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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

「友だちへ~Say What You Will」はコラボの限界?

2005-01-20 02:48:32 | ニュース
エリック・クラプトンの曲は悪くないのかもしれない。竹内まりやの詩も彼女らしいといえば、彼女らしい。SMAPはSMAPだ。誰も失敗はしていない、きっと。だけど、この曲を初めて聴いた時の感想は、「えっ…?これなの?」

組み合わせが豪華すぎた。SMAPが2年近く曲を発表してこなかった「溜め」も効きすぎた。そう期待感を必要以上に醸成しすぎた。もしこの曲が思ったよりヒットしなかったら、最大の理由は期待感と実際のギャップ。まずメッセージソングはやめたほうが良かった。どうしても前曲と比べられる。比較されることを織り込み済みで実現させた豪華コラボレーションにも限界を感じる。成功するコラボレーションは、1+1=2をはるかに超える力を出してこそ。または1+1がまったく新しい何かを生み出してこそ評価される。

企業同士のコラボでも互いの主張が強すぎたり、利害が対立したりすると失敗することも多い。ましてや個人の才能同士の組み合わせは、よほど有能なプロデューサーの存在がなければ、互いが遠慮してそれぞれの1を出し切れないか、主張しすぎて調和がとれないかどちらかに陥りやすい。今回は少なくとも主張しすぎている感じはしない。メッセージソングをコンセプトにしているのに、ぱっと聞いて言葉が響いてこない。だから曲にもチカラを感じない。SMAPの曲は、時代の空気を捉えた作詞のチカラでもっているものが多い。SMAPのファン以外から、「夜空ノムコウ」ってよく聞くと詩がイイんだよね、みたいなことを言う声を何度も聞いたことがある。今回「友だちへ」をエリック・クラプトンや竹内まりやの名前を伏せて発表していたら、こうした評価が聞こえるだろうか?個のブランド力を結集したといえばそれまでだけれど、才能も名前もある人たちばかりだけに、少しもったいないような気がする。

前曲を超えようとするあまり、策を弄しすぎた感じ。愛・地球博テーマソングっていうのも、これでもかという戦略性だけを感じる。



SK-Ⅱは早すぎない

2005-01-18 23:08:42 | コスメ・ファッション
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自分の加齢を認めるということは、勇気がいる。女同士で何か大人っぽいものや振る舞いを見て、「何か大人って感じね」と言ったとき、その「大人」の中に自分たちは入っていない。でもよくその人たちの顔を見ると、「あんた、十分に大人でしょ」と言いたくなるような年齢の女たちだったりする。

SK-Ⅱは言わずとしれたマックスファクターのロングセラーブランド。長く桃井かおりさんがキャラクターをつとめているアンチエージング(加齢抑制)スキンケアだ。使っている人にはすごく評判が良い。だから興味があるのだが、まだ一度も踏み出していない。そう、SK-Ⅱはまだ早いと思ってしまうわけだ。SK-Ⅱはお肌の曲がり角をとうに過ぎた大人のブランドということで売っているし、そうやってターゲットを絞り込むことで成功してきた。ところでこの場合の「大人」は何歳から?昔は25歳を過ぎたらお肌の曲がり角と言われていたが、女そのものがクリスマスケーキに例えられなくなってから、肌の曲がり角まで上方修正されてきた。他のブランドでもアンチエージングスキンケア商品を扱っているが、あるメーカーはだいたい30代以上を目途にアプローチしていると聞いたことがある。でもSK-Ⅱはその中でも特別というイメージがついているような気がする。

これには桃井かおりさんのキャラクターイメージによるところが大きい。化粧品ほど、起用されるタレントのイメージがブランドイメージを左右するものはない。桃井さんは女性の好感度は抜群だが、どうしても50歳前後からのイメージを与えてしまう。消費者が桃井さんみたいな素敵な歳のとり方をしていれば気にならないだろうが、若いと錯覚することで自らの気持ちを収めている部分もあるのでそうもいかない。だからだろう、最近は小雪を起用している。一気に若返り「SK-Ⅱは早すぎない」と、本当はとうにお肌の曲がり角を過ぎた私たちに囁きかける。昔のHanako世代の加齢を受けて、化粧品に限らず40代以上の大人の女狙いの商品は一気に増えたけど、当の本人たちの自覚がついていっていないことを露呈してしまった感じもする。

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モスバーガーの知恵袋

2005-01-15 13:31:18 | まち歩き
久々にモスバーガーに入った。カウンタースタッフは私の母と同世代の女性(60代?)。ファストフード店の制服がお世辞でも似合うとはいえない年齢だけれど、とても感じの良い応対をする人だった。カウンターのそばの4人掛けのテーブルに20代前半の華やかな女性グループが談笑していた。ちょっと声が大きめで目立つ感じ。そのうちの1人がおもむろに立ち上がり、カウンターにやってきた。私は注文が終わり、商品が出てくるのを待っていた。彼女はスタッフの女性に何か聞きたげだ。60代の女性がその様子に気がついて、声をかけると「(そちらのお客様が)終わってからでいいです」と遠慮がちに言った。

商品を持ち、椅子に腰掛けた後、気になってカウンターを振り返った。客の女性とスタッフが話しこんでいる。なんといわゆる香典袋の折り方を教わっていた。ただ、折ってあげているだけでなく、ちゃんと一折一折意味か何かを丁寧に教えながら。

ちょっとイイ光景だなと思った。聞いた女性もとても感じが良かった。教えてもらったことで本当に助かったようだった。働く場で日本は、特に女性は、まだまだ若い人が重宝される。旅館や料亭などならいざ知らず、ファストフード店なら尚更。でもこんな風に自分の仕事を大切にできる人が年齢とともに仕事を失い、生きる活力を削がれる社会には魅力がない。客にとっても、いくら若くても世間知らずで仕事にも意欲がないスタッフより、よほど気持ちよく利用できる。


24時間営業の適正

2005-01-12 23:49:15 | まち歩き
031004昨年末ごろだったか、ローソンが一部で24時間営業を取りやめると発表した。だけど、それは一部の不採算店や人通りが途絶える地域の話。今はコンビニが24時間営業は当たり前で、大型スーパーの営業時間も延び、24時間営業も珍しくない。いわゆるGMSといわれる店舗は、都心にはなく、住宅密集地の郊外に多い。郊外で夜中の大型スーパー、そんなに売れているのだろうか。実際、大型スーパーの深夜営業は規模が大きい分非効率なうえ、思ったほど利益増に貢献していないとも聞く。深夜に何かを買いに行きたくなったら、消費者心理としてスーパーではなくコンビニに行くという。確かに夜中に大量の買い物をする人は限られていて、何かそのときにほしい、あるいは切らしていて困るモノを少しだけ買うのに、スーパーは大きすぎる。また、客層が変わる深夜のニーズに昼と同じ品揃えでは対応がしきれないという。「大は小を兼ねる」ということにはならないらしい。例えばコーラという単品単位だと大手スーパー各社がよってたかっても、セブン-イレブン1社ほどの量が売れない。

それなのになぜ大型スーパーの長時間化は進むのか。元日も営業し、年間休日数を極力減らそうとするのか。顧客利便性の向上、これには一理ある。夜中の営業はすべての人に不要なサービスではないから。でも実際には売上を確保したいのではないか。1日でも1時間でも長く営業すれば、売上はほぼ確実にあがる。顧客ニーズというのもあやしい。顧客は移り気でわがままだから、24時間とか安いとか、自分に都合の良いサービスはすぐに慣れて当たり前になり、提供してくれる企業に感謝することはない。ウォルマートのEDLP(エブリディ・ロー・プライス)が定着せずに迷走していることからもわかるように、価格にしろ、営業時間にしろ、「相対的にどうなのか」という視点が実は日本の消費者には重要だったりする。つまり「どこより安い」「昨日より安い」「21時閉店より22時閉店の方が便利」という視点。24時間365日営業だと、次の一手がない。別にすべての店で24時間営業が不要だというわけではなく、どこでもどんな業態でも、同じ土俵で横並び、せめぎあいというのはどうだろうかと思う。



日本のサービス力は健在か?

2005-01-10 00:09:16 | まち歩き
近隣のコンビニやスーパーのスタッフには、外国人が多い。そのほとんどは中国人。国籍で何かを語るのは誤解を生むかもしれないが、以前は「サービス精神がない」というのが中国人の定説だった。イデオロギーの違いだからそれは仕方がない。だが最近では日本人スタッフよりきちんとした対応をする人が増えた。正確な日本語を使うし、気持ちの良い笑顔を見せてくれる。本国でも上海などの大都市圏では、日本企業のサービスを見習い、接客技術の向上に努めている企業が多いと聞く。それだけ日本のサービス力は、世界的にもずば抜けて優秀だと考えられている。

だが日本のサービス力は、ある種揶揄の対象にもなった。例えば電車の車内放送や行き先の案内がうるさすぎる、乗客を子ども扱いしすぎという意見はよく言われた。最近少し改善(?)されたように思う。あるいは客と店は同等ではないかとか、謙りすぎだとか、ちょっと趣旨が違うが、エコノミックアニマルだとか、マジメに働き、顧客に手厚いサービスを行うことを批判するような風潮に陥ったことがある。その挙句といってしまうのは短絡的だが、合理的なシステムの店舗が増え、接客スタッフのサービス力が落ちてしまっているような気がする。きちんとした日本語で会話できない日本人スタッフが多くなっている。何もいわゆるファミレス用語のことを言っているわけではなく、聞いた質問にかなり的外れな答えをする若い人が増えているのだ。おかしな日本語を話すだけでなく、普通の日本語が聞き取れていないとしか思えない場合がある。語彙が変わってきているのか?コミュニケーションのジェネレーションギャップなのか?

マーケットが成熟する過程でディスカウンターや大型ショッピングセンターは、ロードサイドに集中し、スーパーの袋詰めはセルフサービスになった。米国型の合理的なシステムが日本に定着したが、最近になって顧客ニーズは中小規模の高サービス・高品質の都市型スーパーマーケットにシフトしつつある。確実に日本の高齢化は進み、1世帯あたりの人数は減っている。車で週末にスーパーでまとめ買いをするスタイルが、マジョリティとはもはや言えないのでは?日本にもまたサービス力が重視される時代がやってきている。その時、失われた能力を取り戻すことができるのか、疑問が残る。