たびにでるたび

***旅に出るたび **胸につもる何かを *ほんの少し、眠る前に

ティーカップの湯気

2024-01-17 18:42:38 | Weblog

お茶を淹れて、

カップのふちから溢れる湯気が

まっすぐ立ち上っていた

風が、空気のゆらぎがないのだ

ふっと息を吹きかけると湯気は

たくさんの曲線を描くように形を変え

またまっすぐに戻った

そんな些細なことを

じっと見る心と時間の余裕があることに気づく

窓の外に来る鳥を観察する

葉が揺れるのを見る

軒から雨垂れが落ちるのに目をやる

身の回りの世界の美しい細部を

普段どれほど見落としていることだろう

それらこそが世界そのもので

生きることそのものだというのに