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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

学校よりラクな社会

2006-10-28 01:31:35 | ニュース

笑ってはいけない重大な問題で、当事者は気の毒としか言いようがないが、高校の履修単位問題はおかしい。あたふたしている高校や地域の教育委員会より、もしかしたら学生の方が冷静に受け止めているようにも思える。このことで高校生たちは、世界史より重い事実を学ぶのではないかと思う。社会というところがいかにいい加減で、不平等で、事なかれ主義がまかり通っているか。大人がどれほど想像力のない生き物か…とか。そしてコトが起こればそのツケは弱い者に払わされるということ。しかも実施可能な範囲で…。だって平等にというなら、うっかり既に卒業させてしまった人たちにも履修させないといけない。意外と喜ばれるかもしれない。大人になってからの方が学ぶことへの喜びは大きい。履修しなかった卒業生全員に、世界史の通信教育をすればどうだろう。時間のある人には学校に集まってもらえば、同窓会の代わりにもなるし…なんてことは非現実的で、結局は今このタイミングでそんな勉強をしたくない、高校3年生が割を食う。

ところで履修内容を勝手に変えた先生方は、バレたらヤバイと思わなかったのだろうか。文科省が「いいよ、いいよ」と言ってくれるとでも。もしそれくらい正しいことをしているつもりだったのなら、結果責任に対して徹底的に国と戦うべきではないか。「じゃあ、補習やりますよ」っていうのが一番楽な選択だ。文科省も同様で「補習してとりあえず今の高校3年生だけ辻褄を合わせなさい」というのが一番楽な通達だ。大人たちは痛くも痒くもない。社会の先生は大変かもしれないけど、ほんの数ヶ月いっぱい時間外労働するくらい、たいした苦労とは言えない。責任論は出てくると思うが、ここまで該当校が多いと誰が責任をとっていいのやら。校長、教頭が全員辞めたら、管理職不足になるかも。せいぜい減給で落ち着くのではないか。

大人たちは子どもや学生に「働くことは大変だ」とか「社会は厳しい」と、偉そうに言うけれど、本当は社会の方がよっぽどラクだということだ。それでも要領のいい子は出席規定日数ギリギリに補習を受けたり、補習の授業を聞きながら受験科目の勉強をしたり工夫するだろう。それを本気で注意できる先生がいたら、却って立派だと思う。それどころか下手したらこっそりとそれを認める高校も出てくるかもしれない。ほとんどマンガみたいな話になる。

ちなみに私の出身自治体は、私が高校を卒業した時代には今回のようなことは考えもつかないくらい、受験に不熱心な自治体だった。それはそれで今にして思えば割を食ったと思う。機会平等なんてあり得ない理想論ということだろう。でも学ぶことの意味は、個々人が自分の成長に合わせて考えていくこともできる。それは大人になってからでもできる。

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メディアのチカラ

2006-10-27 01:16:07 | まち歩き

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健康情報番組は滅多に観ないのだが、この前の日曜日はたまたま日本シリーズで時間がずれていたので、フジテレビの『発掘!あるある大事典』を部分的に観た。ちょうど食前に青リンゴを食べると、ダイエットできるという情報を提供していて、数日後スーパーに行ったときに見てみると、青リンゴはほとんど売れていて、2個しか残っていなかった。別の日に他のスーパーで見ても、やっぱりなかった。まあ、リンゴは赤が主流。もともとあまり仕入れていないのかもしれないが、相変わらずテレビのチカラはすごいなぁ~と思った次第。しかし毎食前に半分ずつ青リンゴを食べ続けるのは結構大変なはず。ダイエットはやはり一筋縄ではいかない。

テレビや新聞など既存メディアの影響力が薄まったというが、一概には言えないと思う。確かにメディアの選択肢が増え、メディアに触れる以外の日常的な娯楽の選択肢も増えたので、昔のようにはいかない。それでも狭い国土に密集する人口、しかも基本単一民族、識字率も100%近いという日本では、メディア力はあなどれない。

ウォルマートが日本撤退を否定したという小さな記事が新聞に載っていた。ドイツ撤退に続いて日本でも…と見られているから、その弁明だった。「コストを削減し、徹底的に価格を下げれば、競争力が保てる。ドイツの場合は、ウォルマート同様の低価格スーパーが競合にあったが、日本では見当たらないから大丈夫」ということだった。つまりイオンやイトーヨーカードーより圧倒的な安さを提供できるということだろうか。

ダイエーが競争力をなくした背景には、売場を利益効率が高いプライベートブランド(PBで埋め尽くしたことも、要因の一つだと言われている。日本の消費者は、どこのメーカーが作ったのか、訳のわからない安いPBより、テレビで広告をしているナショナルブランドの商品を買いたがっている。セービングよりカゴメやサントリーの方がブランド力は格段高いのだ。だから売れているPBは、製造しているナショナルブランドとダブルネームで販売しているケースが多い。良くも悪くも日本の大手メーカーは、メディア広告や折込みチラシなどの情報流通を含めた、高コスト体質と言われている日本独自の流通経路の中で成り立っている。そして消費者もその中にどっぷり浸かっている。表現に語弊はあるけれど、消費者も日本の流通機構の一つのエレメントであり、共犯者である。

ウォルマートのいう低価格を否定はしないが、一方でカルフールの二の舞になりそうな予感も払拭できない。


予想外だったこと

2006-10-25 00:30:41 | まち歩き

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1024日から携帯電話のナンバー・ポータビリティがスタートしたが、当事者以外は何だか冷めている。私にとって予想外だったのは、前夜(23日)のニュースステーションのトップニュースが、孫さんの記者会見で、その内容が携帯電話の価格戦略に関するものだったこと。よくよく聞くと、通話料無料もシェアが条件付きまくり(同じソフトバンクキャリア同士というだけでなく、最需要時間帯には制限がある、契約形態の限定など)で、ソフトバンクの覚悟ほどには正直あまり魅力的と思わなかった。

でもPRは上手いし、運もいい。昨夜は日本シリーズもお休みだし、北朝鮮の核実験を最後に、国内外を揺るがす大事件・災害というものは起きていない。つまりニュースのネタ不足のタイミングだったわけだ。これでナンバー・ポータビリティといえば、ソフトバンクモバイルが象徴的なイメージとして定着する(かも)。

しかし孫さんが言う「日本が世界でもっとも高いケータイ料金」は本当なのかな、と思う。いまや、低学年の小学生でも持っている携帯電話料金がそんなに高いなら、日本人はやっぱり金持ちだ。

他のキャリアの役員が価格競争に真っ向から対抗して勝てるのは価格競争しかないと言っていたが、結局最終的にはそこに行き着くのかなと思う。消費者としては高いより安い方が有り難いのはその通りだけど、大して望んでいないのにサービス提供側のシェア争いだけのために血相変えて頑張られるとやっぱり冷めてしまうような気がする。私のようにケータイにあまり期待していない場合は、通信の安定感のあるドコモが安心だし、音楽配信やGPS機能など付加価値のバリエーションを求める場合はauを支持している人が多い。広告やマーケティングって、本来そういうことで勝負すべきで、価格を持ち出すのは最後の最後で良いのではないかと思う。価格のアピールに本来的な価値訴求を打ち消すくらいのインパクトがあると、なおのこと「ソフトバンク=安物」みたいな負の印象が定着してしまう。特にこれから乗り換えを検討するということは、基本的にはソフトバンクケータイ未経験者なのだから、他の細かな優位性は知られていない。つまり総合的に差別化要素を判断することはできず、値下げの誘惑に走るか走らないかの二者択一になりかねない。


名案?ケータイのアンテナ無償配布

2006-10-19 01:38:30 | まち歩き

811SH 機種変更(利用期間25ヶ月以上)

携帯電話は使い出した時から、DoCoMoだ。根がコンサバティブなだけだと思う。変えなかった理由は、番号を変えたくないという、これまたコンサバティブな理由だが、ナンバー・ポータビリティが始まってもやっぱり変えないと思う。この制度は私の感覚的には遅きに失した感がある。料金やサービス、その他さまざまな質について、キャリア間の違いが今より明確だった時には、乗り換える気持ちにもなったかもしれないが、今は各社の違いが見えにくくなった。例えばこれまでDoCoMoユーザーの不満の種だった料金も、今では随分下がった。個人的なことだが、私はこの前はじめて月額5,000円を切った。家族割に申し込んだおかげで。離れていても家族は家族らしい。ただ、こういうのに申し込むと、ますます勝手には乗り換えられなくなる。術中にはまるとは、こういうことをいうのだろう。

それはともかく、携帯キャリアの顧客争奪戦は熱を帯びている。その中でソフトバンクモバイルが何とも気になる奇策に出たらしい。ホームアンテナを工事費も含めて無償で配るというのだ。圏外対策となっているので、地方が中心と思うかもしれないが、都心の圏外は意外と多い。マンションの高層階はもとより、低層階でも建物の構造上、入りにくい場所がある。かくいううちも時々切れるので、室内ではほとんど固定電話を使っている。だから無料通話分が余るわけだ。

ソフトバンクモバイルは周知のようにボーダフォンとのM&Aで最近参入しているので、マーケティングにかける気合もコストも違う。だから他がすぐに追随するかどうかはわからないが、これがもしスタンダードなサービスになったら、固定電話はますますまずいことになるだろう。また、ソフトバンクだけのサービスということで定着すると、これは意外と乗り換えの強力なモチベーションになるかもしれない。高層マンションの乱立で都心の圏外はますます増えているような気がするから。私も上層階の知らないオジサンに怒り交じりで話しかけられたことがあるが、まったく圏外で引っ越したいくらい不便らしい。最初にマンション業者が教えてくれなかったことが不満ということ。私は知っていたから低層にした…なんて言うと、ますます八つ当たりされそうだったので、「それはご不便ですね」と言っておいたが、きっとそういう人は他にもいると思う。

ソフトバンクモバイル、最初はテレビCMばかりが目立って、現実的な存在感が希薄だったが、最近ようやく定着してきたような気がする。やはり携帯電話がコモディティ化した今でも、利用者の具体的でインパクトのある便益を提供していくことが必要ということだろう。

追記:ソフトバンクの無償アンテナが高層マンションに対応するものかどうかはわかりません。補助アンテナは、高層ではやはり使えない場合があるようなので、念のため。


ヴァージョンアップの限界

2006-10-14 01:49:38 | デジタル・インターネット

オンラインゲームが楽しめるPS2!商品入荷まで1週間から10日間程お時間を頂く場合もございます...  ■脳を鍛える大人のDSトレーニング

趣味性の高い情報機器やソフト、電機製品は、ヴァージョンアップがメーカーのひとつの使命のように位置づけられている。いちばんわかりやすい例はマイクロソフトのOSXPで落ち着いた感があるが、2000年前後は大変だった。ウィンドウズ98は定着していたが、その後2000MEは忙しなく、ビジネスユース以外ではこれらのヴァージョンを持っている人は多くないと思う。それでもパソコンはいまやコモディティの域に入りつつあるので、この程度のヴァージョンアップならどうにかついていける。最近のコモディティといえば、パソコン以上に携帯電話だろうが、ナンバー・ポータビリティ導入と並行して多品種の新製品が発表された。おサイフケータイやワンセグ、音楽プレーヤーなど、こちらはまだ進化ののりしろがあるような気がするが、それでも手詰まり感はあるという。

よく今は「消費者がメーカーなど生産・販売者側の先をいっている」「消費者の情報量が増え、消費者・生産者間の情報格差がなくなった」と言われる。概ねこの見方は極論だと思う。秋葉原で部品を買いあさって自分で何かを組み立てているような専門家はだしの消費者は確かにいる。でもそれはマイノリティだ。

多くの消費者はそろそろメーカーの提案するヴァージョンアップについていけなくなっている。いや、ついていく必要がなくなっていると言った方が消費者認識に近いかもしれない。ソニーブランドの凋落もそこに原因があるという見方もある。例えばゲーム。任天堂は「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で新規ユーザー層を獲得してターゲットの裾野を広げているが、ソニーはプレイステーション(PSのヴァージョンアップが主力戦略のように映る。もともとゲーム機は、親にとってはできることなら子どもに与えたくない商品だ。多くの親は仕方なく買い、使用ルールを守らせるために頭を痛めているはず(少なくともそういう親の多い社会の方が健全だと思う)。そこに多くの人にとっては意味性のはっきりしないヴァージョンアップ商品を出されても、いい加減にしてくれと思うのが人情だろう。しかも値段も高い。ソニーはマーケティングやブランド戦略が得意な企業という既存イメージがあるが、最近専門家の間でそれは誤解だったと言われているようだ。実は良くも悪くも技術追求型の企業だということだ。PS3に向けた迷走からは、そんな気もしてくる。

液晶大型テレビで出遅れて、量販店店頭の値下げ商品にされているのはまだご愛嬌としても、得意分野のはずのエンターテインメント製品での戦略ミスは厳しい。これではブランドイメージも維持できない。