あの人と一緒にいた頃
夜、明かりを消して真っ暗な部屋で
ベッドに入ってから眠るまでに
いつも色々な話をした
最近こんなことを考えているとか
今日こんなことに気づいたとか
心の中の話をたくさんして
安心して眠った
会話がきちんとできていないことなんて
余程忙しいときしかなくて
そんなときはいつも決まって
あの人の方から
少しお話しようか、と
言ってくれた
その優しい言葉を聞くと
私はいつも安心で
あの人と離れた後も
いつかまた
誰かと
そんな日が来るのだと思っていた
けれど
あの人はいなくて
そんな日はもうない
眠る前に
明かりを消したベッドの上で
語られなくなった言葉は
どこへ行くんだろう