方はひとつのいのちとして織り込むのだ。



宇宙の塵も降る雪も湖面の漣も、
朱に染まる夕空や、稔りの穂先、若木を縫い飛ぶ風さえ、
確かにここに、目の前に在る。

襤褸は母衣。
糸の力、色の力に圧される。
余計な言葉は要らない

染織とともに生きてこられた壮大な軌跡の一端を、
垣間見られた喜び。
そんな気持ちで充たされる展覧会です。



「母衣(ぼろ)への回帰 志村ふくみ展」世田谷美術館にて。11月6日まで。

 

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