デニーズが3月から朝コーヒーをオーダーした客にトーストとゆで卵の無料サービスを始めたらしいです。(→デニーズのモーニングはコメダ風?)
個人的にデニーズの秀逸メニューは、モーニングだと思っていて、有料のモーニングメニューを2度ほど頼んだことがあります。秀逸だといいながら、たった2回なのは、朝食を外で食べる機会がないからです。
とはいえ先日、ある都市(名古屋ではない)でビジネスホテルに泊まったら、1階がコメダ珈琲店で、これはナイスなテナント誘致だと思い、朝はそちらでコーヒーをオーダーしました。もちろんトーストを付けてもらい、サラダを追加オーダー。私はあまりおいしいと思えない、ほとんどのビジネスホテルの無料朝食サービスより、こっちの方が断然いいので、次からここのホテルを選ぼうかと思ったくらいです。部屋もわりと良かったからですが。
私のようにふらふらしているライフスタイルでも、そんなに朝の外食というのはしないわけです。名古屋人でもなければ、そんなにがんばっても食べる人はいるのだろうか。タクシーの運転手や病院関係者など、昼夜関係なく働いている人だけでは?と思いきや、結構いるみたいです。
というのも、近くにまさにコメダ珈琲店があり、何度も平日の午前中の打ち合わせのために入ったことがあります。初めて利用したときは空いているだろうと思ったのですが、一足先に着いた待ち合わせ相手が席待ちで並んでいて驚きました。何のことないモーニングの時間帯が一番混んでいます。一度夜にも行きましたが、むちゃくちゃ空いていました。近隣はマンション街で大きな病院があるわけでもホテルがあるわけでもありません。通勤前にしては遅い時間帯なので、近所に住んでいる人がほとんどだと思います。
デニーズのリリースにもありましたが、増加しているアクティブシニア層の取り込みのようです。アクティブでなくても、ジョギングはしなくても朝の散歩くらいはするでしょうから、要するにリタイア後のシニア層の需要を狙っているということでしょう。確かに、新橋・銀座あたりの銀座ライオンに夕方早めに行くと、シニアのグループ客が肉料理を囲み、ビールを飲んでいます。
コメダ、デニーズの無料朝食サービス、銀座ライオンに共通しているのは、パンと肉料理中心の洋食メニューで、コメや和食ではないということです。
コメ離れ、和食需要の低下というと、現役世代より若い人たちの現象と勘違いしがちですが、そうとは言いきれません。戦後に育ちざかりだった、あるいは戦後まもなくに農村部以外の都市で生まれ育った、まさに今人口動態的に日本人のボリュームゾーンとされる60歳以上のシニア層が、朝はパン、昼は麺、夜だけごはんのライフスタイルのけん引役となっているのです。肉料理やコレステロールの高そうなこってりメニューも、ダイエットや成人病を気にする現役世代より旺盛に食されているように見受けられます。
むしろ、学校給食がコメ中心だった若い世代の方が、和食回帰の傾向があるように思います。和定食中心の大戸屋ややよい軒の方がむしろ若い人が目立ちます。やよい軒には和食の朝食メニューがありますが、いかんせんゆっくりできる感で喫茶店やファミレスにはかないませんから、時間のたっぷりある層には向かないかもしれません。
ちなみにデニーズの有料モーニングはごはんとみそ汁、納豆も選べます。もっとも、おかずはどう見ても、パンを選びたくなる内容ですが……。