変化が来る

変化が来る
それを面倒臭い思い込んでいたけれど
いざやって来ると分かったら
楽しさしかないことに気づいた

ああ、
変化があることがこんなにも好きで
愛おしいほどワクワクしてしまう
そんな自分を思い出す

初めての街
初めての旅程
初めての挑戦
ほんの少しの勇気で
こんなにも新鮮な気持ちになれる

変化が来る
変化を呼ぶ
変化を起こす
変化へ向かう
小さな変化だけれど
それだけで毎日は小さな冒険だから
いつだって子供みたいに自由になれる

荷造り

最小限の荷物を
小さなトランクに押し込んで
蓋を閉めたら
それだけで前向きな気分になる

何か、が始まるときの
エンジンをかける前の車の中のような
あの静寂が
私に力をくれる
わくわくすることで
私の中の動力を思い出すことができる

状況より時間より
心の準備さえできたら
いつだって自由になれるのだ

知己朋友

あなたのイメージ、
と友人が開いてくれたページ。
その言葉を素直に受け取れるほど
オープンな心ではないけれど
そう感じてくれる人がいることを
そっと素直に
喜ぶくらいはしてもいいよね。

あんまり思い出さなくなった

兄弟みたいな友達のこと
前みたいに頻繁には
思い出さなくなった
ほんの少し
さびしい気もする

今日は満月
彼はきっと見ていないな

ジョバンニの切符には行き先がない

戻ることもできるし
どこへも行かないことも
どこへ行くこともできる

どこかへ
行くんだろうな
そういう予感

光

それは
人の形をした光
それは
セントエルモの火のような
それは
離れたまま輝き続ける星々

邂逅

私の欲しいものを
惜しみなくくれる人に
再会できた偶然に感謝した一日

遠くから私の姿を見つけて
大声で名前を呼んで
駆け寄ってきてくれた
その表情を見たとき
自分の顔がほころぶのがわかって
私も駆け寄った
言葉で上手く言えなくても
伝わるのだ
まばゆい光のような
その姿を見ただけで
自分の心まで浄化されるような
そんな再会

笑ってくれる？

『愛について開きたい扉があれば、
今週、思いきり叩くか、
押してみるといいと思います』
という占いを見て
思い当たるものはなかったけれど
少し考えてみてから
きみのことだといいな、
笑ってくれたらいいな、
なんて思ったんだよ
関係性という土の上に
やわらかな雨と光が注いで
小さな緑の葉がたくさん芽吹くような
そんなイメージ

夜の祈り

夜に流れ星を見た
黒い夜空に一筋すぅーっと
穏やかな速さで飛んでいくそれは
気流に乗った翼のように
白く遠くで輝いていて
私の横で星に祈る人の
目を閉じた横顔は
同じように自然な美しさだった
ただ自然であるだけで
何もかもがこんなにも美しく
静かに輝くのなら
世界はずっと夜でもいい
私はそんな世界に生きたい
私はそんな世界が欲しい

今の一手

あの日、あの時、
ああすべきじゃなかった、
ああすればよかったのに、
そう考えて
チェスや将棋の
数手前の指し間違いを悔やむような
そこに戻れたらと切望するような
そんな気持ちになることがある

やり直しはきかないけれど
挽回のきく一手もある
周りの状況によって
意味合いを変える一手もある
今、この瞬間も
未来につながる大事な一手なのだ

ワイパーに黄色の切れ端

フロントガラスの外のワイパーに
挟まっている薄黄色の違反切符みたいな小さな切れ端が
前からの強い風ではためいて
飛んでゆきそうなのに外れなくて
でも少し千切れてバラバラになりそうで
じっと見ていたら実は触角が生えていて
そのすぐそばに黒い眼もついていたから
死んだ蝶だとわかった
蝶は飛べないままはためいて
陽射しと風に耐えて
一緒にどこまで行くんだろう

Decision

人に頼りにされている、という実感は
嬉しさと自信の無さが背中合わせで
そのとき自分がどんな顔をしているか
いつも把握できずにいる

私に質問をしていた彼女は
dicision という言葉を何度も使って
なぜだかその単語が耳に残った
耳に残るというのは
頭に残るということ
頭に残るというのは
心に残るということ