ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

家具店はいまや希少かもしれない

2015-02-27 00:34:04 | ビジネス

日本で人がいちばん住んでいるのも、人口移動が激しいのも首都圏ですが、旧来の大塚家具のようなビジネスモデルは、大都市圏では合わない部分が出てきています。そういう意味では、現社長(娘)の言い分はもっともなわけです。

一方で、会長(創業者)は、現社長が広告宣伝費を抑えたがために、地方から来店するお客さまが減ったと言っているそうです。これも一つの事象を的確に表しています。最低でも両親と子ども2人構成以上の家族構成、戸建て新築時にこそ、生きるビジネスモデルだと思うからです。

別に私は同社の株主でもないので、父娘のお家騒動はどうでもいいですが、家具のマーケティングを考えたときの事例としては、少し興味があります。

ここのところ、落ち着いてはいますが、東京で引っ越しを繰り返してきました。そのたびに捨てる家具、買う家具がまったくないわけではないですが、たとえば寝室のローチェストは、東京に出てきたときに買ったものです。若干開閉の滑りが悪くなっていますが、不自由はありません。そのほかにもキッチンボードなど20年選手のものもあります。リビングのテレビ台はブラウン管テレビ当時のままなので、液晶を置くには妙に面積が広いですが、買い替えようと思ったことはありません。

買った店を思い起こすと、ACTUS、SEMPRE、フランフランなど、まちまちです。大型家具というのは購入頻度が少ない、いまどき一つの店舗でそろえない、というだけでなく、最近のマンションは、分譲でも賃貸でもクローゼットなどの収納は、壁面に組み込まれているが主流で、敢えて購入する必要もありません。収納だけでなく、照明器具も居室以外はダウンライトで、電球だけ交換すればいい形になっています。戸建てでも新築なら同じではないでしょうか。

こうした時流に合わせて、無印良品やIDEEなどは、ハウジングメーカーやディベロッパーと一緒に内装をプロデュースしたり、彼ら企業に商品を供給したりしています。BtoCビジネス単独で考えると、家具は難しい商材になっているといえます。

BtoCに特化する会社は、徐々に雑貨にシフトしています。ACTUSも以前は家具のイメージが強く、今でも新宿店ではそれなりに家具も展開していますが、ショッピングセンター内のテナントは、売り場面積の半分は雑貨が占めています。フランフランに至っては、完全に雑貨店といってよく、よく家具店として引き合いに出されるIKEAも雑貨が充実しています。そればかりかフードビジネスが話題の中心になることも。

では、家具を買う消費者の立場で、大塚家具の旧来モデルは古臭く欠点だらけ、雑貨中心の小型・中型テナントにシフトするACTUSなどがバラ色のモデルかといわれれば、そんなことはないと思います。

若い一人暮らし、あるいは夫婦だけの家族なら、いろいろな店を見て回り、自分で組み合わせを考えるのも楽しいかもしれません。でも割高になりますし、何より疲れます。それなりの手間やセンスも要求されます。そんなことをやっていられないという層は多いと思いますが、IKEAやニトリなどの大型店を除けば、1店舗ですべてをそろえるのは、品ぞろえの面でも価格の面でもかなり難しいのではないでしょうか。

そう考えれば、大塚家具の旧来モデルは、ブルーオーシャン。要するに競合が少なく、貴重なのです。ニトリに流れる人、IKEAを好む人は、そもそも大塚家具のターゲットではないと思いますし、資本力のある大手企業の中では、旧来モデルがむしろ唯一無二であるといえるかもしれません。

実際、うちにも大塚家具で購入したものが1点だけあります。オーダーカーテンです。こればかりはきちんと相談できる店の方がいいですし、品ぞろえも豊富であるに越したことはありません。1部屋分だけ契約すると、別の部屋でも検討されるときにお持ちください、とサイズ(高さが同じなので)や品番が書かれた紙を渡されました。おそらくデータベース管理もされ、同じ色柄やサイズのものが必要だといえば出してくれるのでしょう。これはいいサービスです。

経営は対立し、勝ち負けで決着をつけるしかない局面はあるかもしれませんが、マーケティングは何も百かゼロか、黒か白かの世界で割りきれるものではないと思います。百貨店はもうだめだ、総合スーパーはたちゆかないといったところで、世の中から一気に二つの業態が消え、コンビニや小型スーパー、専門店だけになったら、不便なはずです。家具店も、旧来型の継承でも、雑貨店やIKEA、ニトリへの道でもない、第3の活路があるのかもしれません。


広島のアンテナショップTAU

2015-02-26 03:06:40 | マーケティング

いまや東京で人が集まるところには、アンテナショップがあります。

昨夜は銀座にある広島のアンテナショップへ。「おしい」をキャッチフレーズにしていたわりには、惜しくない一等地に、イタリアンバルから和食店までそろっています。

もちろんお好み焼きや熊野筆も。

熊野の化粧筆は大好きですが、デパートで熊野ブランドを買うより高いのは、惜しい。

で、結局、買い物はせずに、地下の「遠音近音」に。





花よりだんご。広島はグルメなまちです。

よく通りかかるアンテナショップで、いつでも混んでいるのは、有楽町の北海道のような気がします。あとは日比谷の鹿児島も昔からありますが、変わらず人気があります。

なんだかんだいっても、地域に求めるのは食なのでしょうか。食の宝庫のイメージが強い自治体が繁盛しているようです。


地味な印象のアカデミー賞

2015-02-25 01:23:41 | カルチャー

今年の作品賞は『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に決まりました。予告編しか観ていない(たぶん、日本ではこれから公開)ので、何ともいいようがないですが、地味な印象が否めません。

勝手に『アメリカン・スナイパー』かと思っていました。こちらも観てはいません(たぶん、日本では公開されたばかり)が、アメリカではそれ相応の興行収入もあったようです。9.11を機としたテロとの戦争を描いています。おなじみのクリスト・イーストウッド監督作品でもあります。

地味という表現が違うなら、無難、保守的でしょうか。ジブリ作品にとってほしかったわけではありませんが、長編アニメ部門が2年連続ディズニーなのもどうなのかなと思います。

世界で、アメリカで、起きているさまざまなことと、カルチャーの一つである映画は本来切り離すべきものなのかもしれません。しかし、だからこそ、フィクションの世界くらいは、無難にやり過ごすのではなく、チャレンジングなものをつくってほしいとも思います。

アメリカの映画やドラマの良さは、過度に社会や世間の顔色をうかがわず、それなりにリアリティのある事象を描いていることだと思っていました。たとえば、『24-TWENTY FOR―』は、オバマ大統領誕生前に黒人大統領を描き、ヒラリー大統領はまだ誕生していませんし、これからもしないかもしれませんが、その前に女性大統領誕生を描きました。国内の差別問題にも特段目をそらさず、エピソードにしていたと記憶しています。

『ハリーズロー裏通り法律事務所』はマイナーですが、好きなドラマです。さらにリアルな社会問題をウィットに富んだセリフと展開で描いています。『リーガル・ハイ』の大人版、シリアス版といったところでしょうか。『リーガル・ハイ』も、最近の日本のドラマの中では一番面白いと思っていますが。

ここ最近は、中東問題の陰に隠れていますが、アメリカのレイシズムへの回帰も重大な社会問題です。深刻なクライシスに直面したとき、内向きに走るのは日本だけではないのではないかと思えます。アカデミー賞ノミネート作品に限らず、最近のハリウッド映画はどうもパンチが効いていないような。戦争映画が好きなわけでは決してないですが、癒し系のアメリカ映画はあまりピンときません。

今回のオスカーノミネート作品でも観たいのは『グランド・ブタペスト・ホテル』だけかなと思ったら、アメリカの映画ではありませんでした。上映はだいたい終わっていますが、来月WOWOWでやるようなので楽しみです。


ふるさと納税、特産品詰め合わせの中身

2015-02-23 20:30:10 | トレンド

コメ20㎏に続き、長野県某市からふるさと納税のお礼(?)が1週間ほど前に届きました。

きのこ、きのこ、きのこ、きのこ、きのこ、(なぜかふつうの)ほうれん草、漬け物、漬け物、漬け物、漬け物、漬け物、そば、そば、カップ麺のそば、その他の食品、なぜかアロマオイルといったラインナップでした。

じ、地味です。子どもの頃、初めて長野旅行に行ったとき、旅先定番の海の幸でも、もちろん肉でもなく、山菜づくしだったのを思い出しました。

子どものころはがっかりしたものですが、もう大人ですから、きのこは好きです。シイタケだけ、人に差し上げて、残りをほぼ1週間、毎日きのこづくしでした。

おいしかったのですが、じゃあ、次回から取り寄せして買おうかと思いにくいアイテムです。マーケティングの観点からは、きのこの量を減らしてでも、地酒とかオンリーワンのスイーツとか、お取り寄せに繋がるものがいいのではないでしょうか。4月以降、制度が変わり、ますますさかんになるポテンシャルがありますから、自治体も工夫をしてくると思います。

漬け物も本当のふるさとである京都産に親しんでいる身には、少々色合いが地味です。粕漬は好きではないので、やはりおすそ分けに回し、「残ったのは何?」と聞かれ「何だっけ?」。「野沢菜がないわけない」と言われ、冷蔵庫を見ると、野沢菜の油いためと野沢菜のみそ漬けでした。みそ漬けは私にとっては珍しいので、ちょっと楽しみです。

特典合戦になることに眉をひそめる向きもあるみたいですが、そんなことはありません。

納税先を選ぶ理由は、「本当のふるさと(出身地や長く住んだ場所)」「旅行に行って好きになってしまった場所、あるいはとてもそのときに世話になり、恩義のある場所」「(被災地など)ドネーション」。特典がなければ、この3つのいずれかに当てはまっていないと、ふるさと納税を集めるのは難しいでしょう。

特典を出すことで、知名度を上げ、リピートを増やし(納税だけでなく、商品の取り寄せも)、旅行にも来てもらえれば、税金の額面以上の効果があります。

まさに国が制度として仕組みをつくった自治体マーケティングの手法のようなものです。


東京マラソン

2015-02-22 23:37:39 | スポーツ

小さすぎて、速すぎて、よくわかりませんが、たぶん白いユニフォームのランナーは、日本人1位か2位の人です。

恒例の東京マラソンが今日行われ、ベランダから撮ってみました。

このあと、出かけるついでに沿道でも見ましたが、年々応援の人が派手になっている気がしました。以前から、仮装したランナーは結構走っていましたが、沿道は比較的おとなしい印象でしたが、今年は本格的なスパイダーマンまで出現。私が出かけた頃走っていた人は、もはや順位はどうでもいいけど、完走は確実な人ばかりで、一緒に記念写真におさまる外国人ランナーも。

キャラクター好きの日本の印象をより強くしたのではないでしょうか。

それ以外にもパンダがたくさんいたのは、何か特段の意味があったのでしょうか。