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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

フルレングスを買う余裕、売る余力

2015-05-25 23:24:29 | コスメ・ファッション

スカートをほとんど着ない私にとって、パンツのすその長さは服を選ぶときには重要なポイントなのですが、このところ、とくに夏場はフルレングス(要するに10分丈、足首が隠れる長さ)をあまり見かけなくなりました。いわゆるミセスブランドは別として、カジュアルウェアの場合は、デニムなどのスタンダードなアイテムを除いては、本当に少ない。実際、街を歩く若いママや女性を見ても、たいていくるぶしが出る7分から9分丈くらいのパンツスタイルです。

私も仕事で着る服でも結構持っているのですが、やっぱりカジュアル感は否めません。年齢的なものも意識を始めているのかもしれません。

でも本当に売り場にフルレングスのパンツは少なくなっているのです。

なぜなのか。想像ですが、流行というだけでは片づけられない部分に理由があると思います。すそ上げが面倒なのですよ、売る方も買う方も。

以前はすそ上げはすること前提で、切りっぱなしで売っているパンツも結構ありました。試着室で採寸をして、1000円くらいで預け、その日中にできるだの、明日になるから取りに来るだの、送ってくれだの、いろいろそのときの都合に応じて、やりとりをしたものです。ところが最近は、フルレングスのパンツを買ったところで、なかなか話がすそ上げまでたどり着きません。

「少し長めですけど、ヒールを履かれたらぴったりです」「すそを折り上げてもおしゃれです」

その点、最初から短い9分丈未満なら、余程のこだわりがなければすそ上げの手間はないです。服を買う方にも売る方にも、心の余裕がなくなったということでしょう。

それでも私の場合は、身長が女性平均よりやや高いので、実際にすそ上げなしで着られるものも多いのですが、そうでない人はどうしているのでしょうか。そこは9分丈デザインが活躍……なのでしょうか。

心の余裕だけの問題ではないかもしれません。すそ上げをする人材不足という可能性もあります。マジックミシンという服のリフォームのチェーン店にコートを持っていったとき、働いていたのはアジア系の外国人の方です。別に構わないのですが、日本人でいわゆる洋裁ができる人(ミシンをちゃんと使える人)が減っているのだと思います。

自分がいわゆるこういうところでパートをする女性たちと同年代になりつつあって思うのですが、私が高校を出る頃ですでに大学や短大の家政学科に進む女性は減っていましたし、行っても保育か栄養学などの食関連を学ぶためでした。高校を卒業して縫製工場などに就職した女性も私の周りには1人もいませんでした。着物の町・京都ですらそうです。行った高校が共学の普通科だったからかもしれませんが、同世代で自分や子どもの服を自分で作っている人が周りにはいないし、いてもそれは職業にするというより、優雅な趣味の感覚です。

今では京都でも和服の縫製すら、一定の量の生産品ならベトナムの工場に発注している場合が多いそうです。このことからも縫製分野の人手不足は勘違いではないでしょう。人手不足になりつつある仕事は、意外と身近にあるものです。メンズファッションには不可欠な仕事なので、今すぐ絶滅危惧というほどではないかもしれませんが。


ジェルネイルはイノベーション

2015-02-06 02:11:26 | コスメ・ファッション

何かの番組で、20代~40代の女性のうち、過半数が3カ月に1度以上ネイルサロンに行くというアンケート結果が紹介されていました。

意外と多いなあというのが率直な印象。事実ならジェルネイルの普及が貢献しているように思います。

爪の手入れをサロンですることが定着してどれくらい経つのでしょう。記憶では20年くらい前かなと思います。女性起業家が低価格のサロンを多店舗展開しだした頃です。でも当時は、マニキュアでした。ちょっと気取って、ポリッシュと呼ばれはじめましたが、同じ意味です。パンツとズボン、デニムパンツとジーパン(ジーンズ)、ストリングとガット、ポリッシュとマニキュアです。

仕上がりにかなり差があるとはいえ、マニキュアなら家でもできます。実際、まだ当時は自宅で塗っていた人が多かったように思います。時々、気分転換にサロンに行っても、除光液で簡単に取れますから、またしばらく自分で付け替えて……と、なかなかサロン通いは定着しませんでした。

ところが8年くらい前でしょうか(何年前かは主観)。ジェルネイルなるものが登場し、これを一度やってしまうと、自分で付けるどころか、取ることもままならず、間断なく通い続けることになるのです。もっとも1~2週間であやしくなるマニキュアと違い、3週間から1カ月は持つのですが、自分で付けるとなると道具も必要で、そこまで手間をかける人は少ないと思います。

簡単にいうと、ジェル状の樹脂を熱で固めるもので、マニキュアとは機能は同じでも非なるものです。

テレビが大画面になって映画を観に行かなくなったと昨日書きましたが、ネイルは逆で、今まで家でもできたことがやりにくくなりました。そのことでネイルケアとアートを外注する人が増えたなら、ネイルサロン業界にとって、ジェルネイルの普及は、一種のイノベーションといってもいいかもしれません。

もっともメイクアップやスキンケアと違い、そもそも爪には何も塗らないという女性も結構な数いますから、それほど大きな産業にはならないのですが、サロンの数はずいぶん増えています。その分、ネイリストの人数も増えているということでしょう。日本の女性は手先が器用な人が多いのだと感心します。そして職業に対して柔軟です。普及に合わせて学校に行き、プロになる人が続々現れるわけですから。

 

※ちなみに、外国にもネイルサロンはありますが、欧米、とくにアメリカは手先が器用なアジア女性が働いているケースが多いようです。


乾燥は肌とからだの敵だから

2015-01-15 23:11:28 | コスメ・ファッション

東京では今日久しぶりに雨が降った気がします。少し湿度が上がって、ほっとしました。

乾燥といえば、まずこわいのは火事ですが、あとは喉も痛くなるし風邪の危険も増します。どれも気を付けて、今のところ、大丈夫ですが、肌やからだの感想はいかんともしがたいです。

そこで今年からこんなものを使っています。

ellips。バリ島みやげとして有名な流さないでOKのヘアトリートメントです。日本のものだと椿油などが有名ですが、これは1つずつキューブになっているので、持ち運びが便利です。たとえばスポーツクラブや温泉で急激に髪を乾かすときなど、髪の乾燥を防げます。

もう一つ、これは正真正銘はちみつですが、顔につけます。

蜂かアリでも寄ってこないか、不安になりますが、化粧品の創意工夫ぶりには驚きます。何でも顔や頭につけるように加工されるわけですから。


キャリアファッションの迷走

2012-01-07 19:32:28 | コスメ・ファッション

ソニーが新卒採用時にスーツ不要とのこと。確かに制服でもないのに、街中でもなぜか「私は求職中の学生」と主張するリクルートスタイルは不要かもしれません。会社に入ると、クールビズを大義名分に、いきなり自由度が上がりますしね。

しかしこれが波及すると、百貨店はまた一つビジネスチャンスを失います。

それとは別に働く30代後半から40代くらいの女性のスタイルが定まりません。

自分の周囲を見渡しても、これぞ“アラフォー・キャリアファッション”というスタイルは見当たりません。確かに子育てママのように子どもが6歳になったらランドセルを買い与え、自分もセレモニーファッションを、というような半強制的なマーケティングが成立しないのは確かです。ワークスタイルも事務職から接客、営業、経営、主婦のパートや派遣など、「OL」と一括りにはできません。かといって、よほどお堅い業種のキャリアでもない限り、スーツもあまり見かけません。

自分を顧みても、ここ10年以上同じブランドを着ている気がします。そこにH&Mのようなファストファッションを試すことはありますが、アウターやボトムスはだいたい同じです。おのずと購買意欲も、回数も減少します。

なぜこの世代のファッションマーケティングが難しいのか。

いまだニッチなのです。日本は類稀な女性就労のM字曲線が残る国の一つです。子育て中の就労率が著しく低く、その世代の専業主婦が多いということです。これで少子化というのだから不思議な国です。儒教が色濃く残る韓国では似た傾向にありましたが、欧州はもとより中国も平等です。アメリカも最近のホームドラマは豊かな家庭を描いていても、いつの間にか奥さんが仕事をしていますよね(例えば『デスパレートな妻たち』みたいに)。

要は対象年齢で働いている女性が少なく、なおかつ内勤でも事務服着用の会社もあります。マイノリティ=参考にできるデータが少ないということです。

とはいうものの、近年制服着用の会社は減り、少しずつですが中間年齢の就業状況も改善されつつあります。クールビズやウォームビズがメンズファッション業界にとってのビジネスチャンスだったように、狙い目ではあるはずです。単品でシャツ・ブラウスがここ数年売れている事象を見ても、ニーズはあるのです。

一方で今、元気のある大手SPA系アパレル会社の視線は、カジュアルライン中心で若返ってもいます。若い日本人が多いからではありません。何しろ日本は全国民の平均年齢が40代半ばという超高齢化社会です。ただ、日本でデザインしたものを、比較的そのままアジアに持っていけるという狙いがあるからです。SPA系アパレルの多くはアジアに出ています。繊維業は生産を既にアジアに移しているので、そのまま消費地としての開拓がしやすく、大失敗したという話は今のところあまり聞こえてきません。中国企業に買収された企業はありますが…

しかし社会的背景から、キャリアファッションが定まらないように、ファッションとライフスタイルや国の文化は密接なものです。アジアの若い女の子が日本のファッションを支持するのは、その背景に日本のタレントや映像、アニメなどの影響を受けているのです。日本の同世代の女の子が元気でなければ、どんなにデザイナーが知恵を絞っても、やがてアジアでも飽きられてしまいます。また、自分たちで自国の文化を育成してしまいます。

とりわけファッションやカルチャーは内需に元気がなければ、外需にはつながりにくいのです。

そういう意味では、日本の消費を元気にするために、まだやれることはあるのかもしれません。昔から「消費者マーケティングは女性視点で」と言われ続けていますが、私たちは買い物マシーンではありません。仮にそうでも、家族の収入や地位が高値安定してこそ可能なことです。

ある時は生産側に立ち(働き)、趣味や向学心や周囲への愛情を持ててこそ、服を買いたいと思うのです。ある時代、女性がオシャレをするのは自己満足のためと言われたこともありましたが、そんなことはありません。多くの場合は、身近な人との関係を含めた社会で生きるためです。


安さよりも欲しいもの

2012-01-05 22:37:49 | コスメ・ファッション

初詣の帰りに銀座のadidasに寄り「これほしいけどスポーツonlyの使用で、16,000円(バーゲン価格)はね」と、横にいた友人に言うと「幕張のアウトレットにもadidasはあるでぇ~」とのこと。ちなみにNikeasicsもあるでぇ~ということで、ブランドにこだわりはなかったので別の日に幕張に行ってみました。

アウトレットもバーゲン中(&正月休み中)ということで大混雑。アウトレットという時点で価格訴求、それがさらにバーゲンやクリアランスでプライスダウンはいまや常識だけど、もはや適正価格の定義が難しくなっているのも事実です。でもやっぱりこのデフレの中でも、安さに惹かれるのも人の常。みなさん結構買い物をしていました。

ところが欲しいダウンベストは見当たりません。adidasだけでなく、別のスポーツ系ブランドショップにも。唯一、Mont何とかという山登り系(多分モンベルだったと思うけど違ったかも)にあったけど、イマイチ気に入りません。しかもプライスダウン対象外です。せっかく来たから、仕事で履く靴だけでも買いたかったけど、ボリュームゾーンのサイズにもかかわらず、買ってもいいなと思うものはサイズ切れでした。

結局何も買わず、その足で銀座に行き、欲しいものを買いました。サイズもまだ揃っていました。

そこそこ歳をとると、そう頻繁に買い物をするわけではありません。特に冬のアウターはたくさん買っても邪魔になるだけです。平均的な家族数で、都市部マンションの平均的なスペースで住んでいる場合は、さらに1人あたりのクローゼットのスペースは限られたものになるでしょう。着用する冬の間はトランクルームに入れておくわけにもいきません。

よく最近は「節約疲れでプチ贅沢」と言われますが、節約や安いことに疲れたわけではありません。低価格を求めると損なわれるかもしれないもの(リスク)があるだけです。それは欲しいものやサイズの欠品だったり、安全性であったり、遠くに行く労力や交通費だったり、行った後のがっかり感だったり。だから安くても確実なものを提供するユニクロなどは、多少の浮き沈みはあっても、グローバルカンパニーになり得るのです。

銀座ではユニクロにも寄りました。アウターが予算オーバーゆえ「替えボトムはユニクロでいいや」という発想です。上がadidasだと下も同じに見えなくもないですしね(見えません)。ユニクロにはスポーツ用と言われたコーナーで、選択の余地があるボトムは大別して3種しかありませんでした。すべて試着しましたが、一番安いものが履き心地は一番でした。要は戦略商品だから、売れる。大量生産するから、安くなる。至ってシンプルな構造です。

余談ですが、ユニクロにはもう少しスポーツウェアの内容を良くしてほしいです。世界各国、暑い、寒いはいろいろでも、スポーツは皆するでしょう。まだそんな余裕はないという途上国にも、スポーツをする喜びや価値は広めてほしいものです。そのためにも錦織圭や国枝慎吾のウェア・スポンサードもしているのでしょうし。

もっとも彼らのファンからしてみれば、その前にもうちょっとかっこいいウェアを着せてあげてほしいというのが本音のようです…(Twitterでそういう意見を時々見かけます)

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