たくさんの古い写真を見返す機会があった
どこに仕舞ったかすっかり忘れていた写真
何気ない風景
木々、花、空、水
どれも他愛のない日常的な美しさ
それがあの頃のわたしの求めるものだった
自分があの頃、何を見て、何に触れ、
何に心を動かされてシャッターを切ったのか
それを客観的に見られるくらいには時間が経った
それでも
あの頃のわたしの胸のうちを思うと
少しだけ
今でも苦しくなる
あの頃のわたしの疲れ切って粉々になった心ごと
抱きしめて頭を撫でてあげられたらいい
だけど
あの頃のわたしにかけてあげたい言葉は
今のわたしにはまだ見つからない