いろいろとありがとさん

楽しく嬉しくハッピーに感謝して暮らすために

基準値の惑わし

2008-03-03 | 医療
女性の場合、身体の準備が充分でないと、妊娠しずらいようです。
だから不妊治療のアプローチの一つに栄養問題は重要だと思います。
ところが、なかなか栄養状態を血液検査で見抜けないのが問題です。

生理不順や無月経などの生理に関する問題の原因に栄養不足が、
かなり関わっていると思います。それを見つけるには、どうも今の
血液検査の読み方では、難しいようです。
多くの医療機関や健診機関では、血液検査は基準値というものによって、
判断されています。ところが、この基準値問題なのです。
実は、この基準値、各検査会社が自社の職員をボランティアとして決定して
いるそうですが、そのボランティアの選出が、ただ単に『現在病気治療中や
服薬中』の方を除いただけだと聞きました。
つまり、病気でない=健康という定義に基づいて、この基準値が作られて
いるようなのです。
ということは、この基準値の中には、病気とはいわれていないし、
薬も飲んでいないんだけど、身体の具合がよくはない方や、その後
すぐに病気を発症するかもしれない方など病気の予備軍の方が
含まれている可能性が充分考えられます。

ですから、病気の元になる栄養障害を早期に見つけるためには、基準値の
下限の値をもっと高く設定した理想値を設けて、評価する必要があります。

身体の調子が悪いのに、病院に行っても血液検査ではどうもないと言われる。
こうゆう方は結構いらっしゃると思います。
実は、そうゆう方の中に栄養障害が隠れている可能性は高いんじゃないかと
思います。

基準値で安心しすぎないようにしましょう。
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野生の力

2008-02-28 | 医療
我々、人間も元をたどれば、猿だったわけです。
そしてその以前は、海の中で暮らしていたわけです。
その名残りは受精卵から胎児になる過程を観察すると
よく分かります。妊娠初期には一見魚類のような形を
しています。海水に非常に近い羊水の中で、進化の
過程を登っていきます。

我々の身体には、そういった進化の過程が刻まれています。
ということは、絶滅と背中合わせだった時期も当然あった
と思います。しかし様々な試練を、自分の力と偶然の力
によって乗り越えてきた人類です。
少々なことでは、負けない野生の力は培われてきている
はずです。
その代わり、自分の身体は自分で守る責任も持っている
はずです。
医療は善とばかりは限りません。
人間の持つ自然の力、野生の力が発揮されるのを、邪魔して
いる場合もあります。
となると、必要なことは、もっと、自分の中の野生を信じる
ことではないでしょうか。
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血圧治療

2008-02-14 | 医療
今日は高血圧の勉強会がありました。

血圧が高い場合、医師はそれをちゃんと吟味しているか。
今日の内容は循環器出身である自分への自問でもありました。
どうして血圧が高くなったのか?
の吟味には、体格、生活様式、食生活、ストレスなど多くの
情報を基に行わなければなりません。
勤務医時代は、数十名の外来の待ち患者さんに対応するため
お一人お一人に充分な時間を割くことができず、吟味もそこそこに
降圧剤を処方してしまうことがありましたね。
そうゆう診療を続けたくなかったので、独立開業して、お一人に
充分な時間をかける診療スタイルにこだわっているわけです。

おそらく、そういった吟味を充分やれば、降圧剤の多くは必要ない
と思われます。となると、経済的にも身体的にも楽になるのです。
おそらく、そうゆう診療を、多くの先生方は望んでいるのですが、
駆り立てられるような今の診療・医療制度の中では、やりたくても
やれないのが現状です。

血圧が高くなるのは理由があるはずです。
年だから高いというのでは理由になりません。
ただ、高いから薬で抑えるのではなく、なぜ高いのかを充分吟味して
もらって納得して薬を飲める診療の姿が当たり前になるような医療の
実現を目指して、頑張ろう!と、今日の内野先生の勉強会に参加して
気持ちを新たにいたしました。
いつもながら、またまた、内野先生ありがとう。


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病いに立ち向かう主役

2007-10-14 | 医療
病いに立ち向かう主役が本人でない場合が結構あります。

言葉は悪いですが、主役とは形ばかりでほとんど
操り人形の状態の方が結構多いような気がします。
その傾向はどうも男性に強いようですね。
言われるがままに動いてしまう。ほとんど口を挟むことなく
奥様と医者の間で方針が決まっていく。
あまり面倒なことは考えたくない。お任せにしたいという
気持ちも分からないではありませんが、
うまくいく時はそれでもよいのですが
うまくかない時には恨みや後悔につながるので
本人が主役として自覚を持つことが大切だと思います。

ご本人が治ろうという気持ちがなければ治りません。
ですから自分の事、将来の事は自分で選択して
自分で決めてもらうことが病いに立ち向かう時には
必要です。
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医療の形

2007-10-10 | 医療
昨日に引き続いてK塾に参加して
体の仕組みを、熱心な皆さんと勉強中です。

受講生は、数名の医師を含む医療関係者、鍼灸師さん、
理学療法士さん、家庭の主婦の方などいろんな職業の方々です。
病にかかり、それをこの学問で癒され方もたくさんいらっしゃいます。
立場は皆さん違うのですが、この分子整合栄養学と
K先生の人柄に魅了されて、志を同じくする者ばかりです。

今の医療の形は、医者を代表とする治す側と患者さんのように
治される側の二極化で成り立っています。
この形は誰も不思議にも感じないかもしれませんが、
これは、はたして理想の形なのでしょうか?

今日の熱心な同志の皆さんが勉強する様子を見て、
親が子を育て、その子がまた親になりその子を育てるように
病を克服された方が、今度は、その病いに苦しむ別の方を導くような
循環型の医療システムは、うまい具合にスーパーバイズさえすれば
すばらしい医療の形になるのではないかなと感じました。

まさしく
今回のK塾での、臨床生化学・臨床生理学・臨床薬理学の
勉強が知識を強固なものにスーパーバイズされる必要なプロセス
だと思います。

今回の皆さんの熱心な力を合わせて
本当に役に立ついい医療の形を作りましょう。
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OECD ヘルスデータ2007

2007-10-03 | 医療
今年の夏にOECD加盟国の医療データが発表されました。
OECD(経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に
日・米を含め30ヶ国の先進国が加盟する国際機関です。
ですからお金をもっている先進国のデータです。

そのデータから日本の医療像が浮き彫りにされ、
色々と考えさせられました。

多くの皆さんがCT検査を受けたことがあると思います。
この検査は諸外国ではどうだろうかと考えたことがありますか?
CTやMRIは医療の中でも高額医療なのです。
日本の皆さんはCTが高いというイメージはないと思います。
これは、日本が国民皆保険で、9割~7割が保険で援助されて
いるからなのです。

では実際の設置台数の比較をご覧下さい。
CT設置台数(対人口百万)
日本:92.6台 英国:7.5台 米国:32.2台 仏国:7.5台
なんと日本はずば抜けて設置台数の多い国なのです。
米国の人口は日本の2倍です。それなのに設置台数は3分の1.
ということは日本には総数でも、米国にある以上のCTがあるのです。

これはどうして?と考えますよね。
日本は恵まれていると考えますか?
それとも日本は不必要に検査しているのではないか?と
考えますか?
日本では受ける方は保険で安くできるので受けやすい。
検査する方もやればやるだけ点数となって収入になりますから
やりやすいのです。

このCTの検査のおかげで日本の医療は米国を越えているでしょうか?
この台数の差に見合うだけのすばらしい世界最高のものがある
でしょうか?
いずれも疑問です。

ちなみにMRI設置数も(対人口百万)
日本:40.1台 英国:5.1台 米国:26.6台 仏国:4.7台
とこちらも世界最高です。

なにか日本の医療のもやもやしたものを感じさせるデータでした。
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医師の働き方

2007-10-01 | 医療
今、私は診療所の院長をしながら、開院前に常勤でした
勤務先の病院で医局長を兼任するという二束のわらじ中です。
医局長としては、月火木の午前中に非常勤勤務をしています。
診療所が自由診療で完全予約制なので、可能となった勤務体制です。

以前から、医師の働き方について考えています。
医師は医療技術や知識がさび付かないようするためには
常に磨きをかけることが必要です。
この磨きのことを我々は研修といいます。
でも一人一人の医師が多くの患者さんを抱えている状態で、
自由にこういった研修ができる医師はほとんど皆無ではないかと思います。

理想を言えば
折々に充分研修ができるような働き方ができれば嬉しいですね。
それは、研修によって充分磨きがかかることばかりではなく、
医師がいい精神状態におかれ、よりよい診療に結びつけられるからです。
どんな仕事でも忙し過ぎれば、人に対する配慮が不足してきます。

具体的には
医師には1年に3ヶ月ほど、勤務とは別に研修ができる期間を
創り出せれば最高だと思います。
医師は他の医師の診療を見る機会は、わずかに研修医といわれる
若いときの一時期に限られています。
他の医師のいい点をどんどん吸収して、自分の診療の質を上げる
こんな研修を重ねていきたいですね。

そのためには
他の医師が研修で不在の医師の分の仕事をカバーできる体制
一人一人の医師が、その余裕を創り出せる体制が必要です。
皆さんには、それは贅沢だと言われるかもしれませんが
医師がいつもぎりぎりの状態で仕事をしていることが
あまり世間様に分からないからかもしれません。

医師は一生仕事です。
医師を生かすも殺すも、この働き方次第だと思います。
私も、同志の医師を集めて、余裕のある働き方を構築したい
と考えています。

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保健師

2007-09-24 | 医療
みなさん保健師さんの仕事を知っていますか?
看護師さんとの違いがわかりますか?

準看護師38万人、看護師81万人に比べて保健師の数は4万人です。
数もそうですが、80%近い方が保健所や市町村で働いているので
我々医師でもあまり接触のない業種なのです。

業務は、看護師の仕事が主に病気の人が回復する過程を援助することである
のに対して、保健師の仕事は主に住民の健康を守ること,
予防活動を基本に生活を支援することです。

保健師になるには、看護師の国家試験を取得していることが条件です。
ですから保健師は看護の知識をもち、さらに保健の知識を有するわけです。

看護?保健?どう違うのという方のために説明しますと、
簡単にいうと、看護は、病気から対象者をみていきます。
こういう病気の人にはこういう手助けという具合です。

一方、保健は病気ではなく,その人の生活をみていきます。
地域で健康に暮らしていけるように手助けをしていくわけです。
対象者はほとんどが健康な人で、病気にならないように予防したり、
さらに生活を向上させるための健康増進活動を行います。

だから看護師と保健師は同じ医療職でありながら
まったく視点が異なるのです。

このように、保健師には、予防医療における担い手として、
重要な働きが期待されるわけですが、残念ながら、ほとんど行政の中に
封じ込められている状態(それ以外での就職口が少ないため)です。
これでは、「予防は国や市町村がしてくれるもの」という誤った意識を
ますます助長するのではないでしょうか。

多くの診療所が疾患を中心とした医療を展開している中で、
予防医療を中心に考えている医療はまだ非常に少ないですが、
この保健師の持つ能力を最大限に活用できる予防医療診療所のシステムを
玄米クリニックは考えていきたいと思います。

病気を治すことよりもどう心豊かに暮らしていくかの提案が
できるようでありたいと思います。
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特定健診

2007-09-21 | 医療
来年4月から新しい健診制度が始まります。

要は年々増加する医療費を抑制するために
メタボリックシンドロームの是正を目的に
特に指導に力点をおいたものになります。

大歓迎です。
これで予防医学に弾みがつくことを望んでいます。
今の医療の仕組みは疾患を中心に構築されています。
いかに病気にならないようにするかを考える予防医療が
二の次におかれている現状はどうにかしなければなりません。

今回の制度の改訂では
40歳以上の被保険者だけではなくその被扶養者まで
カバーされます。これで裾野が大幅に広がります。
今まで受けっぱなしで、指導が充分でなかったのが
健診結果に基づき受診者を階層化し、それぞれに合った
保健指導を実施することになっています。
今後疾患への発展が予想される人に対しては
積極的支援という実りを期待した指導が個別に入ります。

まだまだ未成熟かもしれませんが
成果を期待したいと思います。

予防医療は、利用者が主役にならなければ意味がありません。
人々の「病気は医者が治すもの。予防は国がしてくれるもの」
という人任せの医療は、けっしてよい結果を招きません。
利用者が主体となる新しいシステムの構築が必要です。
さて、この制度が新しい流れの起爆剤となり、予防医療の
認識が上がることを期待しています。
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いい雰囲気

2007-08-11 | 医療
今日の沖縄地方は大荒れの天気でした。
そんな中、熊本から後輩が尋ねてくれました。

「いい雰囲気の診療所ですね」と嬉しい感想をもらいました。

自分でいうのも何ですが、
本当に居心地がいいところになっています。
ワンフロアで広い空間が全て見渡せます。
壁一面の広い窓の外の公園の緑に包まれて
ゆったりとした空気が流れています。

診察時間が長いので短い人でも約一時間
過ごしていただくところですが
来られたときのやや緊張したお顔が、
帰るときには穏やかになり、ゆったりとした表情に
変わっていると受付をしている事務長が
これまた嬉しい報告をしてくれます。

JAZZの調べにのせて、ゆっくりと時間の流れるところです。
開院時に揃えたり頂いたりした観葉植物もこの場に馴染み
手前味噌でお恥ずかしいのですが、ほんとうにいい雰囲気
のところになりました。

この診療所では
あわただしさと騒々しさという医療機関の
イメージを払拭したかったのですが
なんとかうまくいったみたいです。
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