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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

スタンダードの悲哀

2004-11-29 00:05:15 | ニュース
一時はあんなに大騒ぎしたのに、数ヶ月したら火を消したようにそのことに触れなくなることは、この国のマスコミにはよくあること。しかも何ひとつ問題が解決していないにもかかわらず。でも1、2週間前(11月20日前後)に久々にその店名を新聞で見た。吉野家がとうとうすき家に抜かれたという。

私は吉野家の牛丼を生まれてから数えるほどしか食べたことがない。多分せいぜい5回前後だろう。すき家は1回だけだ。別に高級なものを食べていると自慢しているわけではなく、マックのハンバーガーや大戸屋の定食は、牛丼よりはるかに食べている。早い話、牛丼が好きではないだけだ。あの中途半端に甘いつゆとごはんの融合が苦手。これは個人の自由。

先日、たまたま「なか卯」の前を通りかかった。なか卯は私にとっては牛丼屋ではなく、うどん屋だ。夕方近かったが、昼食をとっていなかったので、うどんを食べようと入ると豚の角煮丼の写真が目に付き、血迷ってそれにしたが、間に挟まった生野菜(ミズナだったかな?)がさっぱりしていて美味しかった。むろんなか卯も苦しいのだろうが、私にしてみれば別に豚でいいじゃないかと思う。多分マスコミが煽るほどに、他の人たちだって牛丼がなくても生きていけるのだ。そう考えれば、こういう事態になると牛丼のスタンダードである「吉野家」は厳しい。平時には「コア・コンピタンシーを持つべきだ」だの、「トップブランドが最強」だの言うくせに、いざこういう事態になると元々リスク分散して、牛丼もうどんもと売っている店にダメージが少なかったりする。牛丼のイメージが強烈でない分、別のメニューも受け入れられやすい。新たな国の牛が登場しても、前の味とは云々という講釈も生まれにくい。

ところで500円前後の昼食メニューの顧客層のスタンダードは、間違いなく男性だ。いくら女性が消費の主役といってもこれだけは変わらない。なぜなら世間で働いて、昼時にランチを食べに外に出るのは、圧倒的に男性の数が多いのだから。そういう意味で吉野家受難は、男性受難につながっているのかもしれない。スタンダードは平時には強いが、非常事態には堪えなければならない運命なのかも。たかが牛丼、されど…。



私へのご褒美とオトコへのプレゼント

2004-11-27 15:17:12 | コスメ・ファッション
ドゥ・ラ・メール モイスチャライジング クリーム 16.5oz
これは不況下のトレンドだと思う。おそらく10年ぐらい前から年末近くなると、Hanakoをはじめとした女性誌には『がんばった自分へのごほうび』というワードが必ず載り、高価なブランド商品が誌面を賑わす。年毎に新作が掲載されるが、アイテムとブランドはここ数年代わり映えしない。あえてここ数年の傾向を探れば、高級スキンケア化粧品のバリエーション(でも今年はバカみたいに高いのは減った。ドゥ・ラ・メール183,000円のクリームくらいで…)が増えたこと、なぜかショコラ(チョコレートのことです!)みたいな、まあ誰にでも買える商品ラインナップも充実してきていることぐらいだ。確かにショコラも普段なら買わないだろ、というくらいには高いけれど。

あたりまえだけど、ここ10年でオンナが急に頑張り出したわけではない。というより、本当に頑張っているオンナは、あえてこんなことしないか、日常から頻繁に贅沢をしている。クリスマスのティファニーにオトコが並べなくなったことへのマーケットの代替プランがいまだに淡々と続いているだけ。ワーディングのマンネリ感にはおそらく編集者やライターは気づいてはいるのだろうけど、これに変わる年末の切り口が見つかっていないに違いない。

誌面の真ん中あたりに、がくんと商品ラインナップが陳腐になり、価格帯も落ちるゾーンがある。よく見ると『カレへのプレゼント』。クリスマスキャンドルとか、ルームシューズとか、冒頭の「私へのごほうび」のブルガリやショパールのジュエリーを買えばもれなくついてきそうなものばかり(AV機器もあるが、少しだけ)。でもこれは仕方ない。なぜならこの「カレ」はどうも恋人が対象でないような論調だから。男友だちや会社の同僚って書いてある。もはや本当の恋人や夫には、プレゼントそのものが不要なのかも。そういえば私のまわりにも以前は、恋人の誕生日に信じられないような高価な靴やビジネスバッグをプレゼントする女性がいた。恋人にそれこそ頑張ってプレゼントをしていたのは、オトコばかりではなかった。今や釣った魚になんとか…もオトコの専売特許じゃないような。

これはお金では買えない本物の恋愛の回帰なのか、単にオトコもオンナも自分以外にお金を使わなくなっただけなのか…。
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雑誌だけじゃないJALパックも…
『私にごほうび なりたい自分になれる旅』
http://www.jal.co.jp/tours/jlpk/gohoubi/03england/



色のチカラ

2004-11-26 23:05:03 | アート・文化
ソニー ノートパソコン VAIO typeT VGN-T72B/T
この秋に出たバイオtype-Tが欲しい。バーガンディーブラウンの方。パソコンの性能や軽さといった機能性に魅かれているのではない。あくまで色とデザイン、視覚的なアプローチに反応している。最近、やっと日本のインダストリアルデザインの選択肢が増えてきた。特に色のバリエーションは急速に豊かになっている。パソコンや携帯電話だけではない。キッチン家電やエアコン、洗濯機、車、自転車etc. 特にこれまで白物家電と包括されていた分野でも、ワインカラーやオレンジ、黄色など、派手な暖色系が登場してきた。日産マーチが提案したカラーバリエーションもインパクトがあった。

これまでの日本人の感覚は無難であることが一つの判断基準だった。特に車は下取り価格のことを考え、ベーシックカラーを選ぶ傾向は今でもある。白物家電は他のインテリアとの調和を考える。けれども家族の単位、モノを共有する人数がどんどん小さくなり、車以外のマシン類は使い捨てが当たり前になると、デザインを選ぶ自由度が増す。

なかでも色が持つチカラは小さくない。例えばインテリア全体の中で埋没するのも、主張するのも、溶け込み調和を保つのも、色によるところが大きい。また、エルメスオレンジやフェラーリレッドは、パワーブランドの重要なファクターになっている。日本人、特に女性はパステルカラーが好きだが、パステルカラーが似合わない日本人女性もいる。自分の色を見つけること、自分と相性の良い色の商品を選ぶことは、個人の豊かな自由であり、その人の大切なセンス。そしてその自由に応える高感度なプロダクトの存在が不可欠だと思う。
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*シャープ ウォーターオーブン『ヘルシオ』
 http://www.sharp.co.jp/products/axhc1/index.html
*サンヨー インバーターエアコン『新・呼吸するエアコン四季彩館』
 http://www.e-life-sanyo.com/products/sap/SAP-EX28R_D/index.html
*日産マーチ
http://www.nissan.co.jp/MARCH/K12/0404/EXTER/main2.html


「東京水」のブランド力

2004-11-24 01:42:17 | ニュース
water石原東京都知事がミネラルウォーターのボトルを持ってPRをしていると思ったら、それは実は水道水だった。東京都水道局が高度浄水処理水を開発したらしい。都庁で500ml=100円で販売しているらしい。

昔は外国に行くと水道水が飲めなくて大変だと言っていたが、今は日本でも飲用水は買うということが一般的。うちもアスクルでボルビックをまとめ買いし、コーヒー用とそのまま飲む場合はボルビック、煮炊き用はスーパーでもらってくるタダの浄水を使っている。「東京」という地名はブランド力がある。千葉にある空港もテーマパークも「東京…」の冠がつく(成田空港は最近やっと成田に改名している)。境目であっても、東京都世田谷区と狛江市なら前者の方が地代は高い。今、各地方で「地域のブランド化」流行りだが、東京ブランドは強い。けれども農作物などの自然に根付くものはこの限りではない。東京米より「魚沼産」、水も東京水より「南アルプスの…」と言われた方が美味しそうだ。

そこをあえて「東京水」、しかも水道水だ。500ml=100円といえば高く感じないかもしれないが、2?=400円の水はミネラルウォーターでも珍しい。東京都水道局は民間ではなく公共機関なのに、それにしては高値がついている(民業圧迫と言われないため?)。もっとも現在はまだ販売チャネルも少なく、売上にはさほど貢献しないだろう。けれども水道局も「安全でおいしい」という視点から水を研究開発しているというPRにはなるし、将来的にはこの水が水道からも出てくるようになるのでは…という期待感にもつながる。そういう意味では興味深い試みといえる。



叶姉妹は女性人気でもっている

2004-11-23 15:26:40 | ニュース
オンナも30代になると、他人には手厳しく、口が悪くなる。こと芸能人に対しては何をいっても大した責任はないので、より厳しくなる。藤原紀香はもはや痛々しい、米倉はそれに続くはず…などなど。でもなぜか叶姉妹に対しては、あまり悪口をきかない(私のまわりだけかもしれないが)。むしろ人気がある。

なぜだろうと考えると…。多分等身大というキーワードの真反対にいて、私たちが普段悩んだり、考えたりしていることは、関係がないファンタジーの中にいるような不思議な存在感。メディアに対して恐ろしく戦略的でありながら、明日消え去ったとしても「私たち構いませんわ」という感じの堂々とした風格。つまり年齢的にはもはや若くないのに、一生懸命さを感じない。かといって、私生活がわかりにくいので、山口智子みたいにダンナがいて幸せだから働かなくていいの的な、妬みに転換しかねない羨望の的にもならない。ボディの嘘っぽさもおもしろい。多分そういうところ・・・。演技が下手でもモデルだから仕方ないとあまりバッシングの対象にならない川原亜矢子の浮遊感とも、また少し違った意味での女性人気で支えられていると思っていた。

でも美香さんの新曲発表はイタイ。まあ、消えかけの状況に、話題性をもって復活って感じだと思う。やっぱり彼女たちも消えたくはないのだろう。でもピンクレディが40代で一時復活再結成は、「もと」があるからいいのに、美香さんにいきなり「キュ、ボン」っていわれても…。多分狙ったのは「超キワモノ」だと思うけれども、これで当るのか?忘年会でみなさんに歌って踊ってほしいそうだけどどうかなぁ・・・。