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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

バレンタインデーとショコラの進化

2005-01-30 18:53:59 | ニュース
choko3伊勢丹のジャン=ポール・エヴァンの前の行列がいつもより長いなあ…と気づく。そういえばバレンタインデーが近い。最近、このイベントはどうなのだろう?以前ほどの盛り上がりに欠けるような気がする。郊外のダイエーでは1月だというのに、バカみたいに広いチョコレート売場ができていたが、客はゼロに限りなく近い。

チョコレートの消費量のほとんどがクリスマスからバレンタインデーの季節に集中するのがこれまでの常識だった。けれども最近では輸入高級ショコラ人気や、開発技術の進化で昔ほど夏だからといって売れない商品ではなくなったのではないか。ショコラティエという職業が脚光を浴びているが、夏は休業しているとは聞かない。それに市販のチョコレートだって、私の子供の頃みたいに夏に銀紙を開けたら溶けてベトベトなんてことはなくなった。もちろん季節によっての差は残っているだろうが、いまやビジネスチャンスは広がっている。

チョコレート業界(?)のガンバリに反して、却ってバレンタインが縮小気味だとすれば皮肉な話。でも実際に義理チョコが年々減り、本命に集中しているという。本命であれば、別にチョコレートである必要はなく、むしろ甘党のオトコでなければ、他のものをあげた方がいい。1年を通じてギフトを伴う行事は、何度もやってくる。新年のお年玉に始まり、入学や就職、母の日・父の日、中元・歳暮、クリスマス、パーソナルなものは誕生日、ブライダル、結婚記念日など、あげればキリがない。でも結局ギフト習慣のなかに「義理」という概念が入りだした時点で、マンネリズムに陥る序章が始まっている。人の成長や健康への祝福、恋愛関係のメモリアルは、個人の心に根ざしているから、オリジナリティを保てるが、義理という概念には限界がある。



見えないデフレ

2005-01-29 16:29:05 | デジタル・インターネット
pointcard最近パソコンが壊れたり、事務所を移転したりで、頻繁に家電量販店に行っている。家電量販といえば、ポイントカード戦略の象徴のような存在。カードはいまやどんな業態でも発行しているが、特にPCや高額AV機器などのユーザーにとって、家電量販のカードほど、店の選択や購買のモチベーションとして機能しているものはないのではないか。商品はだいたいどこで買っても同じ、しかも還元率が高く、リアルタイムでポイントが現金同様に使用できる。つまりパソコンを1回買うと、安いものならしばらくはほしいものがタダでもらえる。普段高額品はビックカメラで買うことが多い。理由は単純。有楽町店に酒の品揃えがあるから。PCを買えば、高価なワインがもらえて得した気分になる(実際は安いワインを何本かもらっていたり、人にあげるものにかえたりするけど)。

売っている商品が値ごろ感にそぐわないものなら、何だか騙された気にもなるかもしれないが(結局還元分を先に払っているのでしょ、みたいな感じで)、現在日本の家電製品、PC、AVなどの電化製品全般は手ごろ価格で高性能。海外からも集客できるレベルのデフレの代表格のようなカテゴリーといえる。デフレ商品にさらなる還元。デフレの二重構造…。

ただ、実際には私たちはカードを使う代償に顧客情報をとられている。でも有効に情報をビジネスに使っている例は多くない。4月の個人情報保護法案施行でより扱いが厳しくなるが、これまでも自社がDMを出すことすら顧客の承諾がなければ原則としてできないことになっている。大手企業は大抵遵守している。だからうちにはビックカメラからDMが届いたことはない。そうなれば活用方法としては、顧客のクラスター別の購買行動を分析して、例えば品揃えやサービス企画に生かす、というようなことだろうが、これはそれほど容易なことではない。だからカードを使ったマーケティングはやらないという前提で、形を代えた値引き競争を嫌い、最初から導入を見合わせる企業もある。どちらが良いということではないが、導入するのであれば、顧客・供給側双方の立場から最大限に生かせる仕組みであることがいちばん望ましい。

そんな中、昨年末にプロ野球のヤクルトが神宮球場で、カード導入をすると発表した。賛同者が多いようだが、エンターテインメントを楽しむ行為は、本来ショーそのものが来場のモチベーションになるもの。カード導入で入場者数増に直結するかどうか疑問もある。


満ち足りて、次は…

2005-01-25 23:14:07 | まち歩き
韓流はともかく大して映画ブームでもないのに、こんなに郊外にシネコンをたくさん作って大丈夫かしら…なんて話をしていたら、今日の日経新聞にレンタルビデオ店が苦戦という記事が出ていた。安価なDVD販売やシネコン乱立による映画館の復調が皮肉にも災いしているらしい。

私が以前住んでいた代官山にはレンタルビデオ店がなかったので、渋谷のTSUTAYAまで歩いて借りに行っていた。今の住まいは歩いて10分弱のところに小規模なショップがあるが、やっぱり地下鉄に乗ってでも新宿のTSUTAYAで借りている。小規模なショップは人気ソフトの貸し出し中が多いし、DVDが少ないからだ。そして今の住まいに移ってからDVDを買うことが多くなった。まんまとトレンドにのっている。

レンタルビデオ店に限らず、ある業態が不振となると、この業態は古いだの、終わっただの、世間は言う。前回の「もらい物にケチをつける」で書いたディオールのコンパクトミラー(粗品)の話も、2つも要らないだけであって、1つめは別にどうってことなかったわけだ。今GMS(大型の総合スーパー)より、食品スーパーが好調だから、食品スーパーに力を入れよう(いっぱい作ろう)という気配があるが、人口が急速に増えなければ、人の胃袋には限界がある。スーパーが増えても、1日3食が4食にはならない。レンタルビデオ店も同じ原理で、経済学をかじった人なら誰でも予測できること。こういう憂き目に合いそうなものは東京にはたくさんある。コンビニもドラッグストアも。

私は人にモノを買わせるように誘導するのも仕事のうちだが、消費者の立場で本音を言えば要らないものは買わないし、買わない方が良いと思う。満ち足りてその次を私たちは、考えなければならない。今でも教育への意欲や美しくなりたいという心理、旅行に行きたいという探究心は、あまり衰えていない。以前小売・サービス業は、ライフスタイル提案をさかんにキーワードにしてきたが、これからはさらに深く顧客の生き方や環境そのものを共に考えていく必要があるように思う。



もらい物にケチをつける

2005-01-23 00:25:46 | コスメ・ファッション
pochi忙しくて開いている時間にデパートに行けない状態が続いていた。もう1週間くらい前から化粧水を切らしていて、サンプルでもらったものを探してつけ続けていた。いよいよそれも底をつき、とうとう化粧惑星を買ってしまった。コンビニは便利だ。

化粧惑星はまだ残っているが、ようやく時間ができたので伊勢丹に行った。スキンケア化粧品は同じブランドにこだわる人と、しょっちゅう目移りがしてブランドスイッチをする人がいる。私はどっちかといえば後者。その時の気分、肌の状態、季節、懐具合によって選ぶブランドが変わってしまう。ラ・プレリーは好きだが高い。クラランスは値段のわりに量が多い。結局ディオールやサンローラン、コスメデコルデあたりが定番か。

この「私の定番」あたりが顧客獲得をいちばん頑張っている。ノベルティ(ベタにいえば粗品)やプレミアム商品がやたら豊富。今回行ったのはディオール。久々に購入。
「今キャンペーン中で、プラス500円でオリジナルポーチに入ったミニ化粧品のセットがついてくるのですが、いかがですか?」
ポーチはいらないが、ついてくる化粧品には興味がある。聞くとクレンジングやら、クリーム、美容液などが入っていて、量もかなりお得らしい。それなら買おう、500円だし、旅行やスポーツクラブに便利だ。その瞬間、ふと何かを思い出した。
「あっ!」
小さく叫ぶと美容部員が「どうしました?」
「前もやっていたでしょ、このキャンペーン。買ったけど、しまい込んで忘れている!」
何が中に入っているのかも忘れていたので、一応今回も買ってみた。
「忘れるなんて優雅でございますね」
と言われながら、ついでに粗品のコンパクトミラーももらう。これも既に1つ持っている。コンパクトミラーなのに、重厚すぎて持ち歩きにそぐわず(重い!)、デスクの横に置いてある。時々歯石取りや角栓とりに利用している。

以前はもらい物にケチをつけるなんてオバサンぽいと思っていたが、寄る年波には勝てない。うちに帰るとシェルフに積みあがった本の上にちょこっとディオールのキャンペーンポーチが載っていた。中には夏用のスキンケア化粧品が…。

*写真は忘れていた夏のポーチ。ネットオークションでなぜか3,800円…。「本物」って書いてあったけど、確かに本物だと思うけど、500円なんだけどね。


日曜日の早朝番組

2005-01-22 01:51:23 | テレビ番組
katatu000深夜番組がおもしろいというのはよく話題になるが、早朝番組の脱力感は何とも言えない。平日はニュースやワイドショーと情報番組の中間みたいなものをやっているから、まだいいのだが、日曜日はねえ。

最近気になっているのが、日テレの日曜日5:30の「あなたと日テレ」。大真面目さがかなり変だ。多分やっている人たちも心の中で誰が観ているんだ!バカバカしいと思っているはず。私は観ていますよぉ。仕事をしながら。

いつもカジュアルウェアで偉そうに仕事をしていそうな番組プロデューサーが首を締め付けんばかりにネクタイをして、真正面を見ながらテレビ番組の企画意図を表明したり(この前は『ごくせん』の企画表明で“青春痛快ドラマ(?)”と言っていた)、視聴者からの意見をとり上げたりする。その内容がなかなか笑える。たとえば、こんなのも。

続いては『エンタの神様』に寄せられたご意見をご紹介いたしましょう。

意見:かたつむりの童謡を紹介して、「ツノ出せ、ヤリ出せ、目玉出せ」とありますが、「良く考えると全部同じモノなんだよね。」といっていましたが、カタツムリのツノ、ヤリ、目玉はそれぞれ違うものです。子供が見ている番組ですから、常識の範囲は正確に伝えてください。

というご意見です。
A:ご指摘のように、ツノは小触覚。ヤリは大触覚という器官を指しまして、目玉は大触覚の先端についているもので、厳密にいうと違うんですが。

B:目玉は大触覚の先についているんですか?あれ、触覚なんだ。そうなんですか。これ、ネタですよね。お笑いの。じゃあ、あまり気にすることないですよ。変というか、「これはお笑いのネタでね、本当は違うんだよ」って言って、「大触覚の先端には目玉がついているんだよ、恐いだろ。」ってお父さんが教えてあげると楽しいんじゃないですか?

A:なるほど、それをきっかけにね。

B:コミュニケーションのいい話題にして頂いてね。

A:子供用の参考図鑑とかテレビの脇に置いておくといいですよね。


これで本当にテレビ番組の質があがればいいけど、どう観ても気休めって感じで、それがまた笑える。