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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

いのちのリスクに備えた設計

2015-04-26 23:42:01 | ビジネス

部屋にいると、何かが倒れる衝撃音がしました。音の出所は、出てきたばかりのバスルームです。

脱衣所からドアを開けようとすると、つっかえ棒があるような感覚でびくともしません。

そうです。内側の浴槽パネルが外れ、前に倒れたことで、まさにドアのつっかえになっているのです。そんなに古い住宅でもないのに、何ということでしょう。しかも世の中はGW前。簡単に修理は来てくれるのか。っていうか、自分にもGWには出かける予定があります。トイレに入れないよりはましとはいえ、GWまで毎日片道徒歩15分かけてスポーツクラブに通うのか。いや、ここは会員であることを幸運と思うべきかと、いろいろなことを考え、途方に暮れました。

しかし、落ち着いて冷静に考えると、何か方法があるはずです。早速ネットで調べると、やはり最近のドアは簡単に脱衣所側から取り外せると書いてあります。

実際、簡単に取り外せました。とりあえず、浴槽パネルは応急措置をして、ドアを開けておくという原始的な方法でその場しのぎ。最悪、しばらくシャワーのみで仕方ありません。真冬でなくてよかったです。

そもそも何を想定して、工具を使うことなく、誰でもすぐにドアが外せるようになっているのでしょうか。書かれていることを読んでみれば、なるほどそうだなと思いました。

人が突然倒れるリスクが高い場所の一つに、浴室があることはよく知られています。ようするに、倒れた人が浴槽パネルのようにつっかえになり、ドアが開かなくなるリスクが非常に高いらしいのです。

いのちのリスクに備える設計というわけです。

最近のドアは取り外せる、ってことは、昔は結構人がつっかえていたのかもしれません。商品開発が進化し、知恵が蓄積され、商品そのものの安全を追究することにとどまらず、外からの衝撃によるリスクに備える設計になったということでしょう。こういうきめ細かな設計は、大切なことです。

さて、肝心の浴槽パネルですが、別に壊れたわけではなく、排水溝の掃除をしたときに、正しく戻さなかったのが原因だと言われました。排水溝の備品がパネルのつっかえの機能を持っているそう。確かにいつも取扱説明書を見ずに適当に取り外しをしているので、前回に限って、ちゃんとできていなかったのでしょう。

「ドアの取り外しをご自分でできたのですから、パネルの取り付けもできると思います」と、管理センターの人。もっともです。自分でできました。


BS朝日の不可解なインフォメーション

2015-04-24 00:30:36 | コンテンツ

Yahoo!トップに【BS朝日 錦織戦生中継できず】というニュースがあがっていました。

何を言っているのだろう、あるいは何をもって、本気で生中継ができると思っていたのだろうと、不思議に思っている国際テニス観戦のコアなファンも多かったのではないでしょうか。今、錦織圭が出場しているバルセロナオープンは、平日午前中開始の国際映像は流していません。自分たちでカメラを持ち込み(もちろんそういう契約を結び)、独自でLIVE中継をしない限り、放送予定自体があり得ないものと思っていました。

しかも、試合は日本時間18時(現地11時)からの開始なのに、放送予定は17時。1時間もいったい何をやるつもりなのか、それも不思議でした。まさかサマータイムを知らないとか。いや、サマータイムじゃなければ19時か。

それでもBSとはいえ、朝日が堂々と中継を発表し、テレビ欄に載せているわけですから、何らかの契約が結ばれて実現するのだろうと考えるのが普通の日本人の感覚です。

さて、蓋をあけてみれば、やっぱり放送はできませんでした。もっとも遅れて放送したわけですから、映像そのものは手に入れたということです。何らかの交渉はしていたのでしょうが、試合のスケジュールが決まるのは前日なので、結局交渉が噛み合わず間に合わなかったということでしょう。

ただ、これも想像です。もしかしたら、最初から映像が届かないことはわかっていたのではないかとか、さまざまな憶測を呼びます。そもそも何年もテニス中継のノウハウを積んでいるWOWOWやGAORAの牙城に、無料放送が錦織に付いている大スポンサー軍団の広告料獲得のために食い込むわけですから、こういうことがあれば、理由を曖昧にせず、視聴者にも説明すべきです。

ここのところ、いくつものテレビ局がテニス中継に手をあげていますが、それによってWOWOWやGAORAと契約解除した錦織ファンもいると思うのです。テニス中継というファンや両局にとって大切なコンテンツを荒らして、最終的に有料放送局がこのコンテンツに魅力を感じなくなり、撤退や縮小をされてはたまったものではありません。あり得ない話ではありません。たとえば日本には高く売れると、放映権料がインフレを起こせば、スポンサーへの営業ノウハウのある民放キー局や、資金力が豊富なNHKが強くなります。

ところが彼らは日本人の試合しか放送しません。テニスという国際スポーツを放送するのではなく、錦織圭というコンテンツを放送しているにすぎないのです。そのこと自体は仕方がありません。NHKのターゲットは広く国民ですし、民放はスポンサーがつかなければ放送しませんから、数少ないテニス観戦ファンのために放送してほしいというのは無茶な要望です。

まあ、もっとも開始時間も第1試合でなければわからない、何時間やるかもわからない。個人競技ですから、ケガや病気のキャンセルで試合そのものがなくなる可能性もあると、テニスはきちんとプログラムが決まっている地上波の放送には馴染まないものです。BSにしたところで、不特定多数の視聴者がさまざまな要望やクレームを寄せてくる大手テレビ局は、いずれ耐えきれなくなり手放す可能性もあります。昨年全米での錦織圭の活躍で、NHKあたりになぜ中継しないのかというクレームが多くきたとも聞いています。生活者自身がコンテンツや情報は、常に無料で手に入るものという意識を変えるほうが大切かもしれません。もっとも、NHKは受信料を払っていれば、その限りではありませんが。


ランチはどこの国でもパスタ

2015-04-23 00:55:52 | フード

流行から定着感が出てきたアサイーボウル。最近は自分で作って、朝食にしています。

市販の冷凍アサイーピューレとバナナ、ヨーグルト、牛乳をスムージーミキサーにかけ、上からフルーツグラノーラと冷凍ベリーミックスといちごをのせているだけなので、料理といえるような代物ではありませんが、これを朝食にすると、昼もしっかり食べたくなってしまいます。

そこで出かけたついでに、銀座で初めて入るお店に。

tccという店で、最近できたみたいです。シンガポール発のカフェ&レストランで、海外初出店だとか。

シンガポールといえばこれ、というような超定番メニュー「海南鶏飯」を頼みましたが、実はこれはランチサービスのメニューではありません。

なぜかランチは、パスタ、パスタ、パスタのオンパレード。シンガポール料理店がパスタを出してはいけないわけではありませんが、イタリアンかっ、といったメニューです。

グランドメニューや夜には、各国の定番料理があるのに、なぜかランチサービスはパスタという店は珍しくありません。たまに行く神田のデンマーク料理店も、そこら中にあるスペインバールでも、さすがにパスタだらけは珍しいですが、パスタは外せないようです。

短時間勝負のランチには、メニュー構成が楽なのと、好きなお客さんが多いということでしょう。

個人的には欧州料理はしょうがないにしても、アジアンエスニックは現地の特色あるメニューで勝負してほしいなあと思います。とくにレストラン激戦区では、イタリアンやパスタ専門店の味には勝てませんから。その点、フレンチは、さすがのプライドなのか、パスタメニューが目立つ店は少ないような気がします。アジアでもタイ、ベトナムはそうですね。

世界の代表的な料理だったり、特色が明確だったりすると、アレンジしすぎると本物感がなくなるということでしょう。そう考えれば、シンガポール料理のイメージは希薄です。結構何でもおいしかった記憶がありますが、チャイニーズとエスニックが混ざり、そこに国際都市らしく、ほかの国の料理のエッセンスも散りばめられた感じでしょうか。

ちなみにtccでは、ハンバーガーを食べている人も。まあ、カフェだから、何でもありなのですが。


問題は会員制にはない

2015-04-22 22:52:40 | マーケティング

「大感謝フェア」でカーテンを買いました。大塚家具で、です。

前にも書きましたが、うちはカーテンだけが大塚家具で買ったもの。しかも寝室の遮光カーテンだけです。レースカーテンは、問屋街の店で安く購入しています。セールということで、オーダーカーテンも安くなるなら、と純粋に消費者の気持ちで行きました。リビング用ですが、ワイドが違うだけで高さは寝室と同じなので、サイズを書いた伝票が出てきたので、渡りに舟と出かけた次第です。今注文すれば、GWに付け替えができますし……。

店内は、一部改装中(おしゃれな感じになる?)で、エントランスから場末感は否めませんが、店内は冷やかしではない、いかにも家具を買いそうなお客さんが何事もなかったかのように、スタッフと話をしたり、ご夫婦か恋人同士で見て回ったりしています。高齢者が多いわけではありません。中年の女性もいましたが、目立ったのは30代くらいのカップルです。

ふつうに迎えてくれるエントランスは、なるほど敷居が低く、ホッとします。でもカーテン売り場でもなかなか声をかけてはもらえません。インテリア雑貨ならともかく、一度もコミュニケーションを取らなければ、カーテンの購入はできないので、自分から声をかけました。これも全然問題ありません。

カーテンも10%OFFのものと、30%OFFのものがあり、行った甲斐がありました。サイズの問題とはいえ、裁断したり縫ったりしないといけない商品ですから、値引き対象外の覚悟もしていました。

ヘビーユーザーでも株主でもないので、感謝される筋合いも、謝罪される筋合いもありませんが、ここは看板に偽りなしというか、あれだけ広告費をかけずに大々的にアピールしている手前、つまらないクレームを恐れていることは、接客の随所にも感じられました。

気持ちよく購入し、GW中に届くことも確認し、さて会計をして帰ろうかという段になって、唖然とする申し出がスタッフからありました。

「お値引き商品ですので、現金でのお支払いをお願いしています」「はい?クレジットカードは使えないの」

思ってもいなかったので、持ち合わせはありません。

「そういうわけではありませんが、ご協力をお願いしています。後日の振り込みでもかまいません。振込手数料は当店で負担いたします」

「カードが使えないなんて、知らなかったですけど」「そうなんですか」(←普通知らないと思いますが)

要するに、カードだと店側が手数料をカード会社に支払わないといけない、だから現金で払う「協力」をいただきたいという話です。

当然そんなことはわかっていますが、どんな企業でもそれを飲み込んで小売りをしているのです。飲み込めないパパママストアや小規模会社は、現金のみという店もあります。それはそれで仕方がありませんし、実は手数料の料率は、小さな会社ほど、物販よりサービスのほうが高いのです。カード会社も金融ビジネスなので、相手の与信によって料率を変えています。大企業、上場会社であるうえに物販の大塚家具は、最低限の手数料率のはずです。

私はさまざまな店で買い物をし、個人経営の美容院でサービスも受けていますが、こんなことを言われたことはありません。少なくとも、ここ数年は覚えがありません。あえて類似ケースをいえば、ビックカメラのポイント料率がカード払いだと減るパターンですが、あれはそもそもポイントは代金ではないので、致し方ないと思います。

こういうことがあり得るとすれば、おねえさんが接客するような夜のお店か、地方で本当に地域の人と顔が見える付き合いをしている小さな店だと思います。なかには手数料をお客さんの会計に上乗せしている店もある(あった?)ようですが、本当はしてはいけないことです。だって、物を買うのは、顧客と店の契約ですが、カード会社の手数料は、店とカード会社(あるいは代行会社)との契約です。相対取引で生じる代金以外のものを第三者に押し付けている理屈になります。

もちろん、大塚家具はそんなことはしませんし、あくまで「協力のお願い」ですから、法的にも道義的にも問題はありません。

でも気の弱いお客さんの中には、予定のなかった現金での出費をしてしまう人もいるでしょう。今、GW前、民間企業の会社員のお客さんにとっては、給料日前です。現金を出して「しまった!」と思っているお客さんもいるのではないでしょうか。協力を断ってカードで払った私も、次回から敷居が高くなります。

「協力のお願い」は、それなりの人間関係がある間柄でのみ有効です。小売りのお客さんと店の関係はビジネスです。決済というビジネスにとって、最も大事な局面でビジネスライクでない話を持ちだしてはいけないと、私は思います。どうしてもカードで利益を浸食されるのが嫌なら、30%引きを20%引きにすればいいのです。というより、たかが2週間程度のフェアです。こんなセコイ話はしないことです。

たぶん、これは以前の経営の遺物だと思います。会員制の裏には、お客さんにお願いできるウェットな関係づくりという理想があったのでしょう。

本来、会員制そのものは古い手法ではありません。顧客データベースに基づいたCRMは、最新ではありませんが、少なくともIT経営が根づいてから効率化され、多くの会社が極めたいと研究しているものです。ただ、そこに「お願い」という関係性を介在させることは、さらに高度な技術が必要です。つまり誰でも彼でもお願いしてはいけない。データベースで、お願いが有効な顧客と、お願いしてはいけない顧客を選別したうえで、ウェットな関係を築くべきなのです。

大塚家具の株主総会で、厳しい発言をシニアの男性がしていました。「家具は家族が幸せなときに買うもの。家族で喧嘩している会社の家具を誰も買いたいと思わない」。これは確かに真理の一つです。マーケティングの教科書に書いてありそうな意見で、否定はしません。

しかし、現実に大塚家具といえども、都市部の店で家具を購入する人の主流は、30代の夫婦なのです。マンションや家をローンを組んで購入するボリュームゾーンだからです。もちろん、その両親が同居していたり、両親がお金を出すケースもあるでしょうが、それでも今の若い夫婦は、買う物や店は自分たちで決めるケースが多いと思います。

その世代は、会社の経営陣が対立していることより、自分たちの趣味に合った商品を、いくらで、どんな接客・サービスで買えるかがまず大事です。彼らが社会に出たときから、日本のあらゆる店がカード使用可で、カード普及の過程を見ていない人も多いはずです。カードは象徴的な話で、すべてではありません。大型商業施設やチェーンストア中心のよくいえば「クール」、悪くいえば「ドライ」な商環境の中にいたわけです。

現代を生きる人のライフスタイルや顧客心理を見きわめ、本当の意味でのCRM経営が可能なら、会員制そのものは悪いシステムではありません。それはサービスだけではなく、商品企画や品ぞろえにも反映されていくべきですし、安ければいいという話ではないのです。今はまず変えようとする新勢力と過去の遺物がアンバランスに混在する状況から抜け出さなければ、コンセプトのわからない品ぞろえも価格帯も中途半端な店になりかねません。


その接客、アナログシニアへの気配り?

2015-04-20 23:55:53 | デジタル・インターネット

情けないことに、いまだにデジタル人間になれません。

言い訳をすれば、モバイルPCとタブレットは、WiMAXで接続しているからですが、いざスマホで代用しようとしたときに、繋げなかったり繋げたりします。パスワード入力を求められるとアウトなので、短いUSBケーブルを持ち歩き、それで強引に接続します。はっきり言って、テザリングが何かと聞かれても、説明できません。

WiMAXが使えなくなる(もしかしたら、現地のWiFiを拾うルーターとして使えるのかもしれませんが、そこまでいくと謎です)場所では、スマホですべてを済ませようと思うので、GWの旅行前に念のため携帯ショップに立ち寄りました。相手は若い(私より)男性です。

私「海外で使えますよね?」スタッフ「はい、スマホなら」(←以前はどこの国?とか聞いてくれたのですが、いまや世界各国どこでも使えるようです)

私「タブレットやモバイルとも繋ぎたいのですが、国内でも繋げないことがあるんですよ」スタッフ「はあ……」(←はあ、とは言わなかったと思いますが、そんな感じ)

スタッフ「テザリングを使うのですか」私「まあ、それで繋がるなら。国内ではそれで繋がるときは繋がるので」

私「試しにやってみますね」(案の定、パスワード入力を求められ、入れてもパスワードが違うと弾かれる)

スタッフの男性も「本当ですね、パスワードは変えていただけるのですが」と同調してくれたのですが、実際にはパスワードではなく、セキュリティコードを間違って入れていました。

パスワードを画面に出す方法がわからず、これまではUSBケーブルを使ったり、別の方法で拾ったり、力わざで何とか使っていたのでした。

スタッフの男性は最初から間違っていたことをわかっていたと思うのです。でも当然笑うでもなく、一呼吸おくためか、同調してくれました。

哀れなアナログシニア(←自分より)への同情かもしれませんが、即座に「違いますよ」と否定されるより、ホッとするのが心理というもの。

接客って、難しい。そして奥が深いものだと改めて思いました。