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ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

自転車修理の行商人

2004-11-22 00:55:29 | 日記・エッセイ・コラム
気がついたら伝統的な自転車屋さんがめっきり減っている。いわゆるマウンテンバイクショップなどは別にして、ママチャリも売っていて、もちろん空気を入れたり、パンクを修理したりしてくれる店だ。無印良品やスーパーなどで安い自転車を買う人が増えて需要が減り、跡継ぎがいなくなったのかもしれない。街の電気屋も同じ傾向だ。そうすると困るのは修理だが、今電化製品を修理してまで使うケースというのは減った。パソコンは蓄積されているデータの問題があるので壊れたら修理をするが、それ以外の家電はめったに壊れないし、壊れたら最後、修理するより買った方が安いくらいの製品も多い。

しかし自転車のパンクはそうはいかない。うちの自転車は1年ぐらいにパンクしたきり、駐輪場の肥やしになっている。インターネットで調べたら、出張してくれる自転車修理のサービスがあることを知ったが、面倒でそのままだ。近所のおしゃれなバイクショップに引きずっていったら、修理は受けていないと断られてしまった。そんな話を友人にしたら、彼女の住んでいる近くには自転車修理のサービスのオジサン(…とイメージで勝手に決めているが性別年齢は不明)が回っているらしい。いわゆる行商人、移動自転車修理屋さんだ。結構人気があるらしい。弁当やホットドッグのような食べるものならともかく、自転車修理のためにあてどなく街を巡っても非効率そうだが、そうでもないのだろうか。でもうちにも来て欲しい…。

深く考えれば、もしかしたらもっと他にも行商したらニーズがありそうなものも存在するかもしれない。便利になって、昔ながらのものに回帰するというのは本末転倒のような気もするが、案外そういうものかも。

【おまけ】出張可能な自転車修理
*首都圏
http://www.rivo.mediatti.net/~keyman/
http://www.cyclepit.com/
*関西
http://www.h4.dion.ne.jp/~tac6329
上記以外にもたくさんあります。出張範囲は各自で確かめてください。



価格の絶対評価と相対評価

2004-11-20 23:11:30 | 日記・エッセイ・コラム
hone久しぶりにロードショー映画を観に行った。新宿の映画館の前にプレイガイドがあり、何気なく入ると、封切後の映画も前売り価格で売っているという。つまり学割より安い価格になるわけだ。昔は映画の価格ルールは絶対的だったが、今はレディースデーあり、映画の日あり、そうかと思えばプレミアムシートありと、1,800円という標準的な当日券価格は、マイノリティですらある。

これは他の商品にもいえる。メーカー小売希望価格は、まさに“希望”でしかない。家電量販店に行くと、他店より高ければその価格まで下げると貼り紙が出ている。東京は物価が高いというが、細かいものは競争が激しい東京の方がはるかに安い。うちの周辺だけでドラッグストアは数えられないくらいあるが、実家のある地方都市に行くと平気で低下でヘアムースを売っていたりする。

価格には絶対評価と相対評価がある。絶対評価をされる商品やサービスは良い。乱暴な定義をすれば、価格について絶対評価を受けるモノが「ブランド」だと思う。他と比べず、消費者が手をのばすもの。少しぐらい(ひょっとしたら大幅に)高くても、選ばれるもの。

最初の映画の話に戻れば、こと映画に関しては、秀作だろうが駄作だろうが、ロードショーであれば価格はほぼ同じだ。そうなればブランドを決めるのは、報道と観客の力による。作品を紹介するジャーナリズムと観客の選び取る力、その背景には出演者や製作者の実績や受けている評価もある。でも本当は、作品や映画館の質によってもっと鑑賞料金が違ってもいいのに…とも思う。良いと思えるものに、多少高くても正当な対価を払えることも、賢い消費者のアビリティの一つ。消費者は、働いている限り一方では生産者でもあるのだから。

*文面とは関係ありませんが、写真は今回観に行った映画です。
感想はこちらでどうぞ⇒Click here, please.


『チキンライス』はミリオンセラーを目指せるか?

2004-11-18 23:16:24 | アート・文化
RCJ_20041110_yrcn10071昨日渋谷を歩いていると、TSUTAYAの前で“チキンライス”のキャンペーンをやっていた。浜田雅功が歌う松本人志作詞のクリスマスソングっていうヤツだ。作曲とプロデュースを担当したのは、槇原敬之。プロデュース作品として、“世界に一つだけの花”以来の鳴り物入りのナンバーという感じだ(さすがに“はとまめ”はぱっとしなかった)。
 関連ニュース⇒http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/oricon/?1100762468
“世界に一つだけの花”はある種完成されたヒューマニズム、わかりやすい世界観があるが、“チキンライス”の詞の内容までナマっぽくなると、家族愛やノスタルジーを通り越してプアな(経済的に貧しいという意味ではなく)感じすらする。これは3人のコラボレーションがなければ、売れない世界だろう。

ただ、最近の槇原敬之には空気を読む鋭さ、トレンドと融合し、作品を編み出す技術は確かにある(黒子のプロデューサーがいるにしても)。奇をてらわず、最大公約数の人心がNoとは言えない世界観を創り出している。それは一時代に小室やつんくが生み出したエンターテインメントとは明らかに異なる感覚。音楽を音楽として完結させるのではなく、キャスティングのタレント性や時代のニーズを読むマーケティング視点を感じる。

私は音楽そのものについては素人以下だが、彼の描くミュージシャンという枠を超えた時代感覚には興味がある。けれども、そういう音楽でなければ、一定以上の数が売れないということは、メジャーの世界では今まで以上に音楽が音楽として成り立ちにくくなっているのかも。これはドラマやCFとのタイアップばかりが台頭し出した時代から続いていて、定着しつつある。今、楽曲に企画力がなければ、CDは売れなくなっている。そして時たま花火のように爆発的なヒットが出る。ところがその後が続かない。SMAPもいまだに“世界で一つだけの花”の次の曲を発表していない。



情報を提供する責任

2004-11-16 00:49:02 | まち歩き
DSC02829_thumbある地方都市への出張の帰り、私は東京行きの最終便に乗るために、空港バスに乗り込んだ。外は既に暗く、激しい雨が降っている。一緒に乗ったすべての客が席に着いたとき、運転手が振り返り、「大阪行きに乗られるお客様はいますか」とおもむろに聞いた。ほとんどの客は東京便だったようだが、2人だけ手をあげた女性客(2人連れ)がいた。運転手は「今日の大阪行きは欠航になりました。大阪からも飛行機は来ません。」2人は唖然として、「JALの人とはどこで話せるのですか。ここで降りたほうがいいのですか」とパニックになっていたのか、頭の整理がついていない様子の言葉を矢継ぎ早に発した。ところが運転手は、最初に言った以上の情報を一切出さず、「空港に行くより、ここで降りた方が良いでしょう」と一言言って、2人の客を降ろしてしまった。私たち東京便の客も突然のことに唖然としてかける言葉もなく、そのままバスは走り去った。

彼女たちは先を急ぐ出張客には見えなかった。主婦仲間2人の旅行のようだった。しかしそれだけに旅慣れているわけでもなく、うまく機転が利かなかった可能性がある。私自身も後から思いついたが、大阪へならJRの乗り継ぎでギリギリだが、その日夜までに到着できる。なぜ空港バスの運転手は、そういう善後策や情報を提供してあげなかったのだろう。航空会社も欠航の連絡をバスに入れたときに、追加情報を提供するよう指示できなかったのだろうか。運転手に委ねることができないなら、せめて緊急連絡先の書いたカードを予め用意しておき、渡すルールにしておいてもよいではないか。朝や昼間ならともかく、大阪行きの終電にも1分1秒を争う時間に、飛行機は飛ばないと駅に放り出す航空会社やバス会社の了見って…?しかも欠航理由は天災や事故等のやむを得ないものではなく、整備機材不足という単なる航空会社のミスか事情だった。その理由さえ、空港に行かなかった彼女たちには知らされなかった。

もちろん整備不良で飛ぶリスクは犯せない。急なことで代替機が用意できなかったのだとしたら、飛ばないことは仕方がない。けれども情報を公開すること、適切な善後策、対応策をスピーディに提供し、顧客の損害を最小限に食い止めることは、最低限必要なのではないだろうか。



丸の内マイプラザもあったのね

2004-11-13 13:18:52 | まち歩き
marunouchi丸の内オアゾに比べてあまり話題にのぼらなかった『丸の内マイプラザ』のオープン(今年9月)。その要因はあくまでビルの基軸がオフィスビルであることと立地条件の圧倒的悪さ、デベロッパーのPR力の違いだろう。東京駅というより普通はあまり利用されない二重橋駅が最寄り駅。ここにティファニーやイルムス、ジャンポール・ゴルチェ、オペークなどが入居している。テナントのセレクトは、オアゾよりクラスブランド&ファッション路線で、ビルの重厚感とあいまって格調は感じられる。ただ、敷居は高い。売れる、集客できるということがすべての目的ではないわけで、そうであればマイプラザの物販部分は問題がいないのかもしれない。ただ、このあたりのOLを狙ってやっぱりビジネスも考えたいのなら、もっとも集客力を期待できるオペークの化粧品関係の品揃えがやや不足感あり。イルムスは、このブランドのMDを考慮するとちょっと狭い。

それとこのMDで「マイプラザ」ってネーミングはどうなのか?安直すぎて、品格や洗練さがあまりない。この際付けなくてもいいような…。オアゾも最初「へっ?」と思ったが、語感に慣れると違和感がなくなり、少なくともありきたりな感じはしない(意味はありきたりだけど、選んだ言語が…)。マイプラザは最初から慣れきった感じで…。

飲食店はとりたてて特長やコンセプトに一貫性がない。B2Fのファストフード系はビルや近隣のOLには便利かも。一応マック、吉野家ではじゃなく、スープ専門店やおむすび専門店、ジューススタンドなど、もはやオーソドックス感のある人気者を揃えているし。レストランは「さぼてん(とんかつ)」「銀座ハゲ天」や「ちゃんとダイニング」など、おなじみのチェーン系が目立つ。「麓屋」「郷どり燦鶏」も何店舗あるのかはわからないけど、もはや珍しさはない。ちなみに「韓式炉端いふう」は大阪からの進出。最近このあたりの地方初進出が目立つ。全体にはあえて言えばワンランク上のチェーン店バリエーション。でも場所柄まずはビル内勤務のビジネスマンやOLを対象にしないと、広範囲からの集客は難しいということでの選定なのかもしれない。ただ、ランチ以外は、自分のビルの中でわざわざお金払って遊ばないと思うけど。大手企業の人に聞くと、結構遠出しているみたいで、結局はこのあたりだと余裕で銀座ぐらいまでは流れているのだろうな。

いずれにしても、丸の内近辺、今さらながら頑張っている感は十分にある。ストリートも洗練されているし、圧倒的な集客はしない方がきっとこの街のブランドは守り通せると思う。