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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

クォーターパウンダー

2008-11-29 17:11:44 | ニュース

最近はハンバーガーを食べることはほとんどないのだが、先日来なんとなくテレビをつけていると「表参道のクォーターパウンダーに行列」というニュースが聞くとはなしに聞こえてきていた。最初は米国で人気の、というような触れ込みだったので「そういう店があるんだ」くらいの印象だったが、どうも行列の様子をテレビで観ていると、もともとマクドナルドのあった場所のようだし(正確には現場を見ていないので不明)、マックだろうと思っていたら、案の定マクドナルドでしたという後追いのリリースがされた。

さらに今日、昼前にパンを買おうと、外に出たら近くのマックのバナーの写真が「クォーターパウンダー」に。思わず1個買ってみた。結局表参道の行列は、新商品投入の大掛かりなプロモーションだったということだが、客単価の引き上げ、マックの味やバリエーションに逃げていた客の引き戻しには今のところ十分成功しているように思う。メガマックもそれなりにアピール効果はあったが、実際に買うとなるとかなり躊躇するのが実際。それでも結構売れたらしいが、通年商品にするには、現実的なニーズにはそぐわなかったのかもしれない。

その意味でもクォーターパウンダーは、確かに何かセットで食べさせるにはボリュームがありすぎるが、単品ならそんなに苦労せずに完食できる。確かにマックの標準より、ハンバーグ部分のジューシー感、うまみは勝るような気もする。

とはいうものの、端からマックの顧客層とは言えない私の立場では、リピーターとなるほどかというとどうだろう?KUA’AINAのように高級ではないので、比較的日常的にマックを利用している人にとっては、いい選択肢ができたのかもしれない。でも佐世保バーガーを食べた時のようなオリジナルな新鮮さはない。やはり味は、舌で感じる味覚だけでなく、商品そのものを見た感じや食べる場所の雰囲気など、総合して捉えられるものだからだろう。

今、佐世保バーガーに限らず、各地でご当地B級グルメとしてオリジナルハンバーガーを開発し、売ろうとする動きがあるようだ。やや古いネットニュース記事にもあったが、にもかかわらず消費者意識の調査ではハンバーガーを食べる頻度は「変わらない」という意見が多く、「増えた」とする意見は1割に満たないようだ。ハンバーガーに望むことの意見に「野菜の量を多く」というものが多いように、もはやファストフードも栄養バランスや健康イメージを求められるよう。もっともそう答えたのは、従来のハンバーガーヘビーユーザーではないのかもしれない。

いずれにしても、ハンバーガーの話題はメジャー・マイナー入り乱れ、賑やかであることは確か。やっぱり時節柄、500円前後の外食にプチ贅沢が求められているということなのだろうか。マックとしても以前のように100円バーガーで話題をふりまくよりは、今の時代あらゆる意味で正しい選択だったかもしれない。


ラジコンを買う人

2008-11-25 21:29:55 | デジタル・インターネット

先日に続いて、似たようなタイトルになったが、デジタル一眼レフの次はラジコン。

今日たまたまメトロの駅でR25をもらって読んだら、ボーナスシーズンということもあり、ヒット商品が掲載されていた。たまたまデジタル一眼レフのことが出てきて、自分の購入も一応まだ検討中なので、興味深く見た。フリーペーパーで情報が薄いので、そのことに関しては大して役に立たず、やっぱり売れているんだということを再認識したくらいだが、むしろ目に引いたのはラジコンの方。こちらは20~30代の男性に売れているらしい。しかも室内で飛ばせるタイプの飛行機が…。これは私は今も昔も性別はオンナだけど、この心理はよくわかる。私もほしいと思う(絶対に買わないけど、欲求は実感できる)。

なぜか?と聞かれても、理屈なんかまったくない。カメラ以上に、というか、比較してはカメラに失礼なくらいに何に役立つのかわからないし、すぐ飽きることも目に見えている気がする。でも子どもの頃、親に買ってもらった人も、そうでない人も、その頃のものより絶対に進化しているだろうし、価格もこなれているだろう。ノスタルジーを超えて、何か試してみたい衝動にかられる。家の中でこっそり飛ばす分には、息子でもいなければ、奥さんや娘の冷たい目線はあるかもしれないが、まあ恥ずかしくもない。コレクター魂も刺激しそうだ。

・・・と考えると、カメラも似たようなものかもしれない。でも結局のところ、カメラは自分で操作する頃には、バカチョン(今は差別用語といわれるか、あるいは既に死語)と呼ばれていた簡単なカメラがあったし(もちろんフィルム・・・物心ついたらデジカメだったというほど若くない)、ラジコンも女の子だったから触ったことがなく、原体験がない。でも製品自体はちゃんとあって、市場でポジションも築いていたが、今より価格はずっと高かった。前者はプロの人や本当に趣味で写真の好きな人が使っていた。後者は、何でも買ってもらえる感じの家の男の子が持っていた。横目で見て、難しそう、高そう、自分の範疇のものではないと、感じていたわけだ。

要は一からやってみようという気概と関心を高めないと、少なくとも私の場合はどっちも購買に踏み切れないということになる。

そういう意味ではデジタル一眼レフも、ラジコンも、一世代下の20、30代に今注目されているというのはわかる気がする。余計なマイナスイメージが希薄なのだろう。また、手を変え品を変え、多角的なマーケティングで質の高い商品の提供があるために、難しさが新鮮に映るのかもしれない。そういえば表参道ヒルズにもラジコンの店がオープン当初から入居して話題になった。今ももちろんあるようだ。 ※ヒルズはサーキットということで、飛行機は飛んでいないと思います。


デジタル一眼レフを買う人

2008-11-23 23:47:06 | デジタル・インターネット

自分がほしいと思っているからかもしれないが、最近やたらデジタル一眼レフカメラのCMや各メディアの広告を見るような気がする。ついこの前の日経新聞に景況が悪くなって我慢する「物」(サービス含まず)の上位にデジタル一眼レフが出ていたように記憶している。我慢するというからにはニーズがあるわけで、ほしいと思っている人は多いということだろう。

ここでいうデジタル一眼レフは、10万円前後の値ごろ感があるといわれているもので、いわゆるプロ用ではない。写真を趣味として極めている人にもやや物足らないかもしれない。このラインの製品をキヤノン、ニコン、カシオなどの主要メーカーが一様に力を入れている。いわゆるコンパクトタイプはあらゆるメーカー(カメラを従来得意としなかった、電機メーカーも)が参入し、すっかりコモディティ化した。その上、ケータイはもとより、最近ではゲーム機(他のメーカーは知らないがDSの最新機種に搭載)にまで、まるで付属品のようについている。

フィルムからデジタルに代わる一歩手前、使い捨てフィルム台頭の時とちょっと似た様相を見せ始めている。今のところ、デジタルに代わるカメラは出てきていないけれど、外側のカメラという形にこだわらないという意味で。

カメラメーカーとしてはそれじゃいかんと、カメラ本来の機能性と写真を撮る楽しさを訴求するために一眼レフ。しかもフィルムで撮るカメラより簡単、ケータイやコンパクトのものより手ぶれが少なく、シャッタースピードが速いということを売りにしているのだろう。もちろん高精細は言うまでもなく。

でも買うまで踏み切れない。別に趣味が写真ではないので、入ってくる情報以外に積極的に知ろうとしないからだが、前述の要素以外のメリットがわかりにくいし、メーカー間の違い、新旧型番による違いもよくわからない。それでもほしいと思う理由は、仕事で使用するからだが、それこそカメラマンではないので、さすがにケータイだと被写体に失礼だが、コンパクトタイプで用が足りる。下手に難しいものを使って失敗するよりは…というのもある。何より出張に持参するには重いし嵩になると、結局ネガティブ要素を探してしまい、お預け状態。値段も安いとは言い切れない微妙な価格だ。

自分のことはさておき、仕事で使用する人以外で、デジタル一眼レフのターゲットはどういう人だろうと考えてみても、どうもはっきりしない。どこの会社のCMをみても、絞り込まれていない気がする。かろうじでカシオは若い女性を狙っているのかな(ニコンも木村拓哉さんということは若い女性?)、と思うが、普通の若い女性が現実的にどんな場面で一眼レフを使うのかまで、イメージできない。キレイな写真でブログをアップしている人は、一眼レフで撮っているのかもしれないが、それはそれで面倒くさそうだ。結局、「趣味はカメラ(写真)です」と堂々と言えるくらいの人がターゲットなのかもしれない。キヤノンのCM(渡辺謙さん)はその辺を狙っていそうだ。でもそういう人って、現実的にどれくらいいるのだろう。

デジタルビデオカメラは小さな子どもを持つ親や祖父母というのが真っ先に思い浮かぶのだが、デジカメもそれを補完するものとして、子どもが被写体になっていたりするのだろうか。確かに自分がもし小さな子どもだったら、大人や思春期になってから、たとえば運動会でビリになる様子みたいな、変なムービーを見せられるよりは、デジカメプリントの方が罪がなくて有難い気もするが…。

我慢する商品の1位にならないためには、PRに今一歩工夫が必要かもしれない。


立って飲む人たち

2008-11-16 01:27:01 | まち歩き

日経新聞に載っていたが、不況感で消費が冷え込み、その中でも生活者がもっとも我慢するのが「外食」らしい。ランチを弁当に、ファミレスには行かず家族で内食、とパターンはいろいろ考えられるが、何だかんだ言って、やっぱり節約ターゲットは既婚男性の飲み代だと思う。居酒屋チェーンが前年比割れとか、如実に数字に出ているものもあるらしいが、実感としてはどうだろうか。

事務所の向かいにイタリアンバール風スタンディングバー、何軒か隣に赤提灯の立ち飲みがある。どっちもわりといつも人があふれている。赤提灯は知らないが、バールの方はとりたてて安いわけではない。居酒屋チェーンよりは明らかに高い。チェーン店ならずももっと安くて椅子のある店はいくらでもある。にもかかわらず、この2店にかかわらず、立って飲む、食べる店は人気がある。最近は寿司屋もあるくらいだ。店側は早い回転率と高い坪効率がメリットなのはわかる。酔っ払って寝込まれることもないだろう。

飲む側の論理としては、店と利害が一致して、長居をしたくない、酔いつぶれることなくスマートに飲みたいというのがあると思う。最近よく言われることだが、いわゆる心から望まない関係性(たとえば気の合わない上司と部下など)での飲みニケーションが減り、職場の人間関係がドライになった。それでも同僚と仕事帰りに少し話をしたいときもあるだろうし、一人で食事や酒を飲みたくない時もあるだろう。そういう時にスタンディングが、ダラダラ・ベタベタにならずに便利というのがあるのではないか。

同じ日経に掲載された中で消費の引き締めの中でも買いたいものに、薄型テレビなどが入ったようだ。地デジを見すえ、といってももう少し先の話。外から家の中の生活に向いているということではないか。飲まずに帰る、あるいは飲んでもすぐに帰るのだから、その代替に家でテレビや映画を観たり、ゲームをしていると言ってしまえば短絡的すぎるけれど、好景気でも不況でも人に与えられた24時間は変わらない。急激に失業率があがれば別だが、今程度のブレなら代替消費は何らかの形で発生する。むしろ「仕事+飲む」以外の日常的な余暇は増えているかもしれない。余暇がたとえば家族と共に過ごす時間が代わっているなら、代替消費としては弱くても、それはそれで豊かなこと。古きバブルの時代、恩恵は大してなくとも既に社会で生きていたけれど、自分の若さに懐かしさはあっても、時代背景を考えると戻りたくないと思う。政治はともかく、生活者全般は今の方が少しは理性的で成熟しているような気がする。


都市とクルマの相性

2008-11-14 23:45:47 | まち歩き

クルマメーカーは今都市部の内需には大きな期待していないと思うが、日本の都市生活者のほとんどの人にとって、クルマを持つのはかなり不経済だ。特に都市部にマンション等を購入あるいは賃貸をしている人にとって、さらに高額(過疎地の家賃並み)の駐車場代、保険料、カーローンを毎月支払い、通勤にも使わないのでは、そこそこ可処分所得がある恵まれた人でもハタと考えてしまうだろう。まだ収入の少ない若い人はなおさらだ。私も免許は持っているが、一度も所有した経験はない。たとえば東京都の勤労者の平均年収は、おそらくもっとも高いはずだが、所有率は1世帯当たり0.5台程度でもっとも低い。他に所有率が低いのは、本州の愛知(←さすがお膝元)以外の大都市圏にある都府県だ。

都市部でクルマ購入のニーズと経済的条件を備えているのは、家族を持ち(やっぱり複数での移動では便利)、できれば駐車場付きの一戸建てを持つか、親が所有するか譲り受け、むろん一定の安定した収入のある人。できれば仕事や趣味などでどうしても使いたい理由がある、さらにクルマ好きならターゲットとしては申し分ない。

しかし地方の交通の便の悪い地域でクルマを買ってもらうことはそれほど難しくない。それでも最近は燃費の悪い大型車は売れず、軽や小型車が主流だという。三菱自動車の代理店がスズキ製を売り始めたというニュースがつい先ごろ出ていたくらいだ。

狭い島国でもクルマ産業が他をけん引するビジネスなのは、モノづくり技術によって外国で勝負できるからだ。外国旅行をしたらまず目に入る日本製は自動車やバイクなどのモーター系。でもクルマを主産業の一つに数えている国は日本だけではない。今日本のカーメーカーより悲惨な状況のアメリカはもとより、ドイツ、イギリス、韓国、フランス、イタリアも決して自国内で小さなパイではないと思う。いわば先進国の代表格である国の多くが、モータリゼーションに依存している部分が多いということになる。インドなど新興国も追い上げているので、海外でも今後は一層厳しい競争が予想される。

建設もそうだが、巨大産業が弱ることで、周辺事業が共倒れするリスクが問題をより大きくする。クルマに関して言えば、部品メーカーはもとより保険・金融業、駐車場事業、ガソリンスタンド等を入れれば、さらに巨大なビジネススケールになる。しかし皮肉なことに、例えば今内需で課題になっている若年層の利用を促進するなら、これらの固定費の重さそのものが阻害要因になっている。

ならば、やや暴論だが、地方経済や若者など、今のビジネス社会でどちらかといえば弱者になってしまっている人たちに、安定的な仕事と住居がなければ、国内における自家用車所有の底上げは厳しいということにもつながる。そして今、むしろ保険など若者ほど高くなっている固定費にコストダウンのアイデアがないか、固定費や燃料費が安いコンパクトカー、軽自動車のデザインセンスをさらに高められないか。工夫の余地はまだありそう。それともう一つ、私のようなペーパードライバーには、教習所のペーパードライバー講習の敷居が高すぎる。そもそも都市部では近所に施設がない。そういう掘り起こしの余地も少しはありそうだ。