※ここから野試合ばっかりしていた私はとても大会の別な人への記憶が怪しいものとなっております。
※回想は表情からの想像です
2回戦第一試合。
ス丸vsエスポワール
ス丸は1回戦でチャバネを狩るという偉大な行為を成し遂げている。
「くたびれきってやがる」
一見してそう思った。
くだらない話をしよう。
私がテレビを見ることは少ない。しかし数年前テレビ番組を見ていると、水泳の金メダリスト、北島康介を含む何人かが神妙に着席している。
「ゴール直前になるとゴールに必要なエネルギーだけを使うようになってしまい、本気を出し切れなくなりタイムを落とす」
その問題とどう戦うか、というのをトレーナーが説教するシーンだった。
「お、おい、どうなっちまうんだよ」
興味津々で2つに割って適度に冷えた大判焼き・クリームを
――私はバーチャロン界最強を自負する猫舌だ 吉野家で病院送りになりそうになったほどだ――
口に入れようとして
ガンガンガン
「宅急便でーす」
ガンガンガンガン
「宅急便でーす」
なんだよ・・・・
戻ってくる頃には、番組は終わっていたのである。
「マジかよ」
マジだよ、俺。
彼はチャバネという不退転を倒す事により、ゴールに大幅に近づいてしまった・・・そう考えられないだろうか?
あるいは、トーナメント中のバーンアウト(燃え尽き)症候群。
スラムダンクの山王戦ようだ。
「押せば倒れる」
油断ではない。
今日はレーザーもネットも出ないうちにキャンセルするほどの乱れた精神状態ではない。
プロテインも会場で十分に摂取しきれる量を補完し、既に3回取っている。
(ここではソイだ。カゼインは九州のスーパーで入手しづらい)
ジェスターのごもっともなアナウンスがある。
「さて去年エスポワールはス丸にやられていますが・・・」
(ス丸のライフは0だ)
私は賑やかな会場とは裏腹に、寂しかったのである。
ス丸はパーフェクトに散った。
かげろうの成虫は、消化器官を持たない。
必要無いからだ。成虫になったら、すぐ死ぬだけだ。
私はス丸の散り方を見て、晩秋の杉並木の木漏れ日を舞うかげろうを思い出さずには居られなかったのである。
そしてまた、このリーグを抜ける頃に、同じ目に会うだろうと。
私は宅急便により、それ用の対策を得られていない。
準備が出来ていないモノは、運が助けてくれないモノだ。
次々と戦いは消化されていく。
特攻兵は生き残った。二号店も生き残った。ニーナ元帥も生き残った。ビタCも生き残った。
谷BT VS BANG-Mはキッチリと谷氏が勝つのである。
エルムも女性・・プレイヤーに一切の迷いはない。
続く
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